皐月賞2010予想
皐月賞 これまでのレース分析と各馬の特徴から。

軍神マルス
08期 予想歴12年

◎ヴィクトワールピサ
  1着/1人気

○エイシンアポロン11着/4人
▲ヒルノダムール2着/6人
×ガルボ
×エイシンフラッシュ


★傾向分析★
2004年 タイム 1'58"6 (良) 1FAve=11.86 3FAve=35.58
テン35.3-中盤48.9(3F換算36.68)-上がり34.4 『加速・中弛み』
1着ダイワメジャー・・・サンデーサイレンス×ノーザンテースト=サンデーサイレンス×ノーザンテースト 〔4-d〕 2-2
2着コスモバルク・・・ザグレブ×トウショウボーイ=ヌレイエフ×プリンスリーギフト 〔5-d〕 4-5
3着メイショウボーラー・・・タイキシャトル×Storm Cat=ヘイロー×ストームバード 〔10〕 1-1

2005年 タイム 1'59"2 (良) 1FAve=11.92 3FAve=35.76
テン35.0-中盤49.7(3F換算37.28)-上がり34.5 『中弛み』
1着ディープインパクト・・・サンデーサイレンス×Alzao=サンデーサイレンス×リファール 〔2-f〕 9-9
2着シックスセンス・・・サンデーサイレンス×Danehill=サンデーサイレンス×ダンチヒ 〔16-a〕 12-13
3着アドマイヤジャパン・・・サンデーサイレンス×Caerleon=サンデーサイレンス×ニジンスキー 〔16-c〕 5-5

2006年 タイム 1'59"9 (良) 1FAve=11.99 3FAve=35.97
テン35.6-中盤48.6(3F換算36.45)-上がり35.7 『一貫・中弛み』
1着メイショウサムソン・・・オペラハウス×ダンシングブレーヴ=サドラーズウェルズ×リファール 〔3-l〕 4-3
2着ドリームパスポート・・・フジキセキ×トニービン=サンデーサイレンス×グレイソヴリン 〔1-t〕 6-9
3着フサイチジャンク・・・サンデーサイレンス×Bellotto=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔4-m〕 10-9

2007年 タイム 1'59"9 (良) 1FAve=11.99 3FAve=35.97
テン35.5-中盤48.5(3F換算36.38)-上がり35.9 『一貫』
1着ヴィクトリー・・・ブライアンズタイム×トニービン=ロベルト×グレイソヴリン 〔1-l〕 1-1
2着サンツェッペリン・・・テンビー×オジジアン=ニジンスキー×ダマスカス 〔22-b〕 2-2
3着フサイチホウオー・・・ジャングルポケット×サンデーサイレンス=グレイソヴリン×サンデーサイレンス 〔1-p〕 11-9

2008年 タイム 2'01"7 (良) 1FAve=12.17 3FAve=36.51
テン36.2-中盤50.3(3F換算37.73)-上がり35.2 『加速・中弛み』
1着キャプテントゥーレ・・・アグネスタキオン×トニービン=サンデーサイレンス×グレイソヴリン 〔3-l〕 1-1
2着タケミカヅチ・・・ゴールドアリュール×マルゼンスキー=サンデーサイレンス×ニジンスキー 〔13-c〕 11-8
3着マイネルチャールズ・・・ブライアンズタイム×Zabeel=ロベルト×ターントゥ 〔6-b〕 8-6

2009年 タイム 1'58"7 (良) 1FAve=11.87 3FAve=35.61
テン34.8-中盤48.3(3F換算36.23)-上がり35.6 『前傾・中弛み』
1着アンライバルド・・・ネオユニヴァース×Sadler's Wells=サンデーサイレンス×サドラーズウェルズ 〔1-l〕 12-9
2着トライアンフマーチ・・・スペシャルウィーク×ダンシングブレーヴ=サンデーサイレンス×リファール 〔7-d〕 18-18
3着セイウンワンダー・・・グラスワンダー×サンデーサイレンス=ロベルト×サンデーサイレンス 〔3-l〕 14-15

流れは近5年で4年『中弛み』となっていることから、『中弛み』になりやすい傾向と考える。

2分を切るかどうかで好走馬がガラッと変わる皐月賞。1'58秒台だとマイラーが好走し、1'59秒台前半ならサンデーサイレンスが好走。2'00秒以降になると欧州型のスタミナ型向き(ノーザンダンサー系・ロベルト系)の傾向。

1'58秒台でマイラーが好走するのはスピード勝負でそのまま押し切れてしまう流れになりやすいため。この流れの時にはダートで好走歴のあった馬やミスプロ系が活きる流れとなる。この場合は逃げ・先行がよく好走する。

1'59秒台なら、中盤が弛み上がりの速さを競うレースになりやすく、サンデーサイレンスが得意のレース質になる。先行・差しが活きる流れとなる。

2'00秒以降ならばスタミナの持続性能が問われ、距離適性が延びると好走しそうなスタミナ型のノーザンダンサー系(特にオペラハウス)やロベルト系向きとなる。

ただ基本はサンデーサイレンス系のためのGⅠという様相が強く、やや欧州型の要素(=特に凱旋門賞血統)を含んでいる馬が一番適性に嵌るように思います。

牝系の傾向は、No.〔1〕〔3〕〔4〕の牝系の好走が多い。
成長力の充実度とスタミナの要る流れになりやすいコースということが好走に結びつくのでは?と考える。
また分枝記号は、l記号が特注。l記号は、クラシックで好走が多くトップクラスの能力を秘めている馬が多い。

★予想★
皐月賞のポイントは、
①サンデーサイレンス系が好走しやすく、その上で凱旋門賞血統を父か母父に持つ馬。
②前走4コーナー3番手以内で好走している馬。
③牝系はクラシック好走しやすいNo.〔1〕〔3〕〔4〕などに注目。分枝記号lは特注。トライアル好走の分枝記号dにも注意。

◎ヴィクトワールピサ・・・ネオユニヴァース×Machiavellian=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔8-d〕
前走弥生賞1着(=中山芝2000m)。ここまでの戦績は5戦(4-1-0-0)で、唯一2着になった新馬戦は2歳王者ローズキングダムと僅差の内容。芝2000mは4戦4勝とパーフェクトな成績で、信頼できる堅軸と考える。
ネオユニヴァース産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、基本的には小回りコース向きが多く中山コースでの好走も多い。鋭い瞬発力を繰り出すタイプには能力の高い馬が多く(=アンライバルド、ミクロコスモスなど)、本馬もこれまで34秒台前半の上がりを連発している。前走弥生賞は重馬場にも対応し、上がりがかかっても問題ないというパワーも証明。母父Machiavellianは持続する流れに強い特性を持ち、その上でキレる末脚を繰り出す。一瞬の脚に優れた短距離・マイラー血統なのだが、抑えが利けば中距離もこなす。
No.〔8〕の牝系は、古馬で真価を発揮するタイプが多い。3歳春シーズンも好走は可能だが、中距離以上の距離で好走する。人気よりも伏兵の方が好走しやすいタイプなので(=それでも上位人気での好走が多い)、断然人気ではやや信頼は落ちる点がある。分枝記号dは、精神的にタフなタイプが多く、遠征や重馬場は苦にしない。また前走好走だと次走でも好走しやすい特性も持ち、特にトライアルレースなど前哨戦快勝→GⅠは必殺のローテーションとなる。

○エイシンアポロン・・・Giant's Causeway×Sadler's Wells=ストームバード×サドラーズウェルズ 〔1-l〕 
前走弥生2着(=中山芝1600m:0.2秒差)からの好走。Giant's Causeway産駒はストームバード系で、ハイペースで飛ばしても簡単にバテない先行押し切り型。またストームバード系は、好調期にまとめて稼ぐ短期集中型が多く、2~3歳戦で好走できるスピードと完成度の高さがある。母父Sadler's Wellsは、成長力豊かで底力がある。厳しい展開でこその血統だが、今回の内容からはキレる脚がない分サンデーサイレンス系の好走の多い皐月賞では連下候補と思いました。ペースが上がり時計が速くなっても好走可能と考えるが、展開面からヴィクトワールピサとは力の差が大きいと考え逆転は難しいと考える。ただし弥生賞でも3着以下は完封した内容から対抗として評価する。
No.〔1〕の牝系は、クラシック好走が多く春シーズンには完成することの多い成長力と仕上がりの早い牝系。分枝記号lは、クラシックで特注の強い馬を排出しやすい記号。

▲ヒルノダムール・・・マンハッタンカフェ×ラムタラ=サンデーサイレンス×ニジンスキー 〔4-i〕
前走若葉S2着(=阪神芝2000m:0.1秒差)。マンハッタンカフェ産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、ステイヤータイプだが素軽い先行力を持ち、難儀な不発が少ない堅実さが特徴で前半に脚を溜めれば鋭い瞬発力も使える。母父ラムタラはニジンスキー系で、凱旋門賞で好走した生粋の欧州スタミナ型。持久力が豊富で力の要る馬場や厳しい展開でこそのタイプ。近年はサンデーサイレンス×欧州スタミナ型血統がよく好走していて、このパターンに該当する馬でもある。ここまではスプリングS1着馬アリゼオと新馬戦で僅差(0.0秒差)、世代ではハイレベルな戦いだったラジオNIKEEI杯2歳S4着(=阪神芝2000m:0.4秒差)などから、上位の力はあると考えて期待する。
No.〔4〕の牝系は、3歳春から力をつけてクラシックで好走するような成長力がある。スタミナを活かしての好走が得意でもあり、皐月賞での好走も多い牝系。分枝記号iは、かなり一本調子なタイプで器用な脚に欠けるが小回りコースなら開幕週などが狙い目のタイプ。

△ネオヴァンドーム・・・・ネオユニヴァース×トニービン=サンデーサイレンス×グレイソヴリン 〔11〕
前走きさらぎ賞1着(=京都芝1800m)。ネオユニヴァース産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、基本的には小回りコース向きが多いが、広いコースにも対応可能。鋭い瞬発力を繰り出すタイプには能力の高い馬が多く(=アンライバルド、ミクロコスモスなど)、本馬もヴィクトワールピサ同様で34秒前半の上がり使える馬。母父トニービンはスタミナもあり、強敵相手に好走しやすい特性や連続好走しやすい特性を持っている。重賞挑戦で相手強化はプラス要因。前走きさらぎ賞の好走は不利な流れの中での好走なので、評価したいと思います。またサンデーサイレンス×トニービン配合も最近の皐月賞の好走配合。
No.〔11〕の牝系は、クラシック秋から古馬でよく成長するタイプの多い牝系。クラシック春シーズンはまだ詰め甘のところがあるが、東京や京都などのびのびしたコースでなら好走可能。この点からダービー向きと考える分評価を下げたが、ここでの好走も可能と判断して△評価。分枝記号なしから、産駒ごとに得手不得手ははっきりしているものの、平均的に能力を発揮し、やや晩成傾向。

他にも気になる馬はいるのだが、これらは良くて3着候補と考えて軽視しました。

アリゼオは、前走スプリングS1着(=中山芝1800m)か。中山芝コースは2戦2勝だが、前走は鮮やかすぎる逃げだったため、今回はその鮮度が活かせないと考える。シンボリクリスエス産駒はロベルト系で、本格化前までは詰め甘で、持久力とスピードの持続性能に優れていて厳しい流れでこそ本領発揮するが、意外にあっさり強敵相手に凡走する淡泊さも持ち合わせている。2歳~3歳になりたての時期のロベルト系は全般的に詰め甘なことが多いが、クラシックの足音が聞こえるトライアルの時期になると好走も多くなる(=09年クラシックシーズンのシンボリクリスエス産駒のリクエストソングやアプレザンレーヴなども似たような成績)。母父フジキセキは、内枠を活かしてすっと好位を取って折り合い、一瞬のタイミングで馬群を抜けられる器用な脚が武器。皐月賞とロベルト系は相性が良いのだが、トライアル専用好走タイプのイメージが払拭できないので軽視。
No.〔19〕の牝系は、淡々と流れる厳しい流れにに強いタフな牝系。分枝記号なしは、産駒ごとに得手・不得手はあるものの平均的に能力を発揮するタイプで、やや晩成傾向。

リルダヴァルは、前走毎日杯3着(=阪神芝1800m:0.3秒差)。前走は休み明けでの好走だが反動の出そうな内容で、また今回は馬場状態から得意の瞬発力勝負には持ち込めないと考えて軽視。
アグネスタキオン産駒はスピード型サンデーサイレンス系で、前走0.5秒差以内で5着以内だと好走しやすい特性を持ち、サンデーサイレンスの瞬発力を最も活かしやすい。母父Thunder Gulchはミスプロ系で、仕上がり早のマイラー血統。ダート戦では信頼が高いが、芝は3歳春までのことが多い。ただこれは父系に入った時に言えることで、母父ならばダート向きのパワーを瞬発力の推進力に利用できる。
No.〔2〕の牝系は、2歳戦から走れる仕上がりの早さとクラシックでも好走する成長能力を有した牝系。直線の長いコースでの末脚勝負にも強い。分枝記号fは、休み明けを苦にしない反面、叩いて一変も少ない。この特性にからは今回もも走可能と考えるが...。

ゲシュタルトは、前走スプリングS2着(=中山芝1800m:0.2秒差)。マンハッタンカフェ産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、ステイヤータイプだが素軽い先行力を持ち、難儀な不発が少ない堅実さが特徴で前半に脚を溜めれば鋭い瞬発力も使える。母父エンドスウィープはミスプロ系だが、芝向きのマイル~中距離型で厳しい持続型の流れで強さを発揮する。
No.〔13〕の牝系は、距離が延びて本領発揮型で、キャリアを積み上げながらクラスの壁を越えていくタイプ。分枝記号eは、上がりのかかる消耗戦的な流れに強い特性がある。前走は展開面からみても恵まれた内容ではないので、キャリアを積みながらクラスの壁を越えていく特性からは評価したいが5番手評価。

ローズキングダムは、前走スプリングS3着(=中山芝1800m:0.2秒差)。キングカメハメハ産駒はキングマンボ系で、格の高いレースで究極のスピード競馬(=レコード決着)になるほど凄味をきかす血統。厳しい展開ほど持ち前の底力が活き、2歳から走れる完成度の高さと成長力がある。本格化前は詰め甘な点があることには注意が必要だが、ここまでは無敗でしかも全てが僅差の内容だが強い。母父サンデーサイレンスは、前走の勢いをそのまま活かして好走することの多い特性がある。ただし3歳の中山コースの重賞に関しては母父サンデーサイレンスは過信禁物。瞬発力を武器にするタイプがその瞬発力を活かせずに凡走することも多い。今回も前走同様この特性が嵌りそうと考えて評価を下げました。ただキングマンボ系は道悪上手いので、こなせる下地と実力はあると考える。
No.〔1〕の牝系で、クラシックで好走が多く3歳春にはある程度完成する、完成度が高く仕上がりの早い牝系。分枝記号wは、典型的なローカル巧者が多いが、中央なら固く時計の速い馬場での好走が多い。分枝記号から時計勝負になりにくい今回の馬場を割り引いての評価。

レーヴドリアンは、前走きさらぎ賞2着(=京都芝1800m:0.0秒差)。スペシャルウィーク産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、本来はエンジンの掛かりが悪く末脚が不発に終わることも多いのが産駒の特徴なのだが、本馬は34秒台の末脚を連発していて性能の良いエンジンを積んでいる様子。母父Highest Honorはグレイソヴリン系で、狂気のゼダーン系へと遡る。2歳から走るタイプもいれば古馬にて強くなるタイプもいて様々だが、確実なのは芝向きで厳しい流れで真価を発揮するタイプ。母レーヴドスカーの産駒は07年阪神JF2着のレーヴダムールや09年青葉賞1着アプレザンレーヴと早い時期から重賞好走が可能なタイプと考える。きさらぎ賞好走馬は、今後の活躍に期待できる馬が過去の傾向から多いが、ダービーや菊花賞での好走が多いのでその分今回は少し評価を下げました。ダービー向きのタイプのイメージ。
No.〔1〕の牝系は、クラシック春シーズンによく成長・充実し好走する、仕上がりが早く完成度の高い牝系。分枝記号pは、時計のかかる馬場に強く、急坂も苦にせず安定性はある。ただしここ一番の大舞台に弱いところはあるので、伏兵の立場なら狙いたい。断然人気では過信禁物。今回の人気なら面白い存在ではある。

ダイワファルコンは、前走弥生賞3着(=中山芝2000m:0.4秒差)。ジャングルポケット産駒はトニービン系で、長い直線をぐんぐん伸びてくる末脚の長さや、一瞬のもたつきはトニービン系に共通する特徴。反面小回りコースの成績も良いタイプもいる。またジャングルポケットは、母父の特性も活かしやすく、母父サンデーサイレンスは前走の勢いと鮮度を活かしての好走が多い。重賞挑戦はプラス要因となり、父×母父ともに相手強化で本領発揮タイプ。トニービン系×サンデーサイレンス系は近年の皐月賞好走血統でもあるのだが、前走の着差から届いて3着と考えて今回は評価を下げました。。
No.〔4〕の牝系は、3歳春から力をつけてクラシックで好走するような成長力がある。分枝記号dは、精神的にタフなタイプが多く、遠征や重馬場は苦にしない。また前走好走だと次走でも好走しやすい特性も持つ。前哨戦好走→GⅠへの必殺ローテーション(=近親ダイワメジャーもトライアル3着→皐月賞1着だったので侮れない)。

ガルボやエイシンフラッシュは、休み明けで好走も可能とは思うが、混戦の皐月賞で休み明けを狙うよりも叩いて調子の良い馬を狙うべきと考えて消し。


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皐月賞2010回顧
皐月賞 ヴィクトワールピサはディープインパクト級!?

軍神マルス
08期 予想歴12年

次走狙い:ヴィクトワールピサ
次走狙い:ヒルノダムール
次走危険:ローズキングダム


2010年 タイム 2'00"8 (良) 1FAve=12.08 3FAve=36.24

ラップ
①12.1-②10.9-③12.4-④12.1-⑤12.6-⑥12.5-⑦12.3-⑧12.1-⑨11.8-⑩12.0
1FAveとの誤差
①±0 ②-1.2 ③+0.3 ④±0 ⑤+0.5 ⑥+0.4 ⑦+0.2 ⑧±0 ⑨-0.3 ⑩-0.1
テン35.4-中盤49.5(3F換算37.13)-上がり35.9 『前傾・中弛み』

『前傾』・・・逃げ× 先行△ 差し○ 追込◎
『中弛み』・・・逃げ◎ 先行△ 差し× 追込○

1着ヴィクトワールピサ・・・ネオユニヴァース×Machiavellian=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔8-d〕 7-8
2着ヒルノダムール・・・マンハッタンカフェ×ラムタラ=サンデーサイレンス×ニジンスキー 〔4-i〕 15-12
3着エイシンフラッシュ・・・King's Best×Platini=ミスプロ×ハンプトン 〔8-a〕 10-12
4着ローズキングダム・・・キングカメハメハ×サンデーサイレンス=ミスプロ×サンデーサイレンス 〔1-w〕 7-8
5着アリゼオ・・・シンボリクリスエス×フジキセキ=ロベルト×サンデーサイレンス 〔19〕 5-3

流れはテン-上がりのラップ差から『前傾』と中盤の弛みから『中弛み』の複合ラップ。近年皐月賞は『中弛み』の流れになりやすく、今年もこの傾向は嵌ったと思われる。展開的には追込が最も恵まれ、次いで逃げ、先行・差しには厳しい流れと考える。

1着ヴィクトワールピサは、前走弥生賞1着(=中山芝2000m)からの好走。ここまで芝2000mは4戦4勝とパーフェクトな成績で、皐月賞に照準を合わせたステップだったと考える。ただ同距離を数多く走るということは本来ストレスが溜まり易く、本番で好走が結構難しいステップであり(=近年では08年3着マイネルチャールズなど)、ここで好走した内容を考えるとディープインパクト級の可能性ありと考える(=2冠・3冠が可能)。
ネオユニヴァース産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、基本的には小回りコース向きが多く中山コースでの好走も多い。2年連続して好走馬を輩出していることからも、中山コース適性と成長力の高さは評価すべき。鋭い瞬発力を繰り出すタイプには能力の高い馬が多く(=アンライバルド、ミクロコスモスなど)、本馬もこれまで34秒台前半の上がりを連発している。この点もネオユニヴァース産駒は要注目。母父Machiavellianは持続する流れに強い特性を持ち、その上でキレる末脚を繰り出す。一瞬の脚に優れた短距離・マイラー血統なのだが、抑えが利けば中距離もこなす。今回は差し→先行へと番手を押し上げ、なおかつ内を回っての完勝という内容からは確実に世代間では一枚抜けた存在と考える。ダービーでも不動の中心と考える。
No.〔8〕の牝系は、古馬で真価を発揮するタイプが多い。3歳春シーズンも好走は可能だが、中距離以上の距離で好走する。人気よりも伏兵の方が好走しやすいタイプなので(=それでも上位人気での好走が多い)、断然人気ではやや信頼は落ちる点がある。またクラシック春シーズンは東京芝2400m出の好走も多く(=シンボリクリスエス、エアグルーヴ、アドマイヤグルーヴ、フサイチパンドラなどがいる牝系なので)、距離延長は問題なく成長力に優れた牝系と考える。分枝記号dは、精神的にタフなタイプが多く、遠征や重馬場は苦にしない。また前走好走だと次走でも好走しやすい特性も持ち、特にトライアルレースなど前哨戦快勝→GⅠは必殺のローテーションとなる。この特性も次走にも期待大と考える。

2着ヒルノダムールは、前走若葉S2着(=阪神芝2000m:0.1秒差)からの好走。若葉S好走馬は近年好走馬が多い相性の良いステップとなりつつあり、特に凱旋門賞好走血統を有する配合馬が良く好走している(=07年1着ヴィクトリー:母父トニービン、09年2着トライアンフマーチ:母父ダンシングブレーヴ)。
マンハッタンカフェ産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、ステイヤータイプだが素軽い先行力を持ち、難儀な不発が少ない堅実さが特徴で前半に脚を溜めれば鋭い瞬発力も使える。母父ラムタラはニジンスキー系で、凱旋門賞で好走した生粋の欧州スタミナ型。持久力が豊富で力の要る馬場や厳しい展開でこそのタイプ。近年はサンデーサイレンス系×欧州スタミナ型血統(=特に凱旋門賞好走血統)がよく好走していて(=06年2着ドリームパスポート、08年1着キャプテントゥーレ、09年1着アンライバルド・2着トライアンフマーチなど)、最近の皐月賞では要注意配合馬でした。
No.〔4〕の牝系は、3歳春から力をつけてクラシックで好走するような成長力がある。スタミナを活かしての好走が得意でもあり、皐月賞での好走も多い牝系。分枝記号iは、かなり一本調子なタイプで器用な脚に欠けるが小回りコースなら開幕週などが狙い目のタイプ。今後の成長力にも期待が出来るタイプでもあり、分枝記号から広いコースの方が向くのでダービーでの好走も可能と考える。

3着エイシンフラッシュは、前走京成杯1着(=中山芝2000m)からの休み明けでの好走。今年の皐月賞は混戦と考えていたため、休み明けを買うよりはステップレースを使った馬を上位にと考え、好走はないだろう!と考えていましたが、結果3着に好走。中山芝2000m好走実績(=京成杯1着)があり、07年2着サンツェッペリンに近いタイプだったと考え、コース実績と位置取り(=前走4コーナー3番手以内)は要注意と反省します。
King's Best産駒はキングマンボ系で、全体的なスピードを武器に距離は問わず、淀みないペース向きの自力勝負血統。キングマンボ系なので2歳戦から走れる仕上がりの早さを持ち合わせるが、3歳春クラシックシーズンまでは詰めの甘い点がある。この時期は実が入り始める時期でもあり、今後の成長には期待。母父Platiniは、重厚なドイツ血統でのスタミナ型のタイプ。近年ドイツ血統は日本の馬場に合うようで、King's Bestにもドイツ血統が脈々と入っていてこのドイツ血統が好走を引き出した可能性高し。
No.〔8〕の牝系は、早い時期から走るが人気を背負うと少し信頼性に欠ける点がある。小回りコースよりは広いコース向き。ヴィクトワールピサと同じ牝系でもあり、また逃げて12着となったバーディバーディも同じ牝系なので、走りやすい流れを引き出してもらった可能性もあると考える。分枝記号aは、気性的には素直な産駒が多いが父親よりはスケールが小さくなる傾向。

4着ローズキングダムは、前走スプリングS3着(=中山芝1800m:0.2秒差)からの好走。キングカメハメハ産駒はキングマンボ系で、格の高いレースで究極のスピード競馬(=レコード決着)になるほど凄味をきかす血統。厳しい展開ほど持ち前の底力が活き、2歳から走れる完成度の高さと成長力がある。本格化前は詰め甘な点があることには注意が必要だが、この時期からは実が入る。母父サンデーサイレンスは、前走の勢いをそのまま活かして好走することの多い特性がある。ただ3歳の中山コースの重賞に関しては母父サンデーサイレンスは過信禁物。瞬発力を武器にするタイプがその瞬発力を活かせずに凡走することも多く、今回も前走同様この特性は嵌ったと考えます。ダービーではこの点はプラス要因に好転するが、09年朝日杯FS好走馬は皆距離が延びてからの活躍が少なく(=朝日杯2着馬エイシンアポロンは皐月賞11着、3着ダイワバーバリアンはNZT2着など)、朝日杯FSはマイラー適性の証明だった可能性あり。距離延長には不安を覚える。ダービーはマイラーでも溜めてキレることが出来る馬は好走可能なので、次走での反撃も十分ありえるが、スタミナがいる流れになるようなら苦戦は必至と考える。
No.〔1〕の牝系で、クラシックで好走が多く3歳春にはある程度完成する、完成度が高く仕上がりの早い牝系。分枝記号wは、典型的なローカル巧者が多いが、中央なら固く時計の速い馬場での好走が多い。これまでは牝系の完成度の高さで強さを発揮していたが、そのアドバンテージがなくなってきたのでは?と考えると今後の成長力には少し不安あり。

5着アリゼオは、前走スプリングS1着(=中山芝1800m)からの好走。中山芝コースは2戦2勝で前走は逃げて位置取りショックもありの好走だった。今回は大外で逃げることは出来ず、その鮮度が活かせなかったと考える。シンボリクリスエス産駒はロベルト系で、本格化前までは詰め甘で、持久力とスピードの持続性能に優れていて厳しい流れでこそ本領発揮するが、意外にあっさり強敵相手に凡走する淡泊さも持ち合わせている。2歳~3歳になりたての時期のロベルト系は全般的に詰め甘なことが多いが、クラシックの足音が聞こえるトライアルの時期になると好走も多くなる(=09年クラシックシーズンのシンボリクリスエス産駒のリクエストソングやアプレザンレーヴなども似たような成績)。母父フジキセキは、内枠を活かしてすっと好位を取って折り合い、一瞬のタイミングで馬群を抜けられる器用な脚が武器。これからダービーの時期に向けての成長は見込めるが、厳しいペースを自ら作るようなら面白い存在になると思うが、ゆったりペースでキレ勝負なら分が悪いと考える。
No.〔19〕の牝系は、淡々と流れる厳しい流れにに強いタフな牝系。分枝記号なしは、産駒ごとに得手・不得手はあるものの平均的に能力を発揮するタイプで、やや晩成傾向。


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