神戸新聞杯2022予想
有力馬に精神依存型多く、枠順には注意が必要

夏影
14期 予想歴39年

◎ヴェローナシチー
  5着/3人気

○ヤマニンゼスト2着/12人
▲ジュンブロッサム4着/6人
△パラレルヴィジョン7着/1人


菊花賞は基本的に体力指向の強いレースだが、今年の神戸新聞杯の主力メンバーは意外と精神依存タイプが多い事に驚く。
例えば、プラダリアはこれまで白帽枠と赤帽枠の出走のみ。
内枠を味方に格上げステップで常に安定した成績を残して来た。
ヴェローナシチー、サトノヘリオス、アスクワイルドモアが見せる競馬は馬群を割ってポジションを上げてくるシーンが多い。

精神依存型は「厳しい状況を頑張って乗り越えよう」という気持ちを芽生えさせる事で、はじめて真剣にレースで走る事が出来るタイプ。
逆を言えば、厳しい状況でないとレースを真剣に走ってくれない…という事でもある。
「追走に苦しむ」、「馬群に揉まれる」等の一見不利な状況こそが、実は走る原動力となっているのである。

「距離短縮」や「格上げ」はペース激化や攻防の激化といった要因であり、「多頭数内枠」は馬群に揉まれる要因で、精神依存タイプの馬に有効なオプションとなる。
そんな理由から、有力馬の枠順には注意。
外目の枠を引いた、プラダリアやアスクワイルドモアは評価を下げてみたい。

土曜競馬を見る限り、内側2〜3頭分は荒れているようで、先行した馬が直線で馬場の3分所を意識して選んで好走激走している傾向が強い。
馬場の良い部分を選んで走れる先行馬を穴で狙ってみると面白そうだ。

土曜は回復途中の馬場。
日が変わり馬場全体が完全に乾き切るようなら、外差しの目も一応考えておいても良いだろう。

◎ヴェローナシチー

父エピファネイア、母父ゼンノロブロイ

多頭数内枠、「リステッド→G2」格上げ、「2000→2200㍍」距離延長、レース間隔開ける

エピファネイアらしく体力が豊富なタイプも、かなり集中力に依存した競馬をするタイプ、長距離の激戦では一番怖いタイプだろう。

未勝利→京成杯→すみれS
若葉S→京都新聞杯→白百合S

この2つのステップはどちらも同じような反応を見せているとこのがミソだ。
格上げステップなる京成杯と京都新聞杯でかなり強い競馬をしているが、格下げステップとなるすみれSと白百合Sでは共パフォーマンスを上げられないでいる。
京成杯では勝負所で他馬に囲まれ、出口が長時間開かない状況が続いての3着で、それさえ無ければ、おそらく勝ち負けになっていた内容。
そんな事からも、厳しい状況を突きつけられて真剣に走るタイプなのだろう。
この馬が京都新聞杯で勝ち切れなかったのは、心身のバランスの悪さが原因。
体力が豊富であるが故に、捲りや先行策では早いタイミングで単独先頭に立つ競馬になりやすい。
単独先頭の状態になると「厳しい状況」から開放され、且つ「ライバルがいない状況」となってしまうので気が抜けるのである。
だから、集中力主導タイプというのは体力が少なめくらいの方がバランスとしては良い。
ヴェローナシチーのようなタイプは、一線級が集う激戦でゴール前まで各馬が死力を尽くすシーン、若しくはタフ過ぎて全馬がバテバテになるようなシーンで強さを発揮する。
そんな理由から、トライアルよりも本番向きなのである。

しかし、体力豊富であるが故に自力でポジションを上げる能力に関してはメンバー中最右翼だろう。
ゴール前で取りこぼす事は十分に考えられるが、大崩れは考えにくい。
単勝、連単の頭というよりは、3連複、ワイド軸として狙ってみたい。

血統面では、父、母父共にアメリカンステイヤー色強く、ボトムはヨーロッパ色。
京都新聞杯の内容からも非根幹距離の激戦向きであろう。
菊花賞、有馬記念のパフォーマンスに期待してみたい。

◯ヤマニンゼスト

父シンボリクリスエス、母父ディープインパクト

生涯初の重賞挑戦、「2000→2200㍍」距離延長、「捲り→差し→先行、捲り」位置取りショック。

気の良いタイプの体力ゴリ押し系で、揉まれ弱いタイプ。
前走はスタート直後で揉まれ、位置取りを落とす競馬を経験した事を高く評価した。
今回気持ちよく先行するなり、捲るなりが出来れば「苦→楽」的要因となる。

▲ジュンブロッサム

父ワールドエース、母父クロフネ

「1800→2200㍍」距離延長

初勝利を飾った未勝利戦は、外枠から好位に取り付き、スロの流れながら道中しっかり折り合っていた競馬が印象的だった。
前走も大外枠から発走で、中段よりも前目のポジションの外々で競馬を進めていた。
前に壁を作らずともしっかり折り合って矯めが利く事からも、かなり気の良いタイプで体力も豊富だと考える。
あまり忙しい競馬は合わないので、アーリントンCの4着はかなり立派な内容だろう。
父の血統背景から、伸び代もあり距離適性もありそうなので、この条件で更にパフォーマンスアップがあっても良いと考える。

△パラレルヴィジョン

父キズナ、母父マクフィー

気の良い差し馬で、揉まれて良いタイプではない。
外枠は吉だが、外伸びの馬場が条件。
イメージ的にはペルーサに似たタイプ。
本番というよりは、トライアル向きだろう。
道中しっかり矯める競馬で。


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