菊花賞2022予想
これからはシンボリクリスエス系の天下?

夏影
14期 予想歴39年

◎ヴェローナシチー
  12着/6人気

○フェーングロッテン15着/11人
▲シホノスペランツァ5着/17人
△プラダリア7着/5人
×ヤマニンゼスト
×ガイアフォース


阪神開催となって早4年目となるが、これまでの勝馬は全てディープインパクト産駒。これまでは産駒の出走数も多く、産駒の勢いもあった。
しかし、今年のクラッシックはと言うと…

皐月賞馬→ドレフォン産駒
ダービー馬→ハーツクライ産駒

…と得意とするところのレースを、他の産駒に持っていかれてしまっている始末。
完全に勢いを失っている上に、今年デビューの僅かな産駒が最後となる。
いつまでも、ディープ頼りという訳にはいかない。

来年以後、どんな産駒が活躍するかを考えてみると、やはりシンボリクリスエスの血に注目すべきであろう。
産駒であるエピファネイアの血が、この菊花賞で目覚ましい活躍を見せている。

2021年 2着オーソクレース
     3着ディヴァインラヴ
2020年 2着アリストテレス

…このように、ここ2年で3頭が馬券に絡んでいるのだ。
中でも、昨年の3着馬ディヴァインラヴは何と牝馬。
本来体力的に不利であるはずの牝馬を健闘させてしまうあたり、やはりこのレースに対する適性の高さは抜群だと考える。

そもそも、クリスエスはアメリカで生産されアメリカのレースを走っていた馬。
小回りに対する適性が高い上、ヨーロッパ競馬に高い適性を見せたロベルトを父に持ち、スタミナを兼ね備えているのが特徴。
クリスエス自身、英国ダービー馬クリスキンを輩出している。


◎ヴェローナシチー

父エピファネイア、母父ゼンノロブロイ

(適合オプション)
「2200→3000㍍」距離延長、「差し→捲り、先行」位置取りショック、「G2→G1」格上げ、生涯初のG1挑戦、全馬斤量増。

前走は差し競馬での凡走で、消耗度の低さを評価。
道中スローで終いのスピード勝負となった。
結果キレ負けになった恰好だが、最後はしっかりこの馬なりの伸びは見せている。
体力豊富なタイプで、距離延長は望むところ。
この馬を評価すべき点はもう一つ、厳しい攻防に対する耐性だ。
基本的に精神依存型ではないのだが、京成杯で揉まれる体験をしており、厳しい攻防に対する耐性が身に付いている。

血統的には、父、母父共にアメリカンステイヤータイプ、母母もヴァイスリージェント系で小回り非常に適性高く、且つボトムはヨーロッパ色でスタミナが問われるレース向く。
小回り適性とスタミナで固められたような血統背景を持ち、阪神3000㍍でこの馬の真価を発揮する。

前走は能力を出さず終いでレースを終えているので、消耗はゼロと考える。
贅沢をいえば2〜4kgの馬体増が欲しい。
輸送が無いので、そのくらいの馬体増はあっても良い。

○フェーングロッテン

父ブラックタイド、母父キングヘイロー

(適合オプション)
「2000㍍→3000㍍」距離延長、生涯初のG1挑戦。

たっぷりと間隔を開けながらレースを使われているので、体力ストックが十分回復出来ていると判断。

前走連続開催末期の荒れた馬場を3番手で追走し、そのまま3着に粘った内容を高く評価。
1、2着が差し馬だった事。
4番手を追走していたヒートオンビート(1番人気)が5着と着順を落とした事。
逃げたカイザーバローズ(4番人気)が殿負けだった事。
直線で一旦多数の馬に交わされながら、差し返して3着になった事。
これらの内容を引っ括めて考えると、スタミナ適性の高さが窺える。
ヴェローナシチーと互角の評価とする。

▲シホノスペランツァ

父ブラックタイド、母父シンボリクリスエス

(適合オプション)
「2600→3000㍍」距離延長、生涯発のG1挑戦。

一走毎の消耗激しいので、体力充填後が一番走る。
トライアルを使わず、菊花賞出走を運任せになった形を評価した。
レース間隔を開けた事により、時間を掛けて調整を積む事ができ、体力ストックを回復させる事が出来る。
前走は楽勝の内容で、体力負荷が比較的少なかったのもプラスだ。

「馬体減りが激しい」という事は、「一走当たりのエネルギー放出量が高い」という事でもあり、それ即ち「高いパフォーマンスが期待出来る」という事にも繋がる。

母はメジロ牧場生産馬。
コテコテのメジロ血統という訳ではないものの、トニービン産駒とシンボリクリスエスとの間に生まれた馬で 明らかに長距離レースを意識して生産された馬だという事が理解出来る。
そんな母に配合相手にブラックタイドを迎えるあたり、メジロイズムを貫こうとするレイクヴィラファームの意思をも感じる。
父ブラックタイドはディープインパクトの全兄。
ディープは母父リファール系からスピードの伸びという点で影響を受けた。
それに対し、ブラックタイドは母母からスタミナ面の影響を受けたタイプだ。

△プラダリア

父ディープインパクト、母父クロフネ

(適合オプション)
多頭数内枠、「G2→G1」格上げ、「2200→3000㍍」距離延長。

神戸新聞杯の上位3頭は、上がりが2位、3位、1位。
結局のところ、終いのスピードが問われたレース。
ヴェローナシチーが凡走しているように、ステイヤーには厳しかった。
距離伸びての変わり身に期待。

血統を見ると主流色の強さを感じるが、この馬の勝鞍は全て2400㍍。
しかも重馬場で圧勝するあたり、血統とのズレを感じる。
おそらくは、母母母リトルオードリーの特色を強く受け継いだものと考える。
この世代は、エアグルーヴ、ビワハイジ、ロゼカラーといった近代現代競馬に強い影響を与えている牝馬が揃った世代。
リトルオードリーは、この世代の桜花賞で1番人気に推され(9着)、オークスで3着に巻き返している。
春のクラッシックを賑わせた1頭だった。



△アスクビクターモア

父ディープインパクト、母父レインボウクエスト

「2200→3000㍍」距離延長、全馬斤量増。

ダービーや皐月賞で一歩足りない内容だった事や、血統背景から見て菊花賞がベストな事は間違いのないところ。
本来なら「◎」だが、トライアルの内容がマズかった。
レース終盤、勝馬ガイアフォースと馬体を併せたタイミングから執拗に抵抗を見せてしまい、反動要因を作ってしまった。
昨年の1番人気だったステラヴェローチェはトライアルでレッドジェネシスとの叩き合いを演じ、その無理が祟って本番は4着に沈んでいる。
激走と言っても差して楽勝なら良いのだが、「叩き合い」というのは大きく消耗させる一因。
そんな理由から、評価を落としてみた。

セレシオン

精神コントロールが難しい馬で短縮は必須、次走が狙い。

ボルドグフーシュ

京都開催なら面白かった。

ディナースター

体力自慢が集まったこの面子で捲れるか?…おそらく無理。

✕ヤマニンゼスト

大幅馬体減での差し競馬激走後で反動が心配。
今回は体力補完のしようが無い状況だけに。
血統的にはベストだが…

✕ガイアフォース

前走は「先行→差し」位置取りショックを用いての体力補完。
レース終盤で執拗に抵抗を見せるアスクビクターモアと叩き合っての勝利。
120㌫力を出し切っての勝利で、あれ以上のパフォーマンスはあり得ないどころか、反動必至の状態。


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