ヴィクトリアM2010予想

のび犬
10期 予想歴7年

◎ブエナビスタ
  1着/1人気

○ブロードストリート5着/4人
▲ウェディングフジコ12着/10人
×アイアムカミノマゴ
×レッドディザイア


〈過去の傾向〉
 過去4年の連対馬には重賞勝利かGⅠ惜敗の実績があった。
また、凡走以下から巻き返した馬にはGⅠ好走以上の実績があった。
 有力なステップレースである阪神牝馬Sは、平均より速いペースになるとスプリンターが台頭し、本番につながらない。瞬発力勝負になった08年は1着のエイジアンウインズが本番でも勝利し、2着のブルーメンブラットが3着に入ったように、本番に直結する。
 今年は平均ペース。凡走馬の巻き返しに注意したい。

 上記はあくまで連対馬の傾向であり、ブエナ、レッドの3着を狙うのであればこだわる必要はない。

〈血統傾向〉
 サンデー系が中心。特にフジキセキ産駒が2勝しており注目。他にはロベルト系、ヴァイスリージェント系、ダンチヒ系。
 エイジアンウインズと血統も戦績も似ているアイアムカミノマゴ、唯一のフジキセキ産駒ウェディングフジコ、09年2着のクロフネ×サンデーのブラボーデイジー、それと似た血統のフレンチ×サンデーのプロヴィナージュに注目。

〈馬場〉
 AコースからBコースへ。内も良いが、一番伸びるのは3分どころ。前残り気味だが、全く差しが決まらないわけでもない。ヴィクトリアマイルは緩い流れになることが多いレースで、そうなれば内枠からロスの無い競馬ができる馬が有利。

〈展開〉
 逃げ馬不在。先行馬も少なく、有力馬は差し、追い込み脚質。過去4年も平均より遅いペースになっている。瞬発力勝負が濃厚。

〈出走馬の考察〉
ベストロケーション
1200で実績を積んできた馬。京都マイルはこなせても東京マイルは厳しいのでは。

ヒカルアマランサス
瞬発力勝負で好走し、持久力勝負で凡走する馬。瞬発力勝負が予想される今回は狙うべきかも知れないが、いくらなんでも底力が足りない気がする。京都牝馬Sは鮮やかな直線一気だったが、タイム評価は非常に低かった。

ラドラーダ
東京マイルを速い上がりで勝ってはいるが、1600万クラスでのもの。実績が足りない。また、シンボリクリスエス産駒は芝のGⅠでは買い辛い。

ウェディングフジコ
メンバー唯一のフジキセキ産駒。中山、福島でちょい負けしているが、ここで一気にパフォーマンスを上げる可能性はある。先行できるのも魅力。

アルコセニョーラ
ローカル重賞で。

シセイカグヤ
格下。1200からのローテもマイナス。

ミクロコスモス
小回りのコースで結果を出している。東京は不向きなのでは。

ヤマニンエマイユ
近走好走なし。買えない

ブロードストリート
「平均ペースの阪神牝馬Sをちょい負けした中距離馬」に該当する。レッドディザイアに勝ち、秋華賞では不利がなければもっと2強に迫れていただろう。能力は高い。

ニシノブルームーン
中山がベスト。ここでパフォーマンスを上げてくるとは考えにくい。

ブエナビスタ
強い。ただ、安定感はあるが勝ち切れないタイプ。近走はずっと中距離を使われており、一気の距離短縮には死角もあるはず。

ブラボーデイジー
ブエナより外の枠では出し抜くことはできそうもない。

ワンカラット
阪神1400がベストの舞台なはずで、そこで凡走していては狙い辛い。

コロンバスサークル
前走の惨敗から巻き返す要素が見当たらない。

アイアムカミノマゴ
阪神牝馬Sは強すぎて1400のスペシャリストの可能性を考えてしまう。血統構成は阪神牝馬Sとヴィクトリアマイルを連勝したエイジアンウインズと同じで不気味な存在。

ムードインディゴ
持久力勝負で差してくるタイプ。瞬発力勝負は向かない。

レッドディザイア
弱いとは言わないが、ブロードストリートとそれほど大きな力の差があるとは思えない。ドバイの2戦を見るに体調は下降線。安定していた馬が初めて惨敗した後の立て直しは難しいのでは。

プロヴィナージュ
脚質も血統も魅力的だったが、大外枠では買い辛い。

〈結論〉
 結局、ブエナビスタを本命にしました。中距離では展開不問の活躍を見せています。瞬発力勝負でも33秒台の脚を使えますし、マイルになって死角が生まれたと言っても、複勝圏内は外さないでしょう。

 問題はレッドディザイア。前走のドバイWCで11着と初めての大敗。前々走で負かしたグロリアデカンペオンが勝ったレースでの大敗は「力を出し切れなかった=状態の不安」を考えざるを得ません。それを裏付けるように戦前の調教も軽めで、今回は万全の状態ではないと考えます。

 レッドが万全でないのなら、実際にローズSでレッドディザイアを負かしているブロードストリートを対抗にしたいと思います。ローズS、秋華賞を見る限り、レッドとの能力差はそれほど感じませんし、それでいてローテは臨戦過程はこちらの方が順調ですからね。
 平均ペースで時計も速かった秋華賞で上位に来ているあたりこの馬もブエナやレッドと同じ「本格派の中距離馬」な感じがします。なので、阪神1400の前走の負けは度外視できます。ただ、ブエナと比較すると秋華賞でもエリ女でも末脚で劣っている上、「本格派の中距離馬」という同じイメージであるため、逆転は厳しいと考えています。

 単穴はウェディングフジコにしました。このレースに相性の良いフジキセキ産駒というのが最大のセールスポイントです。先週のNHKマイルCもフジキセキ産駒のダノンシャンティが勝利しましたしね。また、内枠から先行できるというのも大きな魅力です。過去4年は全て内を通った馬が勝ってますので。格下な感は否めませんが、内からスルスルと3着というのを期待します。

 消しはレッドディザイアとアイアムカミノマゴです。
レッドディザイアは上記のように状態の不安。アイアムカミノマゴは血統的には◎なんですが、「阪神牝馬Sを平均ペースで圧勝」というのがやはり気がかり。この馬が負けるようなら、「阪神牝馬Sは、平均より速いペースになるとスプリンターが台頭し、本番につながらない」という仮説も実証されますので、仮説を提唱した者の責任として消さなければいけないでしょう!

 馬券はブエナからのワイド2点で。もしレッドディザイアが万全だったり、仮説が全くの的外れでアイアムカミノマゴか来ちゃっても当たる可能性を残したいので。仮説を提唱した者の責任とか偉そうなこと言っといて、本当は腰抜け野郎です。すいません。


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ヴィクトリアM2010回顧

のび犬
10期 予想歴7年

次走危険:ヒカルアマランサス


〈回顧〉
 揃ったスタートから、外からブラボーデイジー、プロヴィナージュ、内からベストロケーションが先行争い。ハナはベストロケーション、ぴったりとブラボーデイジーが2番手と芦毛の2頭が引っ張る展開に。プロヴィナージュまでが先団、離れてヒカルアマランサスが4番手。後続はやや固まってウエディングフジコら。ブロードストリートは少し力んでの追走。レッドディザイアは中団の外。その内にニシノブルームーンがいて、ブエナビスタはその1馬身後ろから。
 直線では前の2頭が残り100まで粘るも、外からやってきた後続に交わされる。先行策から抜け出したヒカルアマランサスを、大外から追い込んできたブエナビスタが捉えたところがゴール。9着までが0.2差という大混戦だった。

 ブエナビスタはドバイ帰りで万全の状態ではなかったようだ。やはりスパッと斬れる脚ではなく、グングン伸びてくる本格派の末脚。だが、ゴール前の脚色には他馬を圧倒するような迫力は感じられなかった。このレースに関しては「着差以上に強い」印象はなく、ギリギリの勝利だったように思える。

 ヒカルアマランサスは「瞬発力勝負向き。GⅠでは足りない」とバッサリ切ってしまったが、平均ペースを先行し、迫り来る他馬を振り切っての2着では賞賛せざるを得ない。ただ、超が付く高速馬場だったことを考えると、平均ペースだったとは言え、底力が証明されたわけではないと考える。底力が問われる馬場、展開になれば脆さを見せることもありそう。

 ニシノブルームーンは道中は内でしっかり折り合って、直線は3分どころに出すロスの無い競馬で3着。中山が得意な馬はこの舞台では買い辛く消してしまったが、府中Sを勝っていたように東京コースでも実績があった馬。血統的にもウオッカと同じタニノギムレット産駒で買える要素はあったが、見逃してしまった。

 レッドディザイアは道中で折り合いを欠いていた(らしい。レース映像では確認できなかった)早めに仕掛けたが、ヒカルアマランサスは交わせず、ニシノブルームーンに交わされるという内容は物足りない。やはり万全の状態ではなかっただろうし、ブエナビスタほど抜けた存在では無かったのだろう。

 対抗のブロードストリートは5着。道中はやや力む場面も見られたが、距離ロス無く直線は3分どころへだす理想的な競馬だった。大きく負けたわけではないが、レッドディザイア同様、抜けた存在では無かった。

 ウエディングフジコは内々を追走していたが、見せ場がなかった。ローカルの牝馬限定重賞レベルでないと厳しかったか。

 時計は馬場を考えると遅くはないが、速くもない。牝馬限定重賞で勝ったり負けたりの馬たちが接戦を演じたと考えると、あまりレベルの高いレースではなかったのかも知れない。

〈感想〉
 ブエナビスタの安定感は素晴らしいですね。状態は今一つで、ベストの舞台でもなかったはずですが、きっちり勝ちきりました。次走の宝塚記念でも堅実な走りが期待できそうです。

 対するレッドディザイアは大敗こそしませんでしたが、物足りない内容。万全の状態になっても、牡馬のトップクラスと常に上位争いができるかと言われると疑問ですね。素晴らしい牝馬だとは思いますが、まだ牝馬の域を脱していないように思います。

 消したアイアムカミノマゴは0.4差の10着。やはり阪神牝馬Sは本番に直結しないレースでした。京都牝馬Sを勝って、阪神牝馬Sで惨敗していたヒカルアマランサスが巻き返したことからも「阪神牝馬Sが平均ペースより速いペースになったときは、勝った馬は軽視し、負けた中距離馬の巻き返しに注意する」という仮説は、十分に信憑性があると判断します。馬券は外してしまいましたが、大きな収穫でした。

〈次走危険馬〉
 次走危険馬はヒカルアマランサスです。「底力が足りない!」と言い切ってしまったので、この馬に来られたのは本当に悔しい……ですが、そんな理由で意地になって危険馬にしたのではありません。
 この馬の武器は軽いスピードなのだと思います。京都牝馬Sは雨が降っていて重馬場でしたが、京都は瞬発力の活きるコースですし、今回も高速馬場でパワーはあまり必要とされませんでした。なので、洋芝の小回りコースパワーが要求される条件では力を発揮できない可能性があります。要するに、GⅠで連対しても「やっぱり底力が足りない!」と思うのです。あれ、やっぱり意地になっているのかな、私……


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