日本ダービー2010予想
東京優駿 スタミナ型サンデーサイレンス系の祭典。

軍神マルス
08期 予想歴12年

◎ヴィクトワールピサ
  3着/1人気

○ペルーサ6着/2人
▲ルーラーシップ5着/4人
×コスモファントム
×エイシンフラッシュ


★傾向分析★
2004年 タイム 2'33"3 (良) 1FAve=11.94 3FAve=35.83
テン34.4-中盤73.0(前半35.0-後半38.0)-上がり35.9 『前傾・中弛み』
1着キングカメハメハ・・・Kingmambo×Last Tycoon=ミスプロ×ノーザンダンサー 〔22-d〕 7-3
2着ハーツクライ・・・サンデーサイレンス×トニービン=サンデーサイレンス×グレイソヴリン 〔6-a〕 17-17 
3着ハイアーゲーム・・・サンデーサイレンス×Law Society=サンデーサイレンス×リボー 〔12-e〕 10-3

2005年 タイム 2'23"3 (良) 1FAve=11.94 3FAve=35.83
テン35.5-中盤73.3(前半36.7-後半36.6)-上がり34.5 『加速・中弛み』
1着ディープインパクト・・・サンデーサイレンス×Alzao=サンデーサイレンス×リファール 〔2-f〕 12-10
2着インティライミ・・・スペシャルウィーク×ノーザンテースト=サンデーサイレンス×ノーザンテースト 〔19〕 3-2 
3着シックスセンス・・・サンデーサイレンス×Danehill=サンデーサイレンス×ダンチヒ 〔16-a〕 14-10

2006年 タイム 2'27"9 (やや重) 1FAve=12.33 3FAve=36.98
テン37.4-中盤75.2(前半37.8-後半37.4)-上がり35.3 『加速・中弛み』
1着メイショウサムソン・・・オペラハウス×ダンシングブレーヴ=サドラーズウェルズ×リファール 〔3-l〕 3-3
2着アドマイヤメイン・・・サンデーサイレンス×ヘクタープロテクター=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔13-a〕 1-1 
3着ドリームパスポート・・・フジキセキ×トニービン=サンデーサイレンス×グレイソヴリン 〔1-t〕 13-12

2007年 タイム 2'24"5 (良) 1FAve=12.04 3FAve=36.13
テン35.8-中盤74.3(前半36.8-後半37.5)-上がり34.4 『加速・中弛み』
1着ウオッカ・・・タニノギムレット×ルション=ロベルト×ネヴァーベンド 〔3-l〕 11-8
2着アサクサキングス・・・ホワイトマズル×サンデーサイレンス=リファール×サンデーサイレンス 〔4-g〕 1-1
3着アドマイヤオーラ・・・アグネスタキオン×Caerleon=サンデーサイレンス×ニジンスキー 〔16-c〕 7-9

2009年 タイム 2'26"7 (良) 1FAve=12.23 3FAve=36.68
テン35.5-中盤74.8(前半38.1-後半36.7)-上がり36.4 『前傾・中弛み』
1着ディープスカイ・・・アグネスタキオン×Chief's Crown=サンデーサイレンス×ダンチヒ 〔23-b〕 14-15
2着スマイルジャック・・・タニノギムレット×サンデーサイレンス=ロベルト×サンデーサイレンス 〔15-a〕 3-3
3着ブラックシェル・・・クロフネ×ウイニングチケット=ヴァイスリージェント×グレイソヴリン 〔3-l〕 12-13

2009年 タイム 2'33"7 (不良) 1FAve=12.81 3FAve=38.43
テン35.6-中盤78.4(前半36.7-後半41.7)-上がり39.7 『前傾・中弛み』
1着ロジユニヴァース・・・ネオユニヴァース×Cape Cross=サンデーサイレンス×ダンチヒ 〔B3〕 3-3
2着リーチザクラウン・・・スペシャルウィーク×Seattle Slew=サンデーサイレンス×ボールドルーラー 〔23-b〕 2-2
3着アントニオバローズ・・・マンハッタンカフェ×Kingmambo=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔2-d〕 5-5

オークス同様に中盤が弛む『中弛み』が基本の流れ。比較的先行が強く差しも決まるが、差し馬は皐月賞で速い上がりで好走していた馬が多い。

血統の傾向は、かつてはサンデーサイレンスが得意とていて好走馬が多い。サンデーサイレンス不在の近年は、欧州型のスタミナ血統(=サドラーズウェルズ系、リファール系、グレイソヴリン系、ロベルト系など)を持った馬の好走も目立つようになりました。ただ一番適性が高いのはスタミナ型サンデーサイレンス系。
また近年(=07年・08年)は母父サンデーサイレンスも好走中。今後の中心になる可能性高し。

牝系の傾向は、No.〔1〕〔2〕〔3〕〔4〕〔23〕が好走馬多し。
その中でも特注はNo.〔3-l〕。No.〔3〕の牝系は、ダービー馬でメイショウサムソンやウオッカやスペシャルウィークがいる牝系。分枝記号lはクラシックで好走が多く、クラシックでは要注意。

ステップの傾向は、中心は皐月賞直行組。小回りコースでスピードの持続性能を問われる皐月賞で速い上がりを使った馬が、直線の長い東京コースで能力全開という感じで嵌るものと思います。
青葉賞組は2・3着が多く、同距離・同コースを使うことでのストレスのせいではないか?と考えます。
京都新聞杯組も青葉賞同様2・3着が多いですが、突き抜けることもあり。
NHKマイルC組はダービー馬もいるが、敗退もあり。ペースと距離適性によって好走可能と考えます。

★予想★
ダービーのポイントは、
①サンデーサイレンス系が中心。特にスタミナ型サンデーサイレンス系。
②皐月賞で速い上がりを使った馬。
③ダービートライアル好走馬は、圧勝した場合のみ考慮。
④弥生賞好走→皐月賞敗退でのダービーでの巻き返しは要注意。

絶対ハナにこだわる逃げ馬が見当たらないためペースは『加速・中弛み』を想定。良馬場だがスタミナの要る馬場。先行・差しに位置してしっかりとした末脚を繰り出す馬を評価。

◎ヴィクトワールピサ・・・ネオユニヴァース×Machiavellian=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔8-d〕 
前走皐月賞1着(=中山芝2000m)。ネオユニヴァース産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、基本的には小回りコース向きが多いが、09年ダービー1着馬ロジユニヴァースを輩出しているダービー好走血統。鋭い瞬発力を繰り出すタイプには能力の高い馬が多く(=アンライバルド、ミクロコスモスなど)、本馬もこれまで34秒台前半の上がりを連発している。この点もネオユニヴァース産駒は要注目。母父Machiavellianは持続する流れに強い特性を持ち、その上でキレる末脚を繰り出す。一瞬の脚に優れた短距離・マイラー血統なのだが、抑えが利けば中距離もこなす。皐月賞では差し→先行へと番手を押し上げ、なおかつ内を回っての完勝という内容からは確実に世代間では一枚抜けた存在と考える。兄弟は東京コースの芝GⅠで好走していて(=05年安田記念1着アサクサデンエン、06年天皇賞秋2着スウィフトカレント)、母系からも適適性は高く、ダービーでも不動の中心と考える。
No.〔8〕の牝系は、古馬で真価を発揮するタイプが多い。3歳春シーズンも好走は可能だが、中距離以上の距離で好走する。人気よりも伏兵の方が好走しやすいタイプなので(=それでも上位人気での好走が多い)、断然人気ではやや信頼は落ちる点がある。またクラシック春シーズンは東京芝2400m出の好走も多く(=シンボリクリスエス、エアグルーヴ、アドマイヤグルーヴ、フサイチパンドラなどがいる牝系なので)、距離延長は問題なく成長力に優れた牝系と考える。分枝記号dは、精神的にタフなタイプが多く、遠征や重馬場は苦にしない。また前走好走だと次走でも好走しやすい特性も持ち、特にトライアルレースなど前哨戦快勝→GⅠは必殺のローテーションとなる。この特性からも2冠の可能性は高いと考える。

○ペルーサ・・・ゼンノロブロイ×Candy Stripes=サンデーサイレンス×レッドゴッド 〔6-a〕
前走青葉賞1着(=東京芝2400m)。前走では2着馬トゥザグローリーに0.7秒差をつける圧勝。青葉賞からのステップは圧勝馬がダービーでは好走しているので、好走の可能性は高いと考える。
ゼンノロブロイ産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、初年度産駒のため種牡馬鮮度も高く戦う意欲は高い。産駒は淀みない流れを前で展開好走するタイプもいれば、鋭くキレるタイプもいて、人気馬がしっかり好走する比較的堅実なタイプが多い。産駒は中山芝コースでの好走が多く、東京芝コースでは3着になることが多いのが特徴なのだが、本馬は母父の影響なのか東京芝コースのスローペースの瞬発力勝負向き。またゼンノロブロイ産駒は先週のオークスで好走していて、今の馬場適した血統と考える。母父Candy Stripesはブラッシンググルーム系で、底力の要求される重賞に向いた本格派血統。距離適性は様々だが、1600m~2400mが守備範囲で、断然芝向き血統。重賞挑戦などで相手強化はプラス要因となる。
No.〔6〕の牝系は、直線の長いコース向きで、ハイペースの消耗戦に強い牝系。厳冬期や真夏などシーズンオフに強い特性をもつ。成長能力は早い時期から走るのだが、詰め甘にて人気を背負うと脆い傾向がある。3歳クラシックでは脇役の方が良い仕事をする。分枝記号aは、気性的には素直な産駒が多いが父親よりはスケールが小さくなる傾向。

▲ルーラーシップ・・・キングカメハメハ×グレイソヴリン=ミスプロ×グレイソヴリン 〔8-f〕
前走プリンシパルS1着(=東京芝2000m)。キングカメハメハ産駒のミスプロ系だが、凱旋門賞での好走も多いキングマンボ系で欧州型の要素を兼ね備えている。格の高いレースでの究極のスピード競馬になると本領を発揮し、厳しい展開ほど持ち前の底力を活かす。ダンシングブレーヴ系に近い特性と考える。道悪も得意で、時計の速い馬場にも対応可能なのが、キングマンボ系。先週のオークスでもキングカメハメハ産駒のアパパネが1着好走していて、今の馬場も相性は良いと考える。母父トニービンはスタミナもあり、強敵相手に好走しやすい特性や連続好走しやすい特性を持っている。GⅠ挑戦で相手強化はプラス要因。
No.〔8〕の牝系は、古馬で真価を発揮するタイプが多い。3歳春シーズンも好走は可能だが、人気の時には詰めが甘い特性あり。叩き良化型で、高速時計にも強い。分枝記号fは、休み明けを苦にしない反面、叩いて一変も少ない。前走好走から調子は維持していると考え期待する。

△ヒルノダムール・・・マンハッタンカフェ×ラムタラ=サンデーサイレンス×ニジンスキー 〔4-i〕
前走皐月賞2着(=中山芝2000m:0.2秒差)。マンハッタンカフェ産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、ステイヤータイプだが素軽い先行力を持ち、難儀な不発が少ない堅実さが特徴で前半に脚を溜めれば鋭い瞬発力も使える。母父ラムタラはニジンスキー系で、凱旋門賞で好走した生粋の欧州スタミナ型。持久力が豊富で力の要る馬場や厳しい展開でこそのタイプ。皐月賞ではサンデーサイレンス系×欧州スタミナ型血統(=特に凱旋門賞好走血統)がよく好走しているが、距離延長に対応できるならばこの配合はダービーでも要注意。
No.〔4〕の牝系は、3歳春から力をつけてクラシックで好走するような成長力がある。スタミナを活かしての好走が得意でもあり、皐月賞での好走も多い牝系。分枝記号iは、かなり一本調子なタイプで器用な脚に欠けるが小回りコースなら開幕週などが狙い目のタイプ。小回りコースよりも広いコースの方が向くのでダービーでの好走も可能と考える。

他に気になる馬としては、レーヴドリアン、ローズキングダム、ゲシュタルト。

レーヴドリアンは、前走京都新聞杯3着(=京都芝2200m:0.2秒差)。スペシャルウィーク産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、本来はエンジンの掛かりが悪く末脚が不発に終わることも多いのが産駒の特徴なのだが、本馬は34秒台の末脚を連発していて性能の良いエンジンを積んでいる様子。母父Highest Honorはグレイソヴリン系で、狂気のゼダーン系へと遡る。2歳から走るタイプもいれば古馬にて強くなるタイプもいて様々だが、確実なのは芝向きで厳しい流れで真価を発揮するタイプ。母レーヴドスカーの産駒は07年阪神JF2着のレーヴダムールや09年青葉賞1着アプレザンレーヴと早い時期から重賞好走が可能なタイプと考える。きさらぎ賞好走馬は、今後の活躍に期待できる馬が過去の傾向から多いが、ダービーや菊花賞での好走が多くスタミナは豊富なタイプが好走しやすい。前走では上がり最速33秒9で、ダービーでの巻き返しは可能と考えて3着候補の一頭と評価する。
No.〔1〕の牝系は、クラシック春シーズンによく成長・充実し好走する、仕上がりが早く完成度の高い牝系。分枝記号pは、時計のかかる馬場に強く、急坂も苦にせず安定性はある。ただしここ一番の大舞台に弱いところはあるので、伏兵の立場なら狙いたい。この特性からダービーでの一発に期待する。

ローズキングダムは、前走皐月賞4着(=中山芝2000m:0.2秒差)。キングカメハメハ産駒はキングマンボ系で、格の高いレースで究極のスピード競馬(=レコード決着)になるほど凄味をきかす血統。厳しい展開ほど持ち前の底力が活き、2歳から走れる完成度の高さと成長力がある。本格化前は詰め甘な点があることには注意が必要だが、この時期からは実が入る。母父サンデーサイレンスは、前走の勢いをそのまま活かして好走することの多い特性がある。ただ3歳の中山コースの重賞に関しては母父サンデーサイレンスは過信禁物で、瞬発力を武器にするタイプがその瞬発力を活かせずに凡走することも多い。前走の皐月賞ではこの特性は嵌ったと考えるが、ダービーではこの点はプラス要因に好転するので、距離延長に対応できれば好走可能と考える。母ローズバドはオークスで2着好走した実績もあり、距離延長とこの時期に好走できる下地はあると考える。ただし中間ザ跖で出走が危ぶまれた状態を考えると評価を下げる必要ありと考える(=本当は▲または△評価にする予定でした)。
No.〔1〕の牝系で、クラシックで好走が多く3歳春にはある程度完成する、完成度が高く仕上がりの早い牝系。分枝記号wは、典型的なローカル巧者が多いが、中央なら固く時計の速い馬場での好走が多い。

ゲシュタルトは、前走京都新聞杯1着(=京都芝2200m)。マンハッタンカフェ産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、ステイヤータイプだが素軽い先行力を持ち、難儀な不発が少ない堅実さが特徴で前半に脚を溜めれば鋭い瞬発力も使える。淀みない流れを踏ん張るか、前半に脚を溜めてロングスパートで持久力を活かすタイプが、距離延長で好走するパターンが多い。母父エンドスウィープはミスプロ系だが、芝向きのマイル~中距離型で厳しい持続型の流れで強さを発揮する。
No.〔13〕の牝系は、距離が延びて本領発揮型で、キャリアを積み上げながらクラスの壁を越えていくタイプ。分枝記号eは、上がりのかかる消耗戦的な流れに強い特性がある。こちらもダービー3着候補の一頭と考える。

ここからは消した馬の評価。
コスモファントムは、前走京都新聞杯2着(=京都芝2200m:0.2秒差)。Stephen Got Even産駒はエーピーインディ系のボールドルーラー系で、瞬発力を活かした一瞬のキレよりも、小回りを先行して粘りこむ競馬が合う中距離型。クラシックの前哨戦を制して、本番でこけるのがエーピーインディ系の特徴。前哨戦の好走や圧勝が当てにならないトライアル型の特性を持つ。母父Paris Houseはナスルーラ系で、スタミナよりスピード色が濃くなったタイプ。真面目なサラリーマンタイプの性格で、人気どおりにコツコツ走るタイプ。父系の特性からはダービーでは当てに出来ないと考えられ、またダービーはサンデーサイレンス系の好走が多いのも事実。非サンデー系配合馬の本馬を高く評価は出来ないと考え消し。
No.〔19〕の牝系は、淡々と流れる厳しい流れにに強いタフな牝系。分枝記号なしは、産駒ごとに得手・不得手はあるものの平均的に能力を発揮するタイプで、やや晩成傾向。母系からもダービーでの好走がないわけではないが(=No.〔19〕の牝系からは、05年にインティライミが2着好走)、中距離やマイルの速い流れで適性を発揮しやすいタイプが多い牝系なので距離延長や中弛みの瞬発力勝負になりやすい東京芝2400mでは買いにくい牝系と考える。

エイシンフラッシュは、前走皐月賞3着(=中山芝2000m:0.2秒差)。King's Best産駒はキングマンボ系で、全体的なスピードを武器に距離は問わず、淀みないペース向きの自力勝負血統。キングマンボ系なので2歳戦から走れる仕上がりの早さを持ち合わせるが、3歳春クラシックシーズンまでは詰めの甘い点がある。ダービー時期は実が入る時期でもあり、成長力はあると思う。母父Platiniは、重厚なドイツ血統でのスタミナ型のタイプ。ただし総合的なキレがないので瞬発力勝負と考えるダービーには不向きなタイプと考えて消し。。
No.〔8〕の牝系は、早い時期から走るが人気を背負うと少し信頼性に欠ける点がある。小回りコースよりは広いコース向き。ヴィクトワールピサと同じ牝系ではある。分枝記号aは、気性的には素直な産駒が多いが父親よりはスケールが小さくなる傾向。

アリゼオは、前走皐月賞5着(=中山芝2000m:0.3秒差)。シンボリクリスエス産駒はロベルト系で、本格化前までは詰め甘で、持久力とスピードの持続性能に優れていて厳しい流れでこそ本領発揮するが、意外にあっさり強敵相手に凡走する淡泊さも持ち合わせている。2歳~3歳になりたての時期のロベルト系は全般的に詰め甘なことが多いが、クラシックの足音が聞こえるトライアルの時期になると好走も多くなる(=09年クラシックシーズンのシンボリクリスエス産駒のリクエストソングやアプレザンレーヴなども似たような成績)。母父フジキセキは、内枠を活かしてすっと好位を取って折り合い、一瞬のタイミングで馬群を抜けられる器用な脚が武器。ダービーの時期にはしっかり成長は見込めるが、ゆったりペースでキレ勝負なら分が悪いと考える。
No.〔19〕の牝系は、淡々と流れる厳しい流れにに強いタフな牝系。分枝記号なしは、産駒ごとに得手・不得手はあるものの平均的に能力を発揮するタイプで、やや晩成傾向。コスモファントム同様牝系からは押せないタイプ。

リルダヴァルは、前走NHKマイルC3着(=東京芝1600m:0.4秒差)。アグネスタキオン産駒はスピード型サンデーサイレンス系で、前走0.5秒差以内で5着以内だと好走しやすい特性を持ち、サンデーサイレンスの瞬発力を最も活かしやすい。母父Thunder Gulchはミスプロ系で、仕上がり早のマイラー血統。ダート戦では信頼が高いが、芝は3歳春までのことが多い。ただこれは父系に入った時に言えることで、母父ならばダート向きのパワーを瞬発力の推進力に利用できる。
No.〔2〕の牝系は、2歳戦から走れる仕上がりの早さとクラシックでも好走する成長能力を有した牝系。直線の長いコースでの末脚勝負にも強く、ダービーでの好走もある牝系。分枝記号fは、休み明けを苦にしない反面、叩いて一変も少ない。血統的には評価できる馬なのだが、毎日杯・NHKマイルCの内容からダノンシャンティをものさしとして考えると明らかに力差があると考え、また距離が延びてよいタイプと思えないので消し。

トゥザグローリーは、青葉賞2着(=東京芝2400m:0.7秒差)。キングカメハメハ産駒はキングマンボ系で、格の高いレースで究極のスピード競馬(=レコード決着)になるほど凄味をきかす血統。厳しい展開ほど持ち前の底力が活き、2歳から走れる完成度の高さと成長力がある。本格化前は詰め甘な点があることには注意が必要。母父サンデーサイレンスは、前走の勢いをそのまま活かして好走することの多い特性がある。瞬発力を武器に上がり特化のレースで強く、GⅠ初挑戦などはプラス要因。前走はその鮮度を活かしての好走だったが、ペルーサとの着差を考えると力差がありすぎると考えて消し。
No.〔9〕の牝系は、早い時期から好走できるが本格化前までは詰め甘なところがある牝系。小回りコース鬼門だが、広いコースは好走が多く東京コースは得意。分枝記号fは、休養明けは苦にしない反面叩いて一変が少ないタイプ。前走好走したことから、調子は良いと考えるが、やはりまだ足りない気がします。


tipmonaとは?

日本ダービー2010回顧
東京優駿 キングマンボ系は東京芝GⅠ要注意血統。

軍神マルス
08期 予想歴12年

次走狙い:エイシンフラッシュ
次走狙い:ヴィクトワールピサ


2010年 タイム 2'26"9 (良) 1FAve=12.24 3FAve=36.73

ラップ
①12.6-②11.3-③12.2-④12.7-⑤12.8-⑥13.5-⑦13.1-⑧12.9-⑨12.4-⑩11.3-⑪10.8-⑫11.3
1FAveとの誤差
①+0.4 ②-0.9 ③±0 ④+0.5 ⑤+0.6 ⑥+1.3 ⑦+0.9 ⑧+0.7 ⑨+0.2 ⑩-0.9 ⑪-1.4 ⑫-0.9
テン36.1-中盤77.4(前半39.0-後半38.4)-上がり33.4 『加速・中弛み』

『加速』・・・逃げ◎ 先行○ 差し△ 追込×
『中弛み』・・・逃げ◎ 先行△ 差し× 追込○

1着エイシンフラッシュ・・・King's Best×Platini=ミスプロ×ハンプトン 〔8-a〕 9-11
2着ローズキングダム・・・キングカメハメハ×サンデーサイレンス=ミスプロ×サンデーサイレンス 〔1-w〕 9-6
3着ヴィクトワールピサ・・・ネオユニヴァース×Machiavellian=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔8-d〕 7-9
4着ゲシュタルト・・・マンハッタンカフェ×エンドスウィープ=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔13-e〕 5-4
5着ルーラーシップ・・・キングカメハメハ×トニービン=ミスプロ×グレイソヴリン 〔8-f〕 5-6

流れはテン-上がりのラップ差から『加速』と中盤の弛みから『中弛み』の複合ラップ。中盤ががっちり弛み、上がり特化の瞬発力勝負の様相。展開的には逃げが最も恵まれ、次いで先行、差し・追込には厳しい流れだが、好走した馬は先行・差しが上位を占め、加速の器用さと瞬発力が問われた総合能力の証明のようなレースと考える。

1着エイシンフラッシュは、前走皐月賞3着(=中山芝2000m:0.2秒差)からの好走。これまでは最速上がりは34秒4と極上とはいえない上がりだったが、ダービーではまさかの32秒7と最速上がりを繰り出しての好走。今思えば前走皐月賞を休み明けで好走していたことは、高く評価すべきだったと反省する。叩き2戦目で状態が上がるだろうということや、キングマンボ系の成長能力を甘く見ていたと反省します。休み明けでも皐月賞を好走した馬は、ダービーでは買いと反省します。
King's Best産駒はキングマンボ系で、全体的なスピードを武器に距離は問わず、淀みないペース向きの自力勝負血統。キングマンボ系なので2歳戦から走れる仕上がりの早さを持ち合わせるが、3歳春クラシックシーズンまでは詰めの甘い点がある。ダービー時期は実が入る時期でもあり、成長力はある。キングマンボ系は東京芝GⅠ血統でもあり、レコード決着のようなスピード競馬にも対応可能な上、道悪馬場も得意な進化系。母父Platiniは、重厚なドイツ血統でのスタミナ型のタイプ。ドイツ血統は近年の東京芝GⅠで好走が多く、馬場適性が高いと考える(=05年ダービー1着ディープインパクト、09年オークス1着ブエナビスタ・09年2着レッドディザイアなどは母系がドイツ血統)。不利な展開からの好走なので、素直に評価したいと思います。
No.〔8〕の牝系は、早い時期から走るが人気を背負うと少し信頼性に欠ける点がある。小回りコースよりは広いコース向き。分枝記号aは、気性的には素直な産駒が多いが父親よりはスケールが小さくなる傾向。クラシックシーズン秋の成長能力は見込める牝系なので、今後の成長にも期待します。

2着ローズキングダムは、前走皐月賞4着(=中山芝2000m:0.2秒差)からの好走。キングカメハメハ産駒はキングマンボ系で、格の高いレースで究極のスピード競馬(=レコード決着)になるほど凄味をきかす血統。厳しい展開ほど持ち前の底力が活き、2歳から走れる完成度の高さと成長力がある。本格化前は詰め甘な点があることには注意が必要だが、この時期からは実が入る。また先週のオークスでも1着にキングカメハメハ産駒のアパパネが好走していたことからも、東京芝GⅠ血統で今の馬場にあった種牡馬と評価が必要でした。オークス好走血統はダービーにおいて、好走しやすい血統を考えるのに有効とよく考えるべきと反省します。母父サンデーサイレンスは、前走の勢いをそのまま活かして好走することの多い特性がある。ただ3歳の中山コースの重賞に関しては母父サンデーサイレンスは過信禁物で、瞬発力を武器にするタイプがその瞬発力を活かせずに凡走することも多い。前走の皐月賞ではこの特性は嵌ったと考えるが、ダービーではこの点はプラス要因に好転するので、距離延長に対応できれば好走可能と考え、この点は上手く活きたと考える。母ローズバドはオークスで2着好走した実績もあり、距離延長とこの時期に好走できる下地はあると考え、またダービー2着の結果からもこの母の特性というかローズ一族の宿命のようなものを感じます。
No.〔1〕の牝系で、クラシックで好走が多く3歳春にはある程度完成する、完成度が高く仕上がりの早い牝系。分枝記号wは、典型的なローカル巧者が多いが、中央なら固く時計の速い馬場での好走が多い。クラシック春シーズンが勝負の牝系なので、今後の成長能力は他の牝系に比べると少し劣る部分があると思うが、キレを活かす競馬では完成度が高いと考えるので好走は可能と考える。

3着ヴィクトワールピサは、前走皐月賞1着(=中山芝2000m)からの好走。ネオユニヴァース産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、基本的には小回りコース向きが多いが、09年ダービー1着馬ロジユニヴァースを輩出しているダービー好走血統。鋭い瞬発力を繰り出すタイプには能力の高い馬が多く(=アンライバルド、ミクロコスモスなど)、本馬もこれまで34秒台前半の上がりを連発している。この点もネオユニヴァース産駒は要注目。母父Machiavellianは持続する流れに強い特性を持ち、その上でキレる末脚を繰り出す。一瞬の脚に優れた短距離・マイラー血統なのだが、抑えが利けば中距離もこなす。兄弟は東京コースの芝GⅠで好走していて(=05年安田記念1着アサクサデンエン、06年天皇賞秋2着スウィフトカレント)、母系からも適性は高いと考えたが、惜しくも3着。古馬で成長しての東京芝コースでのGⅠ好走に期待。
No.〔8〕の牝系は、古馬で真価を発揮するタイプが多い。3歳春シーズンも好走は可能だが、中距離以上の距離で好走する。人気よりも伏兵の方が好走しやすいタイプなので(=それでも上位人気での好走が多い)、断然人気ではやや信頼は落ちる点がある。またクラシック春シーズンは東京芝2400m出の好走も多く(=シンボリクリスエス、エアグルーヴ、アドマイヤグルーヴ、フサイチパンドラなどがいる牝系なので)、距離延長は問題なく成長力に優れた牝系と考える。分枝記号dは、精神的にタフなタイプが多く、遠征や重馬場は苦にしない。また前走好走だと次走でも好走しやすい特性も持ち、特にトライアルレースなど前哨戦快勝→GⅠは必殺のローテーションとなる。休み明け好走するようならクラシック秋シーズンにも期待できると考えて、今後の成長にも期待します。

4着ゲシュタルトは、前走京都新聞杯1着(=京都芝2200m)からの好走。マンハッタンカフェ産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、ステイヤータイプだが素軽い先行力を持ち、難儀な不発が少ない堅実さが特徴で前半に脚を溜めれば鋭い瞬発力も使える。淀みない流れを踏ん張るか、前半に脚を溜めてロングスパートで持久力を活かすタイプが、距離延長で好走するパターンが多い。母父エンドスウィープはミスプロ系だが、芝向きのマイル~中距離型で厳しい持続型の流れで強さを発揮する。
No.〔13〕の牝系は、距離が延びて本領発揮型で、キャリアを積み上げながらクラスの壁を越えていくタイプ。分枝記号eは、上がりのかかる消耗戦的な流れに強い特性がある。

5着ルーラーシップは、前走プリンシパルS1着(=東京芝2000m)からの好走。キングカメハメハ産駒もミスプロ系だが、凱旋門賞での好走も多いキングマンボ系で欧州型の要素を兼ね備えている。格の高いレースでの究極のスピード競馬になると本領を発揮し、厳しい展開ほど持ち前の底力を活かす。ダンシングブレーヴ系に近い特性と考える。道悪も得意で、時計の速い馬場にも対応可能なのが、キングマンボ系。今年のダービーでは1・2着馬はキングマンボ系で、適性は高かったと考える。母父トニービンはスタミナもあり、強敵相手に好走しやすい特性や連続好走しやすい特性を持っている。GⅠ挑戦で相手強化はプラス要因となる。
No.〔8〕の牝系は、古馬で真価を発揮するタイプが多い。3歳春シーズンも好走は可能だが、人気の時には詰めが甘い特性あり。叩き良化型で、高速時計にも強い。分枝記号fは、休み明けを苦にしない反面、叩いて一変も少ない。牝系からはクラシック秋シーズンの成長が見込めるので、今後の成長に期待します。


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