日本ダービー2024予想
ディープインパクトの代役はフランス血統が果たす

夏影
14期 予想歴41年

◎ゴンバデカーブース
  13着/11人気

○ジューンテイク10着/14人
▲アーバンシック11着/4人
△レガレイラ5着/2人
×シックスペンス
×ジャスティンミラノ


「注目すべき血統は」

 G1が開催されるフランスのコースは…

ロンシャン 530㍍
シャンティ 600㍍
サンクルー 500㍍
ドーヴィル 450㍍

…と正面直線が長く、末脚勝負となりやすい。フランス血統馬というのは、そういったレースに適応した馬の生産を目指し築き上げられたもの。

 東京競馬場の正面直線は、525.9㍍(Aコース時)でほぼロンシャンと同じ。凱旋門賞勝馬であるトニービンの産駒が日本競馬で活躍した時期があったが、特に府中コースを得意としていたのも、凱旋門賞が行なわれるロンシャンと府中の正面直線距離が同じだった事が要因に挙げられる。
 しかし、純粋なフランス血統馬というのは洋芝仕様。野芝で行われる日本の競馬では、どうしてもスピード不足に陥る。そのスピード不足を解消する為に用いられるのが、アメリカ血統である。
 
 ディープインパクト産駒がいなくなり、近年ダービーで目立っているのは「フランス色+アメリカ色」の組み合わせの血統馬の活躍である。
 2022年の勝馬ドウデュース、2021年には9番人気の低評価をはね退け3着に食い込んだステラヴェローチェなどが記憶に新しい。
 かつては、「ディープインパクト+アメリカ色」が王道だったが、ディープインパクトが亡くなり、その代役を果たしているのがフランス血統だと考えられる。

2023年
ハーツコンチェルト(6番人気3着)
父ハーツクライ(フランス色)
母父アンブライドルズソング(アメリカ色)

2022年
ドウデュース(3番人気1着)
父ハーツクライ(フランス色)
母父ヴィンディケーション(アメリカ色)

イクイノックス(2番人気2着)
母父母父ヘイロー(アメリカ色)
母母父トニービン(フランス色)

2021年
ステラヴェローチェ(9番人気3着)
父バゴ(フランス色)
母母父グランドスラム(アメリカ色)

 今年のダービーは、「フランス+アメリカ」血統で、且つスピードに裏付けのある馬に注目したい。
 ドゥデュース、ステラヴェローチェは共に朝日杯FSで連対を果たしているように、マイル重賞実績というのは、スピードの裏付けとなり心強いデータとなりうる。

「生産牧場と調教師は予想の要」

馬主はダービー馬オーナーを目指し、生産牧場はダービー馬ブリーダーを目指し、調教師はダービー馬トレーナーを目指し、騎手はダービージョッキーを目指す。
 
 生産牧場は馬主や調教師のニーズに応えられなければ、馬を買ってもらえず衰退していく。調教師は素質馬をスカウトして素質を開花出来なければ、生産牧場や馬主から相手にして貰えなくなる。

 近年のダービー馬好走馬を見てみると、大半はノーザンFか社台Fの生産で、リーディング上位の厩舎の管理馬だったりする。特にここ5年の勝馬は、ダービー優勝暦のある厩舎の管理馬だ。
 実績と信頼が良いスパイラルを築き上げ、結果2勝、3勝とダービーでの勝ち星を積み重ねているのだと考える。
 
2023
タスティエーラ
 ノーザンF
 堀厩舎(ダービー2勝目)

2022
ドウデュース
 ノーザンF
 友道厩舎(ダービー3勝目)

2021
シャフリヤール
 ノーザンF
 藤原厩舎(ダービー2勝目)

2020
コントレイル
 ノーザンF
 矢作厩舎(ダービー2勝目)

2019
ロジャーバローズ
 飛野牧場
 角居厩舎(ダービー2勝目)

「皐月賞の評価」

 皐月賞は前半57.5→後半59.6の超ハイペースの前傾ラップだが、勝馬ジャスティンミラノは2角5番手、3着馬ジャンタルマンタルは3番手と力量のある先行馬が残っている事から、アメリカ中長距離的な要素が問われたレース。
 勝馬ジャスティンミラノは「父キズナ✕母アイルランド産」で、アメリカンステイヤータイプの父に、母で更にパワーとスタミナ面を強化したタイプ。2着コスモキュランダは、父アルアインがアメリカ色、母がオセアニア産でパワー面を強化したタイプ。
 3着ジャンタルマンタルはアメリカクラッシックタイプ。
 と、アメリカ質のレースだった事が、好走馬の血統からも理解出来る。

 面白いのは4着〜6着馬で、3頭ともフランス色の血を持ち、差す競馬をしていたという共通点を持つ。
 本来のスタイルで皐月賞に挑んだものの、物理的に合わず持ち味を生かし切れずの結果であり、この3頭はダービーで巻き返す可能性が高いと見る。要注意だ。

 ダービーは「矯め」が求められる為、今年の皐月賞とは真逆の物理的要素が問われる。皐月賞激走馬をぶった切って馬券を攻めてみるのも面白い。

◎ゴンバデカーブース

(血統)
父ブリックスアンドモルタル
母父ディープインパクト

(オプション)
「1600→2400㍍」距離延長、生涯初中距離レース。

 前走は、感冒→喉手術→挫跖と続き、調整不十分の状態での出走で4着。

 サウジRCの内容から、追走力に問題がありそうだっただけに、NHKマイルCでは無印としたが、完調時のレベルに近いパフォーマンスをしっかり見せてくれた。
 サウジRCはスタートは五分も、その後徐々にポジションを下げ、最終的には殿の位置取りとなった。これは、かつてシンボリルドルフが2戦目のいちょう特別で見せた競馬と同類のものだと考えている。「1600㍍で2400㍍の競馬をした」というものだ。
 距離不安から全く人気になってはいないが、そういう考えから私は全く距離面を不安視していない。
 ルドルフが400万下(1勝クラス)で行った競馬を、ゴンバデは重賞でやってのけたという事を考えれば、いかに強い競馬だったかが理解出来るはずだ。

 中2週ではあるが、軽い凡走でさほど疲労を残さず、良いリズムも保っている。ダービーの前哨戦としては最高の形となった。

 前走はこの馬なりに流れに乗れていたが、流石に上位陣とはスピード適性面で差があり過ぎた。逆に今回の面子に対しては、追走力やトップスピードの両面でアドバンテージがあると考える。

 血統的には、母のフランス色の主張が強く、長い直線での末脚勝負に強いタイプ。
 父の前向きさは影を潜め、物理的なスピード面のみが影響を与えており、日本の中距離差し馬として良いバランス築いている。
 この馬の適性を高く評価し、昨年に続き堀厩舎の連覇に期待してみたい。

 イスラエルとの関係やら、大統領の事故死など、何かと最近話題に上るイランに纏る馬名。時事ネタ馬券派にもオススメだ。

○ジューンテイク

(血統)
父キズナ
母父シンボリクリスエス

(オプション)
多頭数内枠、「2200→2400㍍」距離延長。

 血統面で見るべき点は無いが、これまでの経歴を評価。

 パフォーマンスアップパターンははっきりしており、「上がり3位以内」、「距離変化」、「直線の長いコース」、「格上げ」などのタイミングに食い付きを見せている。
 父、母父はアメリカンステイヤー色も、「矯めを生かす競馬がベター」である事や、集中力の高さを臭わす挙動を見せている事からも、母母の影響の強さを感じる。
 朝日杯4着とスピード競馬や激戦に対応できる力あり、巷の評価はかなり低いが、重賞実績十分で力量的な裏付けはある。
 
 前走は、スローの流れを好位追走し、インから抜け出す競馬。ダメージ少ない内容で前哨戦としては上々。今回も能力を発揮出来ると考える。
 主要路線からやや外れた経歴も、「鮮度」という観点から評価出来る。

▲アーバンシック
☆レガレイラ

(血統)
父スワーヴリチャード
母父ハービンジャー

(オプション)
「2000→2400㍍」距離延長、広いコース。

 父は同じ、母は全姉妹…血統分子は全て同じで皐月賞でのパフォーマンスもほぼ同じ。
 と、いう事でほぼ同評価とした。敢えて違いを挙げるなら、アーバンシックは牡馬で体力寄り、レガレイラは牝馬でスピード寄りなのだろうが、皐月賞の結果や内容から無理矢理優越をつけたところで、ほとんど意味が無い。

 父スワーヴリチャード自体が「フランス色+アメリカ色」のダービー2着馬。
 先に述べたように、皐月賞はアメリカ的な追走力と踏ん張りが求められたレース。フランス的な末脚勝負のスタンスで挑んだところで、物理的に合わず凡走は必然。この着順だけに、適性側にシフトした今回は巻き返しに期待。

✕シックスペンス

 流石に前走はレベルの低すぎる内容で、今回の面子のレベルとのギャップに戸惑うと見る。

 前走は、2ハロン目12.2秒とスタートからダラっとした流れ。以下12秒台後半のラップが続き、前半63.1の超どスローの流れとなった。更に驚いたのは、このペースであるにも関わらず、道中は隊列が詰まらずむしろ縦長になる有り様。大半の馬が追走力やスピード、体力、つまりが能力面全てに問題があったという事だ。G2ではあったが、実際のレベルは未勝利戦並みだったと言えよう。
 ちなみに、その週の土曜日に行われた、3歳未勝利戦(1800㍍)は、スローだったとはいえ、前半61.9とまともな流れ。タッチアンドムーブの勝ち時計が1.49.6。この馬がスプリングSに参戦していたら、勝馬と0.2秒差の2着。この未勝利戦の1〜4着馬がスプリングSに参戦していたなら、アレグロブリランテはレッドライトニング相手に5着争いを演じていた計算になる。
 今回は、実質的には「未勝利→G1」レベルの格上げとなる、無敗馬とはいえ、このレベルのギャップをどう克服するか?

✕ジャスティンミラノ

 理由は2つ。

 1つ目はシックスペンスとは全く真逆の理由である。皐月賞のレースがあまりにハイレベルで且つハードだった事。3着馬ジャンタルマンタルは、その後NHKマイルCを優勝したが、「2000→1600㍍距離短縮」という体力補完があり、「苦→楽」要素があった事が救いだった。
 しかし、今回のジャスティンミラノは「2000→2400㍍距離延長」と体力負荷が増大するステップでジャンタルと同じように考えてはいけない。反動に注意したい。

 もう1つは適性面。これまで、ゆったりとした流れの競馬ばかりで、しかもそんな競馬に適応していたので、「変わり種のキズナ産駒」などと考えていたが、そんな事はなかった。むしろ、激流下での脱落戦に高い適性示していた。つまりが、今年の皐月賞がベストパフォーマンスを引き出せる舞台だったという事。追走力と踏ん張りが問われる競馬がベスト。今回のようにやダービーのように、矯めとスピードが問われて果たしてどうか?…と考える。

✕コスモキュランダ

 アメリカ色強く小回り向き。バウンド位置取りショック後の反動も気になり。


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