14期 予想歴41年
◎スターズオンアース
○ファンタスティック
▲シュトルーヴェ
△シンエンペラー
×オーギュストロダン
×ドウデュース
今年の特徴は、確固たる「逃げ馬が不在」である事。逃げ馬がいてくれると、隊列が縦長になりやすいのが特徴。ハイペースなら、レース前半から縦長になり隊列がバラける。スローなら、残り1000㍍あたりから持続力戦に持ち込もうと動き出し、この地点から隊列が長くなり始める。そんな理由から、スピードと持続力が問われる。日本的なスピードも同時に問われる為に、外国馬は付いていけなくなり、レースはその時点で終わりを告げる事になる。
しかしながら、気の良い差し馬が逃げると仕掛けが遅れがちになり団子状態で直線に向かう形になりやすい。そして、「矯めの競馬」になっているので、それはヨーロッパ的な瞬発力競馬。外国馬でも入りうる余地が出来るという事にもなる。
そこで、今年は前半スロー、直線では団子状態になる事を想定し予想を進めてみたい。
最も参考となるのは一昨年のレース。ユニコーンライオンという逃げ馬の存在はあったが、ガツガツと逃げるタイプではなく、余力を残してレース終盤の体力勝負に持ち込むタイプ。そのお陰で、レースが動き始めたのは残り800㍍地点からとなり、馬群が団子状態になって直線を迎える事になった。
このレースで勝ったのは、ヴェラアズール。さらに、3着に入ったのはヴェルトライゼンデで。ドイツ血統馬の活躍が目立った。ドイツ血統馬の素晴らしいところは、叩き合いの中で「ここぞ」というタイミングでさらに「もうひと伸び」を見せるところにある。ヴェルトライゼンデは直線半ばで、馬場の内側でハーツイストワールとユニコーンライオンの間を突き抜ける時に「もうひと伸び」を見せ、ヴェラアズールは、ゴール手前でダノンベルーガとヴェルトライゼンデの間を割る時に「もうひと伸び」をみせている。
この年は、テュネスというドイツ馬が参戦していたが、ドイツ競馬の2400㍍を主戦にして来た馬で、スピード的に足りず9着という結果だった。
逃げるのはおそらく、押し出されるようにプラダリアあたりになるのだろう。チェルヴィニアも揉まれ弱いタイプなので、距離延長を生かして前目のポジションを確保してきそうだ。スターズオンアースも前目の競馬ができるタイプ。ドゥレッツァも菊花賞では逃げた。どの馬が行くにしても、矯め逃げ濃厚のメンバー構成。今年はこういった事を念頭に置き、今年はドイツ血統馬に注目する。
◎スターズオンアース
(血統)
父ドゥラメンテ
母父スマートストライク
(オプション)
休み明け、ひょっとしたら「生涯初の逃げ」があるかも!?
母はイギリス産もドイツ牝系。
父ドゥラメンテに、母父スマートストライクのスピードを付加した主流色豊かな血統背景を持つ。ドイツ的な部分よりも母父の主張がやや強く、スピードと持続力がある。
桜花賞を勝ち、ヴィクトリアマイル3着とマイルG1に適応できるスピードがあり、それが大きな武器だ。基本は持続力タイプも、母方にドイツ色を持っており、瞬発力競馬にも十分に対応。汎用性が高い分、最近は決め手不足で泣くシーンが多いが、抜群の安定感を見せており、ワイド軸や三連複軸としては頼もしい。
この馬のスピードと持続力を生かすなら、思い切って逃げてみるのも一考だと考える。「生涯初の逃げ」により、精神的に新鮮味が出る上に、この馬の物理的長所も生かせる。思い切りの良い川田ならまんざらあり得ない話ではないだろう。
○ファンタスティックムーン
(血統)
父シーザムーン
母父ジュークボックスジュリー
(オプション)
初来日。
ドイツ産、ドイツ調教馬。
この馬を評価した理由は、3走前に2000㍍を使われ、且つ度々2400㍍未満のレースに出走しており、ある程度のスピードに慣れている事。ドイツダービー、バーデン大賞、ニエル賞の勝ちっ振りが素晴らしい事にある。
ドイツの馬場は内外の差が激しい事が多く、4コーナーを過ぎると内ラチから外ラチに馬群が移動する。ファンタスティックムーンの素晴らしいところは、このタイミングでの加速力だ。抜群の加速で外ラチ側に飛び込み、馬場に良い場所を確保して最後の伸びに繋げている。ニエル賞ではストレート入口からの加速が抜群で、大逃げを打つキングオブレコーズに一気に取り付き、抜け出して完勝している。
凱旋門賞では取り消し騒ぎが話題となるあたりからも、基本はスピードを生かしたいタイプなのだろう。
今回ペースが落ち着くようなら、追走に困るような事もないだろうし、展開が動くタイミングでも、あの抜群な加速力があれば対応出来ると考える。
▲シュトルーヴェ
(血統)
父キングカメハメハ
母父ディープインパクト
(オプション)
休み明け
決して休み明けが良いタイプではないが、精神力主導で身を削って競馬をしてしまうタイプ。少しでも休ませて馬体を増やした方が良いだろう。そもそも、デビュー時494kgあった馬体が、前走の宝塚記念では470kgにまで落ちていた。そんな馬なだけに、体力が問われてしまう縦長の展開では厳しい。しかし、スローになり、馬群が詰まるような展開なら、体力不足を補う事が出来る。仕掛けをギリギリまで待つ競馬なら一発がある。
△シンエンペラー
(血統)
父シユーニ
母父ガリレオ
(オプション)
海外帰り、生涯初古馬G1
フランス産馬を後天的に日本適性に近づけたタイプで、イメージ的にヴェルトライゼンデとイメージが被る。ヴェルトライゼンデは国内産ドイツ血統馬ではあるが、先天的なドイツ的な部分が拭い切れず、完全なる日本馬にはなり切れなかったタイプ。ダービーでは一歩足りない結果となったが好走はした。スピードと持続力が問われた皐月賞では完全たる凡走だったが、ある程度瞬発力を生かせたダービーでは3着と馬券に絡んでいる部分などはまさにソレに当たる。意外とそんなタイプが、スローのJCでは好走を果たすのでは?と考えており、評価してみた。
✕オーギュストロダン
父ディープインパクトではあるが、レース振りを見る限り、「いかにもイギリス馬」だなという印象。ダービーにしても、プリンスオブウェールズにしても「しのぎ合い」で勝ったレース。これまでの外国馬同様、スピード不足、決め手不足で終わりそうな感じだ。阪神3000㍍で狙いたいタイプ。
✕ドウデュース
前走は休み明けながらマイナス体重。スローとは言え、後方で矯めに矯めて上がり32.5の鬼脚を駆使。仕上げが目一だったと考えられ、あれ以上の上がり目は考えにくい。むしろ、ストレスを残す内容で反動が気になる。
※枠順確定後に多少、予想の手直しがあるので、ご容赦を。
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