チャンピオンズC2024予想
血統よりも本質で勝負

夏影
14期 予想歴41年

◎ペイシャエス
  8着/11人気

○ペプチドナイル5着/3人
▲ガイアフォース15着/5人
△スレイマン16着/13人
×レモンポップ


 ここ5年どころか10年間、この時期のダート競馬としてはエラく速い走破時計が出るところがミソで、勝ち時計か1.52.0を超えた決着になった事がない。
 異色のダート戦である事は、ここ5年の好走馬の血統でもはっきりしており、ゴールドアリュールやブライアンズタイムといったダートのスペシャリスト血統ではなく、キングカメハメハや、シンボリクリスエスのような芝血統種牡馬の活躍が目立つ。しかしながら、今年の面子を見てみると、キズナ、キングカメハメハ、ドゥラメンテ、キタサンブラック、ロゴタイプなどの芝血統の産駒で大半を占める。コテコテのダート血統馬は、むしろペイシャエスくらいなもの。ダート血統が逆にマイナー的存在となる不思議なレースとなった。
 しかし、「芝血統有利」はあくまで傾向だ。2019年のような例も存在する。勝馬クリソベリルはコテコテのダート血統馬。父はゴールドアリュール。母父エルコンドルパサーはヴァーミリオンやアロンダイトといった一流ダート馬を輩出している。そんなクリソベリルが叩き出した勝ち時計は、何と1.48.5。良馬場ながらチャンピオンズCレコードを叩き出している。2着のゴールドドリームもゴールドアリュール✕フレンチデピュティのコテコテダート血統。逆に翌年勝馬となるキングカメハメハ産駒チュウワウィザードは4着と凡走しており、超高速決着ながら近年の傾向とは真逆の結果がもたらされている。

 スピード面が問われるとは言っても所詮はダート戦。基本は体力ゴリ押し型が集うレースで、スピード面では牡馬以上に優れる牝馬の活躍は、ここ10年で2015年のサンビスタのみ。それ以外馬券には絡んでいないのが現実。今年はアーテルアストレアが参戦するが、外から捲る競馬をするタイプで、基本は体力ゴリ押し系。普通に差す競馬が出来る馬なら面白いが、体力勝負となれば、馬格ある牡馬には敵わない。「スピード」が問われると言われているが、実は曖昧でぼんやりとしたレベルでのものだと思っている。

 今年の面子を見てみると、ミトノオーがハナ、レモンポップが番手の競馬、それを見ながらウィルソンテソーロという感じの競馬が予想される。前目のポジション中心に競馬が展開されそうだ。そんな競馬になれば、どさくさ紛れに有力馬の視界の外から、もしくは馬群の中から差し込んでくるタイプに触手が動く。
 今回は、そんな馬に注目してみたい。

◎ペイシャエス

(血統)
父エスポワールシチー
母父ワイルドラッシュ

(オプション)
多頭数内枠、「先行→差し」位置取りショック、レース間隔詰める、「G3→G1」格上げ。

 父は「ゴールドアリュール✕ブライアンズタイム」の根っからのダート血統。母父ワイルドラッシュもトランセンドいう一流ダート馬を輩出している。同レースの傾向とは外れる血統背景を持つが、注目すべきは血統ではなく好激走履歴近走の充実度。血統論を無視して、敢えてこの馬に注目したい。

 この馬の好激走は、「多頭数」で且つ「時計短縮」のタイミングに偏っている。「地方交流重賞でこそ」の血統も見かけ倒しで、勝鞍は名古屋GPのみ。むしろ中央重賞は2勝。本質的にはスピードが問われてパフォーマンスを上げているところがミソだ。
 「格上げ」ステップに対する食い付きも上々で、強い馬相手にパフォーマンスを上げてくる期待も持てる。生涯初の中央G1でフレッシュさもあるタイミングだ。

 川崎記念を境に不調期に入るが、その前年は休み無く9戦を戦い疲労を蓄積させていた。川崎記念後もそのままダイオライト記念を使われて凡走を続けた。いよいよ終わったようにも見えるが、休み明けのエルムSが馬体減だった事を考えると、かなり重度の疲労が原因だったと考えられる。

 かなり時間は掛かったが、まめに休養が入るようになり、最近になって疲労が抜けて体調が完全に戻ったものと考える。
 そして、ここ2戦は再び充実度著しい内容を見せるようになった。エルムSは、勝負所で進路を塞がれるシーンがある厳しい展開。外から被せて来たテーオードレフォン、前で壁になっていたドゥラエレーデの間を割り、本来の集中力を見せての勝利。前走の武蔵野Sにしても、ハイペースになり他の先行勢が全滅する中、3番手の位置取りから掲示板を確保している。
 3歳の夏〜秋に見せた「強いペイシャエス」が復活したと捉え、この馬を推してみたい。
 ユニコーンSでイン差し合戦を繰り広げたセキフウも、低迷期を味わったが、昨年のエルムS勝ちを機に復活を遂げ、今年のフェブラリーSで13番人気3着と巷の評価を覆す激走を果たしている。セキフウ以上のパフォーマンスがあって何らおかしくない。

✕レモンポップ

 地力は確かだが、前走は休み明け8kg減での激走。基本的に使われた分、しっかり馬体が減ってしまうタイプでもある。集中力系の差し馬ならそれで良いが、この馬は体力本位の逃げ馬である。さらなる馬体減でパワーが落ち、スタートダッシュが鈍るようなら、内枠だけに被されて馬混みに閉じ込められる可能性も出てくる。

 昨年の勝利は、大外枠に入ったおかげで、逆に他馬陣営から甘く見られていた感強く、楽に先手を奪えてしまったところも大きい。今年は同じ轍は踏ませまいとマークもキツくなるはずだし、鮮度も薄れ昨年のような凄味も薄れつつあるタイミング。昨年とは比べものにならないほど、状況は悪化したように見えるが…果たして?


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