去年のオークス、
僕はテレビの前で、1頭の馬と1人の騎手だけを見ていた。
握り締めるのは自信の1点勝負、
ベッラレイア=秋山真一郎の単勝1万円。
ナリタトップロード=渡辺薫彦のコンビが好きだった僕は、
当然その娘ベッラレイア=秋山真一郎も好きだった。
ベッラレイアは、父ナリタトップロードと同じように、
鞍上に初めてのGⅠをプレゼントするため、秋山を男にするため懸命に走ってオークスに駒を進めた。
<ベッラレイアと、その外から迫るローブデコルテ>
父と同じように大きなフットワークで不器用そうに走るベッラレイア。
ダービーのときのナリタトップロード=渡辺と同じように、
ベッラレイア=秋山は直線半ばで満を持して抜け出し、
先頭に立った。
さらに強く馬券を握り締める。
「よし!そのまま!秋山!ベッラレイア・・・あ!?」
ゴールの瞬間、外から1頭飛んでくる馬がいた。・・・ローブデコルテ!
そして写真判定の結果は・・