今週は、
「ダイワスカーレットに勝たれてしまっていいのでしょうか?」問題を2度にわたって取り上げてきました。
ではどうすればダイワスカーレットを負かすことができるのか。
今回はそこまで追究してみたいと思います。
そのヒントは
僕が「座右の書」のように思っている
後藤浩輝著「意外に大変」の中に書かれていました。
2001年産経大阪杯
あのテイエムオペラオーが4着に負けたレース。
「後藤がオペラオーを負けさせたレース」の解説で
彼は以下のように語っています。
(因みに、レースは、
単勝1.3倍のテイエムオペラオーが絶好の中団外めを追走し3コーナーを迎えます。
そこで、その直後につけていた後藤鞍上アドマイヤボスが外から被せるように競りかけるように交わしていき、テイエムオペラオーもそれに合わせて早めのスパート。
直線半ばまで2頭のマッチレースかのようなバトルが繰り広げられますが、
最後には2頭とも力尽き、
漁夫の利とばかり大外から大穴トーホウドリームとエアシャカールがすっ飛んできて、大波乱となったものです。)
長くなりますが、以下とても興味深いので引用させてもらいます。
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向こう正面あたりで「これはまずいことになった」と察知した。
ペースや位置取りがテイエムオペラオーにもってこいになっていたのである。
完全にテイエムオペラオー中心のレースが出来上がりつつあったのだ。
こうなれば、もはや誰もオペラオーにはかなわない。
なにも起こらないまま3コーナーを回り、そのまま4コーナーを回ったらあとはオペラオーの独壇場になってしまう。
別にほかの騎手を責めるつもりはないけれども、「どうしてみんなは見て見ぬふりをしてるんだろう」と思った。
自分のレースをしようと努力しているのはわかる。自分の馬の力を出し切ろうとしているのはわかる。
しかし、みんなは重大なことを忘れている。
自分の馬の100%とテイエムオペラオーの100%はどちらが上なのか。言うまでもない。
テイエムオペラオーは現役のどの馬よりも力が上だからこそ、前の年に恐るべき成績を叩き出せたのだ。
だから、もしこのままテイエムオペラオーに100%の力を出し切られたら、自分の馬が負けるのは決まり切ったこと。
だとするなら、その状況をぶち破るべく、なにか策を講じるしかないではないか。
<中略>
レースに出ている以上、自分が勝ちに行くのは当然のことだ。
ましてやチャンスのある馬に乗っていてそれをしなかったら、そちらのほうが問題だろう。
そのうえ、相手はあのテイエムオペラオーなのだ。「どうぞ楽な競馬をしてください」という乗り方をしていたら、自分の勝つチャンスが消滅してしまう相手なのである。
競馬は単なる能力検定ではないのだし、セパレートコースでタイムを競うものでもない。逃げ馬がいて追い込み馬がいて駆け引きを繰り広げる"レース"なのだから、僕はそれがテイエムオペラオーであろうとだれであろうと、ライバルだと定めた馬に勝つために全力を尽くす。ラフプレーをするとか、強引な競馬で競り潰すということではない。
<中略>
そうやって真っ向からぶつかっていくことを、「正々堂々」というのではないだろうか。
<中略>
僕ら騎手は、やはり勝たなければなんにもならない。勝利だけが評価になる。最終的な評価は勝利をつかんでこそ得られる。少なくとも僕はそう思っている。
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明日に続く