エレーヌが亡くなったらしい・・・

GRANDAME-JAPAN古馬シーズン第5戦目として
9月21日に門別で行われたノースクイーンカップで、
4番人気ながら大差のシンガリ負けを喫した笠松のエレーヌ
9月25日の朝に厩舎で息を引き取ったようです。
死因は心不全だそうです。
http://www.kasamatsu-keiba.com/2010/09/post_872.html

ノースクイーンカップでの大敗はエレーヌの実力を考えれば有り得ない内容で、
ついに脚をやってしまったのかなと私個人心配していたのですが、
漏れ聞こえる情報によると、当日は体調不良で、まともに走れる状態には無かったようです。
(ツイッターでは「パドックで咳をしていた」なんて情報も出ていたとか)
そんな状態の中、出走を強行した陣営(馬主及び調教師)には、正直言葉がありません。

たしかに直前の出走取り消しとなれば、GRANDAME-JAPANのポイントが入らないばかりか、
出走手当も出ないし、輸送費も出ないでしょう。
目先の金銭面を考えれば、少し無理をしてでも出走させようと思うのは
仕方のないことかもしれません。

しかし、エレーヌは条件戦で勝負にならない並の地方馬とは違います。
地方の1地区でのものとはいえ「ダービー」と名の付くレースを、
牝馬でありながら制した、地方競馬を代表する現役競走馬の1頭であるはずです。
また、実力は他地区の重賞級の競走馬相手にも互角以上に渡り合えることができ、
これからまだまだ競走馬として活躍できるものを持っていました。
無事に競争生活を終えれば、繁殖牝馬としての道も開かれていたことでしょう。

陣営はエレーヌの今後のことを考え、何故出走取り消しという決断を下すことが
できなかったのでしょうか。
そして、何故体調不良のエレーヌを北海道でそのまま放牧に出すことなく、
笠松までの長距離輸送経て厩舎に戻したのでしょうか。
(29日に名古屋で行われる秋桜賞に何が何でも出走させたかったのでしょうか?)

GRANDAME-JAPAN3歳シーズンの1位を決めた後、エレーヌは
古馬シーズンを控えて休養を挟むこともなく、レースに使われ続けました。
もし、古馬シーズンでも本気で1位を狙いに行くのであれば、
首をかしげてしまうようなローテーションです。
今回の一件は、ある意味起こるべくして起きた出来事でしょう。

今春に笠松ガールズとして同じく脚光を浴びたショートエアリーは、
6月5日のJRA遠征時に発症した跛行の影響か、
人知れず競走馬登録を抹消されていました。
笠松ガールズは結成から半年足らずで2頭を失ったこととなります。

競走馬は人間の欲(金)の為に生まれ、レースを走り、使い物にならなくなれば
処分される経済動物(家畜)以外の何物でもないのかもしれません。
レースを見て、馬券を買って楽しんでいるファンも、そのサイクル一部でしかないでしょう。
私は、それが「悪」だとは思いません。
食肉用に生産される豚や牛、ニワトリの生産者と、そしてそれらを消費している我々消費者を
「悪」だということと、大差が無いと考えるからです。

ただ、競馬という経済サイクルが、馬券を買う競馬ファンの存在によって成り立っているのも事実。
虚像の人気であったのかもしれませんが、エレーヌはファンの多い競争馬でした。
陣営はエレーヌ死亡に至る経緯を、競馬ファンに説明する責任があるのではないでしょうか。

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