今、江面弘也著「活字競馬に挑んだ二人の男」を読んでいる。この本はなかなかの本だ。
白井新平、透親子の評伝であるが、そこから離れてエピソード満載の日本競馬史として読むこともできる。
個人的にありがたかったこと。
P299 吉田善哉氏についての記述の一部。
「そして1983年の秋にはリアルシャダイを輸入する。リアルシャダイはノーザンテーストとおなじようにアメリカのせり市で買ってフランスで走らせていた馬で、フランスダービーで2着に入り、凱旋門賞でも5着という成績を残した。
リアルシャダイが出走した1982年の凱旋門賞は白井透もロンシャン競馬場で観戦していた。その凱旋門賞には稗田牧場(北海道静内町)の稗田実が所有するノーアテンションも出走していて6着だった。日本人馬主の馬が勝てなかったのは残念だったが、2頭の健闘に応援のためわざわざパリまで出かけてきた透は満足した。」
ここで出てくる稗田実という人物は私の大伯父に当たる人で、私は大伯父がスーパークリークの父ノーアテンションの馬主であったことは知っていたが、馬主として愛馬を凱旋門賞に出走させたことは知らなかった(ノーアテンションが凱旋門賞に出走したことは知っていたが、そのあとに日本で種牡馬にするために購入したものと思っていた)。
この事実を教えてもらっただけでもありがたいのだが、そのほかにも興味深いエピソード満載。この本をテキストに日本けいば年表を作成してみようかとも考えている。
白井親子、特に父新平氏も魅力たっぷり。