シルクの会報に掲載されていた千代田牧場 飯田正剛社長のインタビュー記事が中々おもしろかった。
【マルゼンスキー】
記者:中山競馬場にアルバイトとして雇われていたわけですか。
飯田:そうそう、診療所にね。(略)マルゼンスキーのこんな外向の脚上げをやったのは私ですから。
記者:やっぱりそんなに曲がっていましたか。
飯田:曲がっていましたね。
【タレンティドガール】
飯田:ニッポーテイオーは先代の場長が引退されてからの馬で、妹のタレンティドガールはちょうど私が引き継いだ昭和59年に生まれた馬なんです。タレンティドガールは肺炎で死にかけた馬でしたけれど、それがああやってエリザベス女王杯を勝っちゃうんだから、分からないですよ。
【配合論】
記者:ここまでこの系統(チヨダマサコ→タレンティドガール、ビクトリアクラウンの2つの系統)を育てた理論というか、配合の何かがあったんですか。
飯田:うーん、解りませんね。配合はですね。やっぱり、体形考えて欠点を補う配合しているというのが私の理論かな。古い種馬の体形とかも、一応頭の中にインプットしてあるつもりですから。
記者:やっぱり子供のころからお父様と社長とで決めていたんでしょうか。
飯田:親父というより配合はおふくろでしたね。やっぱり。おふくろが好きだった。配合の一覧表はマサタケ→マサコ→決定となるんだ。この表はおふくろがつくったんだ(笑)。親父の欄はなかった。
記者:一応そういう会議をしながら決めていたんですね。
飯田:会議じゃない。けんか。血統書と株券を持ってけんかしながら付けていた。一種の格闘でした。
記者:その系統から今週も秋華賞にベストクルーズが出走しますが、なんか家そのものが残っている感じすらしますね。
飯田:本当にね。チヨダマサコにサンデー付けて、それにクロフネがベストクルーズ。芙蓉S勝ったホエールキャプチャーもそうでしょう。チヨダマサコにリマンドがさっき言ったタレンティドガールで、それをイギリスに連れて行ってナシュワンをつけて、そしてそれに日本の最高のサンデーサイレンスをつけて、最後クロフネでできたのがホエールキャプチャー。クロフネというのはアメリカの捕鯨船のあれだから。そういう流れで、世界を制した、世界の血、ナシュワン一つ入っているというのがやっぱりちょっと味があるところだろうと思うんですよ。
(シルクホースクラブ会報No.187)
チヨダマサコというのはお母様入魂の配合なんでしょうね。でも血統に興味のある女性というのはあまり見かけないですよね。