高齢な母から生まれた参駒は走らないのか、大調査
一口馬主の中には、高齢馬の母から生まれた参駒を嫌う傾向が強い。確かに、母親が高齢になるほど体質の弱い仔が生れ易くなるというのはよく分かる話である。問題は、どの程度成績に影響を及ぼすものなのか。それを調べてみた。
最初にしたのは、繁殖牝馬の年齢別分布である。これが分かっていなければ正確な比較はできない。これが案外難物だった。全繁殖馬を調べる余力はないし、少ないサンプルだと不正確なものになる。とりあえず2世代(現3歳4歳)3000頭ほどを調べてみた(世代によって割合が微妙に異なることが分かった)。
必ずしも正確なデータとは言えないが、まあ、こんなものだ。
調べた3000頭強の中に3歳、25歳、26歳時の産駒が各1頭いたが、0%として処理をした)
9歳~11歳を中心に前後に徐々に少なくなるピラミッド型をしていることが分かる。
年齢 %
03 0.0
04 1.0
05 4.8
06 6.1
07 9.0
08 9.3
09 8.8
10 9.3
11 9.7
12 7.8
13 6.8
14 6.0
15 5.6
16 4.7
17 3.1
18 2.9
19 1.8
20 1.5
21 0.9
22 0.4
23 0.3
24 0.2
25 0.0
26 0.0
次に1999年から2011年皐月賞までのG1レースの勝ち馬239頭の出生時の母親の年齢を調べて、次の表に整理してみた。
全体の割合a(%) G1勝馬 b(%) b/a
03.04 1.0 0 0.0 -
05.06 10.9 34 14.2 130
07.08 18.4 58 24.3 132
09.10 18.1 38 15.9 88
11.12 17.5 54 22.6 129
13.14 12.8 30 12.6 100
15.16 10.2 13 5.5 54
17.18 6.0 7 2.9 48
19.20 3.2 4 1.7 53
21以上 1.9 1 0.4 21
ここから、母親の年齢が5歳~12歳時の産駒が、(少なくともG1レースでは)活躍していることが分かる(9歳~10歳の数値が悪いが、原因はわからず。おそらくサンプル数が少ないことによる誤差であろう)
15歳を超えると成績は急激に落ちてくる。
【参考データ】
母親が高齢になって生んだ産駒(16歳以上)の代表例をいくつか。
結構いるもんだ。
フリートストリートダンサー 21歳
ラインクラフト 19歳
ピンクカメオ 19歳
タップダンスシチー 19歳
ダイタクヤマト 19歳
ダンスインザムード 18歳
アンライバルド 18歳
アドマイヤマックス 17歳
ウルトラファンタジー17歳
マイネルレコルテ 17歳
ブルーメンブラット 17歳
メジロベイリー 16歳
ダイワスカーレット 16歳
ファインモーション 16歳
アロンダイト 16歳
サンライズバッカス 16歳
ザッツザブレンティ 16歳
ネオユニヴァース 16歳