サラブレッドは何故イギリスで生まれたのか その5

さて、このアハルケテ種ですが、トルクメニスタン人が秘匿するかのごとく育て上げたといわれていますが、トルクメスタンがロシアに併合されたことによって、食肉としてロシア人によって大量に殺されました。その後、種の優秀さに気づき、保護育成へと方針を転換しましたが、現在、その数は3500頭と極めて少なくなっています。

 

私がアハルケテ種に関心をもったのは、たまたまNetで写真を見て、その美しさに感心したからです。アラブ種も美しい馬ですが、どちらかというと短背、ずんぐりタイプなのに対し、アハルケテ種は長背、細身タイプ(馬種の中のドーベルマンという表現がありました)で、むしろアハルケテ種の方がサラブレッド(ステイヤー)に近い体形なのではないかと直感的に思いました。

 

そこから、サラブレッドの形成におけるターク種の役割というのは、言われているよりも大きいのではないかと考え、いろいろ調べてみました。

 

すると、イギリス人が書いた、サラブレッドの形成にかかわったアラブ種、バルブ種、ターク種についての、「ターク種とアラブ種は、身体的に、歴史的に、そしてある程度の品種間交雑があったのは確かだとしても、遺伝的にかなり異なる品種であったからである。同様に、アラブ種とバルブ種は、より近い品種であるが、異なる身体的特徴を有する別の品種である」という記事を見つけました。

 

さらにその記事では「サラブレッドは、さまざまな祖先から受けた寄与の壮大な集大成である。アラブ種は、そのスタミナ、頑強さおよび洗練さであまねく知られており、バルブ種はスタミナで知られ、またトルコマン種(ターク種)は小型のアラブ種とバルブ種に対して大きさと強さの点で寄与したと思われる」と述べていました。

 

なんでもアラブ種にしてしまう風潮に対する私の違和感に多少なりとも根拠を与えてくれる記事でした(この記事については後で詳しく触れる予定です)。


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