有馬記念は冬場の中山競馬場Aコース最終週に行われることから、かつては馬場の外側を回った馬が伸びる傾向にあった。しかし、まず芝を洋芝中心に変えて馬場が痛みにくくなった。さらに、ここ数年はエアレーションという作業を施すことにより、外伸び傾向が薄れてきている。
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有馬記念2016馬場予想,
エアレーションとは開催前の馬場を耕すような形で空気を入れて柔らかくしておく作業。これにより、開催が進むにつれて馬が走った部分がだんだん踏み固められて硬くなっていく傾向がある。これが極端に作用する場合は、開催が進むにつれて内側を通った馬が有利になることがある。
昨年は勝ったゴールドアクターと3着したキタサンブラックが終始内内を回ったことから、この影響があったのではないかとも囁かれている。一昨年のトゥザワールドやその前の年のオーシャンブルーも内を突いて穴をあけており、エアレーション効果は無視できない。レース直前までこの影響の見極めが必要だ。
懸念された木曜日の雨も、金曜日は稍おも馬場からスタート。路盤改修されてから中山競馬場の水はけもよくなっており、影響はなしの良馬場で行えそうだ。
展開予想図:枠順1番キタサンブラック内4番手、逃げ先行馬多く稍ハイペース
マルターズアポジー・サムソンズプライドの逃げ馬2頭が比較的内めの枠に入った。これによりこの2頭がハナを切る可能性は高まったが、外から無理をして勢いをつけて逃げる馬もいなくなったため、初めの2ハロンはゆったりめに流れる可能性が高そう。 ただ、編集部予想では、サトノノブレスはサトノダイヤモンドを勝たせるため、逃げ馬をつついてペースアップさせる作戦に出て、淀みなく流れるのではないかと予想する。里見オーナーは菊花賞のときにもサトノエトワールを露骨に先行させラビットのように活用したと見ている。今回も同厩舎のサトノノブレスを出走させてきたことから、同様の作戦が考えらえる。
キタサンブラック含め内めに先行馬が集まったことから、外めの枠の差し馬も内に潜り込みやすくなったといえる。アドマイヤデウス岩田騎手は内突きにこだわる騎手なので10番枠であれば、すっと内に潜り込むだろう。
また、2番枠を引いたゴールドアクター吉田隼人騎手は、昨年同様の最内の絶好のポジションをキープしやすくなった絶好枠といえるだろう。
デニムアンドルビーとヒットザターゲットはいつも通りの後方待機で死んだふりだろう。