2017年のクラシック戦線には牝馬旋風が吹き荒れている。皐月賞はなんといってもファンディーナによる69年ぶりの牝馬制覇がかかる。予想オッズも1番人気になっていて、牝馬上位を競馬ファンの多くが支持している。
お気づきだろうか。この世代のG1競走の全てで牝馬が1番人気を占めることになりそうなのだ。朝日杯でもミスエルテが1番人気。恐らく皐月賞もファンディーナが1番人気。そしてファンディーナが皐月賞を制した暁には、日本ダービーでもファンディーナが1番人気になることは間違いない。こんな世代が過去にあっただろうか。
ファンディーナ・ミスエルテだけではない。4戦無敗でこちらが最強の説もあるソウルスターリング。アドマイヤミヤビは牡馬クラシック有力のカデナ・アウトライアーズに完勝している。
桜花賞組だけでもない。リカビトス・ルヴォワールといった無敗馬たちはまだ底を見せておらず、距離にも対応している。ホウオウパフュームは牡馬相手に寒竹賞を楽勝。
競走馬は世代ごとに豊作不作があり、ある世代はG1をこぞって勝ち、ある世代は全く勝てないといった偏りはある。これは天候不順等により牧草に含まれる鉄分等の成分が年により異なることに起因するという説が有力。だが、牝馬だけが発育するというのはどういった原因によるものなのだろうか。
ところで、冒頭の問い。このような牝馬優位世代というのが過去にあったのか。
あった。70年前に皐月賞牝馬制覇を成し遂げたトキツカゼと、そして菊花賞牝馬制覇を果たしたブラウニーの世代だ。
皐月賞1着トキツカゼ
東京優駿2着トキツカゼ 3着ブラウニー
菊花賞1着ブラウニー
皐月賞も菊花賞も1番人気で牝馬が勝利しているから凄い。70年に一度巡って来た特異な世代。さすがの競馬オールドファンでもこの世代を知る人はほとんどいないだろう。それくらいの語り継がれるべき伝説の世代は我々は今年目撃することになるのかもしれない。