遂に青葉賞馬が日本ダービーを制する日が訪れるかもしれない。今年の日本ダービーは青葉賞馬アドミラブルが1番人気になりそうだ。
過去青葉賞馬はその創設以来1度もダービーを勝ったことはない。ここまでくるともはやジンクスというだけではないだろう。科学的根拠があるはず。おそらく3歳の若駒にとって、東京2400のタフなコースを1か月の間に2度も全力疾走することは過酷なのだ。ゼンノロブロイやシンボリクリスエスのような名馬でもダービーを勝ち切ることはできなかった。
ただ、アドミラブルならそれが可能かもしれない。データなんて関係ない。
こんなことをいうとデータ派の予想家に怒られそうだ。
だがそもそも我々はなぜ競馬を見るのか?
それはサラブレッドが刻む新たな歴史を目の当たりにしたいからではないだろうか。データも何も打ち破って勝つ馬こそ本当に強い馬で、その姿に人は感動するのではないだろうか。
データ通りに決まった結果を見て納得したいわけではない。それでは競馬は味も素っ気もなくなって、人を魅了しなくなっていくだろう。そんな予定調和が待ち受けているのなら、わざわざダービーウィークにワクワクしたりしない。
競馬においてデータは大事だ。不可欠だ。データは面白い。それは重々承知している。でもそれを超えた先に感動があるのではないだろうか。
アドミラブルの勝利の先には、競馬の新しい歴史が刻まれる。それをついこの間まで喘息に苦しんでいた馬が成し遂げるなんて、どれだけ多くのファンが感動するだろうか。