筆者は馬のフットワークを見て予想を行うため、道悪適性を見抜くことを得意としている。先週の菊花賞でも▲ポポカテペトル△クリンチャーと穴馬を抜擢できたし、◎のプラチナヴォイスも大出遅れさえなければという内容だった。
天皇賞秋はどうだろうか。道悪上手というとすぐに思い浮かぶのがサトノクラウン。ただ、これは競馬ファンであれば誰もが知っているので、恐らく馬場悪化すればその分人気も出てしまって妙味がないだろう。まだ道悪を走ったことがない中から抜擢したいところだ。
実はマカヒキは以前から道悪が上手なのではないかと睨んでいる。というのも、もともとフットワークが硬めで、姉のウリウリに似た走法であること。姉は重馬場で重賞を勝つなど道悪巧者だったことだ。マカヒキ自身は今まで一番悪い馬場を走ったのは今年の京都記念。ここで人気を裏切る3着ではあったが、これは休み明けだったことも影響していたと思う。内容的にも道悪巧者サトノクラウンと同じ上り34.9。面白い存在だと思う。
レインボーラインも上手いだろう。昨年の札幌記念はやや重とはいえかなり重い馬場。ここであのモーリスと同じ最速の36.3で上がっている。道悪適性を見るときは、前に行って惰性で押し切った馬よりも、悪い馬場をものともせず差してきた馬を高く評価すべきだ。
ワンアンドオンリーもトビが小さくパワーがありそうな馬。ラジオNIKKEI賞2歳Sを勝ったときはかなり力の要る馬場だった。外が伸びる馬場になっていれば面白い。
1番人気の武豊鞍上キタサンブラックはどうだろうか。重馬場以上の経験がなく、やや重で3回走って新馬勝ちと宝塚記念3着、宝塚記念9着。個人的には、トビが大きくキレイな馬で、血統的にもスタミナに自信がある方ではなく、道悪は苦手の部類と考える。やはり前走宝塚記念での惨敗も、疲れがたまっていただけでは説明しづらく、馬場の影響は少なからずあったのではないかと思う。
他ではグレーターロンドンも道悪経験がない。これもかなりトビが大きく素軽いスピードが身上の馬だけにマイナスと考えるのが普通だろう。母のロンドンブリッジも快速馬で、血統的にもスピードが殺されてしまうのは痛い。
ソウルスターリングもマイナスではないか。飛びも大きいし、桜花賞では圧倒的人気を裏切っているが、これは雨馬場が影響したと考えられる。
シャケトラもマイナスになる可能性もある。ガサがあり、重めの馬場は問題ないが、かなりトビが大きいので、雨で滑る馬場となると戦意喪失してしまう可能性もあるのではないか。
サクラアンプルールの札幌記念は内枠に恵まれたもので、力量的にやはり足りないだろう。再度1番枠を引いたラッキーはあるが、58キロを背負う競馬でこのメンバーでは厳しいか。
逆にヤマカツエースは札幌記念で外から追い上げる正攻法の競馬で、内容的には一番強かった。雨も得意。かなり悪い馬場だった福島記念を勝っている。枠もよい。距離もベスト。ここで勝てなければG1は厳しいだろう。