ちょうど1年前、ぼくはこの席に座った。
競馬ナンデの企画構想を練っているときのことである。
大学院を卒業してしまって、時間だけにはすごく余裕があったものだから、
いつも通る道に、いつも座っている占いのおじさんに、声をかけてみたのだ。
「あのー、どんな占いなんですか?」
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「八卦占いですよ」
「ああ。当たるも八卦、当たらぬも八卦のやつですね?」
「・・・・あ。まあね。」
おじさんも八卦占いを信念を持ってやっているはずである。それに「当たらぬも」なんて言ってしまったらイヤな顔をするのも無理はない。ごめんなさい。。
これは冷やかしではかわいそうだと思った。
「おいくらなんですか?」
「2000円です」
お金だけには余裕のないぼくである。ひよった。。そんなにすると思わなかったから。
「お金持ってないんですよ。半額コースでやってもらえませんか?」
「・・・・まあ。いいですよ。とりあえず座って」
やっと座れた。
「なにを占いましょうか?」
「実は、競馬に関するインターネットサイトの事業をこれからやろうと思っていまして。それが成功するかどうか見てくれませんか?」
「インターネット? 競馬? どっち?ひとつだけだよ。 え? 競馬の事業ね。うん。わかりました。はいはい。ちょっと待ってね」
半額コースだけあって、手際がよい。
八卦占いというのは、長い割り箸のような、菜箸のような木を、両手のひらの間でジャラジャラと混ぜて、出てきた目で占うもののようらしい。
(出目理論だなあ。。)と思いながら待つ。
「えっとね、これね、見てごらん。こういう目が出てるからね、競馬はイマイチかもなあ」
「ええ。そうなんですかあ。残念です。じゃあ、どういった仕事が向いてるんですかねえ?」
「そうだねえ。この目だとねえ。うーん。・・・さっきあなたインターネットだかコンピューターだかの話してたでしょ?そういうねえ、なんか理科系ののほうが向いてるかもしれない。そっちのほうがんばってみるといいよ」
ううむ。。。ぼくがやろうとしてるのは、「競馬の、インターネット」なんだけどなあ。。
でもきっとこのおじさんに「予想・回顧のWEB論壇を作ることによって、競馬知識を集合知化して・・・」とか言ってもわかってもらえないだろうし。。
半額コースだし。仕方ないか。
「ありがとうございました!」
1000円を払って、ぼくは席を立った。
あれから1年。
あのとき思い描いていたものは「競馬ナンデ」という形でなんとか完成し、今では多くの方に使っていただけるようになりました。
でもまだまだ、運営システムもデザインもいろいろ至らない点はありますし、もっともっと多くの方に使っていただけるといいなとは思っています。
「競馬のインターネット」は成功?
久しぶりにあの席を見て、問い直しました。あともうひと頑張り、じゃないかな!とぼくは思っています。
おじさんの八卦は、「当たる」のか、「当たらぬ」のか・・
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(競馬ナンデは、趣旨にも盛り込んでいるように、オカルト予想やサイン馬券や出目理論といったケントク買いを排して、
競馬をより自然科学的に知的に楽しめるものにしていこうという試みです。
にも関わらず、その行く末を占いに託してみたというのは、ここだけの秘密で・・・。)