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超高速状態の夏の小倉らしい57秒台の結果になった。前半3Fが34.5とやはりハイペースだが1000通過で考えると59.0と平均よりも遅く、後半の方が早い。そこから5Fで11秒台を刻む流れではあったので、見た目の割には後半の平均的なスピード、トップスピードも少し求められる展開になったといえそう。また前半早く、中弛みがあったレースらしく、逃げ先行馬にはかなり苦しい展開になっていて、実際4番手以内の馬は掲示板を確保すらできなかった。
1着エクスペディションは五分のスタートからある程度積極的に押して中団で競馬を進めていく。道中中団で少し口を割るところも見せたが概ね折り合って進める。緩んだところで後続が追い付き団子状態の真ん中ぐらいで3角。3角では既にペースアップしている展開だがこれに遅れずに2列目の外でしっかりと追走、4角で前列に外から並びかける意識を持って仕掛けて4番手ぐらい、2馬身差ぐらいで直線。序盤で外から一気に抜け出すと、L1でも差を詰めさせるどころかむしろ突き離しての完勝となった。ん~強い競馬でしたね。ちょっとこの馬の評価が間違ってたかも。ただ、思ったより全体のペースは早くなくて、この馬の持ち味である後半の速さとコーナーワークが活きた展開にはなったのかなと。それと、ポジション取り、仕掛け所がパーフェクトだったと思います。結果として脚をまだ余しているようなラップ推移でもあり、この馬が強かったというよりは、後続の実力馬が脚を出し切れていないというような展開でもあったと思うので。中弛みもあったし、その点でも展開面で一番イーブンな競馬ができたという点でやや恵まれた勝利ではあったかなと思います。浜中君はイタリアンレッドの時も思ったけど、地元小倉の乗り方を本当に心得ているんだなあ。
2着トーセンラーは五分のスタートからダッシュがつかずに後方からの競馬に。道中かなりおっつけて進める。ただ、コーナーワークと道中の緩みで楽に押し上げることができ、中団の内に入り込むことに成功。追いついて前にスペースがある段階で今度はペースアップしたので詰まることなく3角へ進める。3角でやや窮屈な内目を追走、4角で内目、進路を探しに出口で外に出して6~7番手3馬身差ほどで直線。序盤で進路を確保していたが、既に楽にエクスペディションが抜け出す形。そこからジリジリ伸びて抜け出してはきたが、前とは絶望的な差となり完敗の2着となった。ん~まあ内容面では完敗ですよね。特にこの馬の最も得意としているであろう超高速馬場で序盤スピード負け、中弛みで脚を使わず押し上げられて、ロンスパ戦で勝負どころで置かれているという点からも、この条件でエクスペディションにはどう足掻いても勝てなかったかなと。ただ、この馬としては小回りでトップスピードを削がれるような競馬は合わないと思う。今回好走したのはむしろ平均的に早いペースにならなかったところにあると思う。もう少し前中盤フラットで58秒台前半のペースだったら多分勝負になってなかったんじゃないかな。まだ終いのトップスピードを少しでも問われただけマシだったと思う。札幌記念に出てほしかったんだけど、2着なら格好はつけたのかな。序盤のスピード不足や要所で少し遅れるところを解消できないと善戦マンが続きそう。
3着ナリタクリスタルは五分のスタートから無理せず後方からの競馬に。向こう正面で最後方に下がり、そこから仕掛けて3角へ。3角で外目を押し上げゲシュタルトを閉めながら前を追走、4角でそのまま外を回して最後方で直線。序盤で外からジリジリ伸びて内のばてた先行馬を交わしていく。L1でもしぶとく脚色を衰えさせなかったが急追まではいかずになだれ込んでの3着に終わった。まあ通ったところが外すぎたのもあったかなと。ラップ的にも後半は落ち込まなかったし、この馬としてはしっかり脚を使えている。やっぱり序盤あまり無理しない方が良いような気がしますね。もちろん今回は後ろ過ぎたし、本音を言えば緩んだところでもう少し押し上げてほしかったなという気はするんだけど。まあトータル的な展開を考えれば悪くない競馬だったかな。力的にはこれぐらい普通の馬なので、驚きはしないんだけど。この馬も地味ながら賞金を稼いでくれる馬主孝行だなあ。
4着ダノンバラードは五分のスタートからある程度追走したが、ペースが早いと見たかすっと下げて後方に構える。道中は緩急もあったが全く動かず後方のまま、団子状態の外目で3角へ。3~4角で外から押し上げていくような形で追走するが、出口で少し置かれて中団で直線。序盤でジリジリ、最後までジリジリとスパッと切れずになだれ込むだけの4着に終わった。この馬はトップスピードが足りない馬なので、L1で落ち込むような流れにならずに、平均的な競馬でも高速馬場で外を回されて押し上げられなかった点が痛かったかなと思います。思ったよりもペースが上がりきらなかったし、団子で5F勝負の流れ。仕掛けもワンテンポ遅かったと思うし、苦しい競馬になってしまった。あまり悲観することはないでしょう。
5着ゲシュタルトはやや出負けからある程度押していくが結局後方で競馬。道中緩んだところで壁にぶち当たってしまい、抑え込む競馬に変わってしまう。外のダノンが上がった後に、今度はナリタにまで蓋されて3角。3~4角で外目、ナリタに外からプレッシャーをかけられて、追走に手いっぱいで後方で直線。直線でも窮屈な競馬になってしまい、結局ナリタが前に出てからようやく外に出してジリジリ伸びるのが精一杯の5着となった。まあ正直ナリタやダノンでも仕掛けがワンテンポ遅いんだから、この騎乗ではツーテンポ以上遅れていることになる。ラップが落ち込んでいない以上、先に前に出られるような展開になってしまうと厳しい。今回は中井君も良い勉強材料になったんじゃないかな。特に中弛みしそうな序盤の超ハイペースの時は、前にしっかりスペースを作っておいた方が良い。自由に動ける位置を前に確保できていないと、勝負どころで内外で進路がない時に加速スペースを失うことになる。これは痛い。まだまだ新人だし、レースで色々なことを吸収しながら頑張ってほしい。馬は力を出し切ってません。要所で窮屈になって苦しい競馬になったので。状態自体は戻ってきていると思うので、どこかで結果を出してくれると思う。
7着ミキノバンジョーは好スタートから楽にハナ争い。ただ内からセイカアレグロが競りかけてきたので思った以上に苦しんでハイペースで序盤を進める。1角までに何とかハナには立つ。ハナを切ってからペースを少し緩めるが、その分後続も楽に詰めてきて団子状態になってしまう。向こう正面で他馬に先んじてペースアップして3角へ。3~4角で最内楽な手ごたえでハナをキープし続け、出口で仕掛けて1馬身差リードで直線。序盤で先行勢は突き放すが、差し馬の決め手には見劣る。L1でかなり苦しくなって失速しての7着となった。序盤が痛すぎたかな。いくらなんでも前半3Fが34.5、そこから2Fが24.5の流れは無駄に緩急をつけすぎた。ここでフラットに競馬できた馬に比べて脚が残っていないのは当たり前。それに5Fのロンスパ戦。かなり強い競馬をしている。個人的には序盤少し楽にハナに立てそうになったので、騎手が余裕を持ちすぎた気がする。もっと何が何でもハナというような意識で行っていればもう少し楽なレースメイクができたんじゃないかなあ。ちょっと残念な内容。レースとしては強い競馬ができているので、結果は残念だなあ。ただやっぱり七夕賞でもそうだったけど、ラストが少し甘い。レース内容は別にしても2000mはちょっと長いのかもしれない。
10着ワルキューレはまずまずのスタートから好位で進める。向こう正面でエーシンジーラインの後ろぐらいから競馬。緩んだところで3番手の外に持ち出す。3角で中目を追走、押し上げそうになるが、4角で手応え見劣り2列目、2馬身差ほどで直線。序盤でもう全く脚がなく下がって終了の10着。まあ序盤ある程度追走した分はあるかもしれないけど、ちょっと手ごたえが無くなるのが早すぎた感じ。ペースは早かったけど、流れに沿って競馬できていたし、もう少し格好をつけても良かったと思うけどここでは力が下ではあるので仕方ないかな。
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08/07 19:51 回顧アクセス:4658 |