序盤から驚かされる展開となった。先頭に立ったのは１番人気のビッグアーサー、それを追うのが追い込みのイメージすらあるスノードラゴン。

　競馬って何が起こるか分からないと、久しぶりの予想で再認識。手荒い洗礼を受けました・・・。

　勝ったビッグアーサーは競馬に幅を見せながら、斤量も心配なしと無敵感漂う内容。

　ネロが行かなければスロー必死のため、積極的に動く予定だった（らしい）福永騎手の判断は早かった。
　最初の１Ｈが１２．３秒、ネロは先頭へは行きませんでした。ビッグアーサーは積極的な競馬を選択、ただし抑えの利かないところがあるようでスローな出だしからは考えられない前半33.1秒というハイペースで逃げてしまった。

　本来逃げ馬でないビッグアーサーが33.1-34.5の構成はとても褒められたものではない内容。今日の馬場状態で7秒台前半が決勝タイムにならないのはちょっと異常で、ビッグアーサーの強さと同じぐらい、他の馬のペース配分の異常さが印象強く残るレースでした。

＜他の馬のペース配分がまずかった？＞

　前半後半のタイム差で見ると、実力を発揮できた馬が少なかったことが浮き彫りになります。

　　　　　　　　前半　後半　マイナスなら前傾
Ｂアーサー　　　33.1 　34.5 　　-1.4
ネロ　　　　　　34.0 　33.8 　　0.2
Ｌポイント　　　33.7 　34.1 　　-0.4
アースソニック　34.1 　33.8 　　0.3
スノードラゴン　33.4 　34.5 　　-1.1
レッドアリオン　34.4 　33.6 　　0.8
Ｄディレクター　34.6 　33.4 　　1.2
Ｅブルズアイ　　34.5 　33.5 　　1.0
ウリウリ　　　　34.7 　33.3 　　1.4
アットウィル　　33.8 　34.3 　　-0.5
ティーハーフ　　34.8 　33.3 　　1.5
Ｍエテルネル　　34.1 　34.3 　　-0.2
Ｍライナー　　　34.2 　34.3 　　-0.1

と、とにかく極端に前半か後半を速く走りすぎている馬ばかりです。アースソニック、ネロ、ラヴァーズポイントは比較的うまく乗っているようですが、本来逃げ馬のネロがこのラップでいいのかは疑問ですね。

　ビッグアーサーが逃げるという不測の事態で、各騎手がおたおたしてしまったレース。結果的に好騎乗できたのはラヴァーズポイントの川須騎手とアースソニックの岩田騎手だけ。

　脚質上後方からの競馬になるティーハーフはともかく、ダンスディレクター、エイシンブルズアイ、ウリウリの前半抑え過ぎは、問題ありの騎乗と感じました。

　結果的には人気馬で決着も、波乱に満ちたレースでした・・・。

　面白いレースでしたがレースレベルは低評価に。



＜スプリンターズＳはどうなる？＞

　高松宮記念での感想は、「底力はビッグアーサーが抜けるものの、速い時計と器用さのいる中山ならミッキーアイルの方が有利。」と言うものでした。
　今回の結果を受けてもその印象は変わらず、ミッキアイルに期待するのですが、ぶっつけ本番も適性高いミッキーアイル　ＶＳ　底力半端ないビッグアーサーの２強対決と見ます。

・ビッグアーサー
　自分から動くこともできることを証明したレースで、化け物じみた強さといって良いでしょうが、さすがにラスト１Ｈはバテました。
　制御が難しい点と、今回の疲労が新たな心配となりそうです。
　それでも勝ち負けできるとは思いますが、人気すること必至ですね。
（好勝負できるけど勝てない。ある意味危険馬）

・ネロ
　出走するのか知らないのですが、休養が必要な頃でしょうか。今回は行かなかったことで２着ＧＥＴですが、タナボタの印象が強い。

・ラヴァーズポイント・アースソニック
　今回の３・４着は他馬の自滅によるところが大きいかと思われ・・・。

・スノードラゴン
　今回は前半で見せたものの切れ味は健在。年齢を感じさせません。あとは展開次第。

・ダンスディレクター
　ビッグアーサーが暴走してのハイペースと読んで抑え過ぎました。結果的に本番に向けてはいい練習ができたかもしれません。
　ただ、年齢的な衰えが無いのだとすれば、今回はもったいない取りこぼしだった？

・エイシンブルズアイ
　今回は何にもしていないので、何とも言えない。騎手は乗っているだけなので、本番も他馬の動向に左右されます。展開がはまれば・・・。

その他の馬は実力的に厳しいと見ました。

09/12 02:40　回顧アクセス：3320