10Ｒ前から雨が降り出したが、馬場にはそれほど大きく影響を与えた感じもなく、発表は良のまま。馬場は内伸びや外差しといった極端な傾向はなかったように思うが、内は荒れてきた見た目ほどダメという雰囲気でもなく、結果的にロスの有無が着順に反映された様子。

　勝ったカンパニーはこれと言って何も特別なことをせず、実にキレイな形で引退の花道を飾ってしまった。道中は内でピタッと控え、直線では前が開いたらキッチリ抜け出す、ロスのないお手本のような競馬。

　実績と能力に今さら口を挟むつもりもないが、強いて言えば、開催後半で雨が降り出したことで、馬場が内目から悪化してきたと思い込んでいた陣営もあったのか、４コーナーで各馬が気持ち外へバラける場面が気になった。これは馬群をさばく手間が勝ってに省けたという点では少し有り難かったかもしれない。

　ギリギリ２着に食い下がったマイネルファルケは、キャプテントゥーレにハナを譲ることなく理想的な単騎逃げ。直線でも迷うことなく内ラチ沿いに進路を取ったのも正解。本来はもう少し後続に脚を使わせる流れに持ち込んだほうが面白かったかもしれないが、馬に逆らわず能力を出し切った和田の好騎乗は素直に評価。もっとも、単騎逃げを可能にした展開が多分に味方したことも否めず、次走や今後の出世も常に相手関係と展開次第。

　逃げ先行馬の中で、番手からマイネルファルケを差し切れず、サプレザにも最後交わされた４着キャプテントゥーレ。この結果が想定内なのか明らかな騎乗ミスによるものか、きっと皆さんの意見も割れるポイントには違いない。

　ただ、あくまでも自分の捉え方だが、この馬そもそも前で渋太く食い下がる逃げ先行馬に接してはやや脆いかな、というのが過去の成績から判断しての以前からのイメージだった。今回も結果的にはそのイメージ通りに収まり、４着もやはり想定内ではあったと考えたい。言い替えると、皐月賞馬としては地力面で少し天井が見えた感じもなくはなかった。

　その他、次走狙いとして、直線でやや不恰好なレースをしながら最後は伸びていたスマイルジャックと、今後休養で立て直すという前提でヒカルオオゾラ。

　特にヒカルオオゾラは調子もピークにはない上、今では？ノドにまで難点を抱えている様子。使い詰めてというタイプでもないのだから、ここはひとつ長い期間をかけての休養を勧めたくなる。８歳でも今はＧⅠを勝てるご時世。まだ５歳、急がば回れ。

11/23 02:16　回顧アクセス：5118