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昨年のレースを見て印象的だったのは、最内を突いて伸びて来たアンドヴァラナウトの力よりも、外から差して来たアカイトリノムスメやファインルージュの末脚が際立っていた事。
この秋華賞は「阪神内回りコース」で行われているにも関わらず、2011年のアヴェンチュラの勝利を最後に、実は「先行したら勝てない」レースとなっている。
特に秋の阪神は「高速差し馬場」になりがちな上に、「牝馬限定根幹距離レース」だという事も理由に挙げられるだろう。
牡馬に比べて体力面で劣る牝馬だけに、いかに力勝負に分が悪いレースになっているかが理解出来る。
ダイワスカーレットのように牡馬相手に有馬記念を勝ち負けするようなレベル馬でなければ、先行馬が勝つ事は難しい。
狙い目は、マイル以下の距離で勝鞍のある差し馬。
特にマイル重賞で連対した馬の信頼性は高い。
昨年の勝馬アカイトリノムスメはクイーンCの勝馬。
2着馬ファインルージュはフェアリーSの勝馬。
一昨年の勝馬デアリングタクトは桜花賞馬。
2着馬のマジックキャッスルはファンタジーS、クイーンC共に2着。
2年前の勝馬クロノジェネシスは阪神JF2着、クイーンCの勝馬。
3着馬シゲルピンクルルビーは、チューリップ賞と桜花賞共に2着。
かなりマイナーなところでは、2016年の3着馬カイザーバル。
それまで使われていたレースはマイルがメイン。
秋華賞後に挙げた2つの勝ち星は共に1400㍍だった。
(結論)
◎メモリーレゾン
父オルフェーヴル、母父ノボジャック
(適合オプション)
生涯初のG1挑戦、「G2→G1」格上げ、「広いコース→内回り」コース変わり、多頭数内枠。
(解説)
前走は軽い凡走により、レース後のダメージが少ない状態。
今回の理想は僅かな馬体増での出走だが、僅かな馬体減が一番自然な馬体変化でこれも許容範囲。
全身全霊の込もったエネルギッシュな走りがこの馬のウリなので、大幅馬体減では厳しい。
逆に中2週での大幅馬体増は疲労が出て馬体を緩めた証拠。
トライアルの結果から心配はしていないが、もし大幅な馬体変化があるようなら、その時は切りたい。
闘志のコントロールが必要な馬で道中ペースが緩むようだと厳しが、今回は内回りのG1でペースが緩みにくいレース環境。
性格とレース環境が噛み合うタイミング。
且つ生涯初のチャンピオン戦で、フレッシュさを感じながらレースに挑めるタイミングでもある。
他の有力馬のほとんどは春以前からの勢力で、牝馬クラッシック路線におけるマンネリ化が進んでいる状態。
精神的アドバンテージは圧倒的にこの馬にある。
激走要因多く、ローズS時の評価を覆す事なくこの馬を再び推してみたい。
このレースと相性の良いヴァイスリージェント系の血を母父に有しており、1200、1600㍍のレースを「差し競馬」で制している。
血統面とスピード能力面が伴った関係にあり、適性としては申し分ない。
特にこの馬を評価したいのは2勝目を上げた1600㍍の平場戦。
8kgの大幅馬体減ながら「スロー差し→平均ペース先行」という逆位置取りショックを敢行。
大きな体力負担に堪えながら、見事にサイードを捕らえ切った。
基本的に馬体減での逆ショックは、大々的な体力的不利を抱える為、能力的に2枚も3枚も抜けていなければ勝ち負けにならない。
その事を証明するように、次走の北海ハンデは当然のように勝った。
3ヶ月の休み明けにも関わらず、ローズSは2kg減。
馬体を減らしながら2連勝し、消耗した体力ストックが戻り切っていない状態ながら前目の位置取りの競馬で体力切れ。
今回は、後ろからしっかり差す競馬ならば、良い体力補完となる。
○ライラック
父オルフェーヴル、母父キングカメハメハ
(適合オプション)
「G3→G1」格上げ。
(解説)
こちらも軽い凡走後で、レース後のダメージが少ない状態。
プラスマイナスに関わらず、僅かな馬体変化なら許容範囲。
前走は、いかにも本番を想定した内容の差し競馬。
力でポジションを押し上げて勝ちに行く競馬が向くレースだっただけに、この凡走は至極当然の結果。
前回同様の競馬をすれば、レースのタフさ増して脱落馬が増える分必ず浮上出来る。
今回、ワイド軸として一番信頼出来そうなのがこの馬。
フェアリーSを制しているように、勝ち負けになるだけのスピードは十分に有している。
▲スターズオンアース
父ドゥラメンテ、母父スマートストライク
(適合オプション)
休み明け。
(解説)
故障明け。
調整期間がたっぷりあったとするならば、当然プラス体重での出走となる。
474kg前後の馬体が理想。
逆にオークス時よりも馬体が減っているようであれば、調整期間が足りず筋力が戻り切っていないと判断したい。
プラス体重であっても、「馬体の見た目」には注意。
太め感があれば、馬体重が増えても身になっていない可能性が高い。
桜花賞のパフォーマンスは至極当然な結果も、オークスの内容は常識を超えたパフォーマンス。
位置取りショック後の反動と距離延長が相重なって、本来は凡走必至のステップだった。
威勢の良い上がり馬や、夏を順調に過し成長を促した馬も多いので比較は難しいところだが、桜花賞、オークスで見せたパフォーマンスが嘘でなければ、普通にトリプルティアラ制覇しておかしくない。
不安点は能力面ではなく、「休み明け」という部分だ。
この馬はデビューから、はっきりとした休養を与えられる事なく競馬を使い続けて来た。
しかも、「条件戦→G3→G1」と使われていくうちにレースもハードになっている。
春シーズンだけで重賞4戦と、かなり厳しい使われ方をしている。
使い詰めの挙げ句、桜花賞は4kg、オークスでは6kg減。
かなり、体力ストックが削がれていた状態だった。
そんな状態で、最高のパフォーマンスを示したのである。
この馬のパフォーマンスは、体力とは全くの無関係である事がこういう事実から理解出来る。
この馬の場合、「レース終盤の凌ぎ合いをいかに制するか?」という次元の競馬をしてくる。
体力面よりも精神的に「臨戦モード」に入っているかどうか?が重要になってくる。
そういった理由から、若干評価を下げてみた。
△ナミュール
父ハービンジャー、母父ダイワメジャー
(適合オプション)
休み明け。
(解説)
馬体が小さい上に器以上のパフォーマンスを見せようとする為、レースによる消耗が激しいタイプ。
そんな事から、休み明けぶっつけ本番は理想とも言える使い方だろう、陣営の策に好感が持てる。
体力があるタイプでは無いので、道中控えて差す競馬が理想。
馬体は増えていて欲しい。
チューリップ賞の勝馬も、桜花賞のコケ方やオークスの巻き返し方を見ると、道中しっかり息の入る流れの方が向きそうな感も。
△スタニングローズ
父キングカメハメハ、母父クロフネ
(適合オプション)
「先行→差し」位置取りショックは必須条件、「G3→G1」格上げ、多頭数。
(解説)
前走は力ずくで勝ちに行く競馬による勝利で、今回は体力ストックが落ちた状態。
おそらく普通に仕上げればマイナス体重での出走になるので、プラス体重ならば疲労等で中間馬体を緩めたと考えたい。
10kgまでの馬体減りは当然の流れなので深刻には考えなくても良いが、馬体の増減問わずレース中の位置取りには注文がつく。
筋力が落ちている分先行策では、体力切れを起こす公算か高い。
今回は「差し競馬」必須条件だ。
キングカメハメハ✕クロフネで血統の上辺だけを見ればスピード色だが、オークス時の予想時でも述べたように、この馬は「薔薇一族」の影響を強く受けており、基本的には体力豊富な中長距離タイプ。
マイルで2勝しているものの、いずれも少頭数で行われた下級条件で先行してのもので、キレやスピードを生かしたのではなく純粋な「力比べ」を制したという内容。
1400㍍の中頭数で行われた新馬戦での敗戦、マイル重賞3度使われて1度も連対を果たす事が出来ていない。
そんなところからも母母色の強さが見て取れる。
スピード面は微妙も力量はあるので、終いに自力でどれだけポジションを上げて来れるか?という競馬になりそう。
一歩足りない競馬になりそうな気配。
△ストーリア
父リオンディーズ、母父ジャングルポケット
(解説)
この馬もメモリーレゾン同様、大幅馬体減での先行策で未勝利戦を飾っている。
筋力減による体力負荷増大に加え、「7→18頭」という頭数アップとなるステップで、後方から掛かるプレッシャーが前走よりも増す環境。
そんな苦痛要素の多いレースで完勝しているように、この馬も未勝利戦では2枚も3枚も能力が抜けいる。
その後の2連勝は、その事の証明だ。
この馬の能力の高さは認めるのだが、問題は「適性」。
スピード色が薄い血統背景と、マイル以下の経験が無い事がネック。
おそらく、陣営も中長距離適性を意識して使っているのだろう?
スピード不足で、一歩足りない競馬になると考える。
秋華賞ではなく、他の重賞レースを使ってエリザベス女王杯を目指して欲しかった。
(切り馬)
✕アートハウス
✕サウンドビバーチェ
前走は体力充填直後、且つ体力ゴリ押しにタイプに向いたレースで両者共にベストの条件だった。
前走激走による体力ストックの低下は必至。
精神力に依存するタイプではないので、位置取りを下げたところで「馬群を捌き切れない」、「大外を回らされる」といった状況に陥りやすい。
今回は高確率で凡走するタイミングと考える。 10/14 15:17
夏影 予想歴39年 回収率% | 予想のベースになっているのは、今井雅宏氏考案の『Mの法則』。 総拍手獲得数:1260 | |
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