ヴィクトリアM2012予想
ヴィクトリアM クラシック好走歴のある馬を中心に。

軍神マルス
08期 予想歴14年

◎ホエールキャプチャ
  1着/4人気

○フミノイマージン15着/5人
▲オールザットジャズ16着/2人
△アパパネ5着/1人


★傾向分析★
2006年 タイム 1'34"0 (稍重) 1FAve=11.75 3FAve=35.25
テン35.4-中盤24.3(3F換算36.45)-上がり34.3 『加速・中弛み』
1着ダンスインザムード・・・サンデーサイレンス×Nijinsky=サンデーサイレンス×ニジンスキー 〔7〕 5-6
2着エアメサイア・・・サンデーサイレンス×ノーザンテースト=サンデーサイレンス×ノーザンテースト 〔4-r〕 11-12 
3着ディアデラノビア・・・サンデーサイレンス×Potrillazo=サンデーサイレンス×ナスルーラ 〔2-u〕 10-9

2007年 タイム 1'32"5 (良) 1FAve=11.56 3FAve=34.69
テン34.8-中盤23.4(3F換算35.10)-上がり34.3 『加速』
1着コイウタ・・・フジキセキ×ドクターデヴィアス=サンデーサイレンス×ヘロド 〔4-r〕 6-6
2着アサヒライジング・・・ロイヤルタッチ×ミナガワマンナ=サンデーサイレンス×ヒンドスタン 〔1-p〕 1-1
3着デアリングハート・・・サンデーサイレンス×Danzig=サンデーサイレンス×ダンチヒ 〔1-l〕 6-6

2008年 タイム 1'33"7 (良) 1FAve=11.71 3FAve=35.14
テン35.7-中盤24.3(3F換算36.45)-上がり33.7 『加速・中弛み』
1着エイジアンウインズ・・・フジキセキ×ディンヒル=サンデーサイレンス×ダンチヒ 〔5-h〕 6-7
2着ウオッカ・・・タニノギムレット×ルション=ロベルト×ネヴァーベンド 〔3-l〕 10-9
3着ブルーメンブラッド・・・アドマイヤベガ×Topsider=サンデーサイレンス×ノーザンダンサー 〔4-m〕 7-4

2009年 タイム 1'32"4 (良) 1FAve=11.55 3FAve=34.65
テン34.7-中盤23.9(3F換算35.85)-上がり33.8 『加速・中弛み』
1着ウオッカ・・・タニノギムレット×ルション=ロベルト×ネヴァーベンド 〔3-l〕 5-4
2着ブラボーデイジー・・・クロフネ×サンデーサイレンス=ヴァイスリージェント×サンデーサイレンス 〔1-n〕 4-4
3着ショウナンラノビア・・・フレンチデピュティ×ヘクタープロテクター=ヴァイスリージェント×ミスプロ 〔7-c〕 1-1

2010年 タイム 1'32"4 (良) 1FAve=11.55 3FAve=34.65
テン33.8-中盤23.7(3F換算35.55)-上がり34.9 『前傾・中弛み』
1着ブエナビスタ・・・スペシャルウィーク×Caerleon=サンデーサイレンス×ニジンスキー 〔16-c〕 13-12
2着ヒカルアマランサス・・・アグネスタキオン×A.P. Indy=サンデーサイレンス×ボールドルーラー 〔16-d〕 4-4
3着ニシノブルームーン・・・タニノギムレット×Alzao=ロベルト×リファール 〔14-c〕 12-13

2011年 タイム 1'31"9 (良) 1FAve=11.49 3FAve=34.46
テン33.5-中盤22.4(3F換算33.60)-上がり36.0 『前傾・ハイレベル』
1着アパパネ・・・キングカメハメハ×Salt Lake=ミスプロ×ヴァイスリージェント 〔9-f〕 9-11
2着ブエナビスタ・・・スペシャルウィーク×Caerleon=サンデーサイレンス×ニジンスキー 〔16-b〕 13-13
3着レディアルバローザ・・キングカメハメハ×Tejano Run=ミスプロ×グレイソヴリン 〔12-d〕 3-3

 流れは、テン-上がりのラップ差から『加速』の流れが多く、また牝馬限定戦のせいか中盤も弛みやすく『中弛み』の複合ラップになりやすい。そのため瞬発力の上がり勝負になりやすい傾向。前にて展開して、速い上がりでまとめられるタイプが向いていると思います。

 血統の傾向は、とにかくサンデーサイレンス系。フジキセキが07年・08年と連覇。桜花賞・オークス・秋華賞と牝馬クラシックでの好走馬が強く、特に4歳馬が良く好走しています。桜花賞好走馬は先行してスピードの持続性能で押し切れるタイプ、オークスや秋華賞好走馬は後方から鬼脚を繰り出すタイプが好走。

 ちなみにヴィクトリアMで好走した牝馬クラシック好走馬は、06年1着ダンスインザムード(=04年桜花賞1着)、06年2着エアメサイア(=05年オークス2着・秋華賞1着)、06年3着ディアデラノビア(=05年オークス3着)、07年1着コイウタ(=06年桜花賞3着)、07年2着アサヒライジング(=06年オークス3着・秋華賞2着)、07年3着デアリングハート(=05年桜花賞3着)、08年2着・09年1着ウオッカ(=07年桜花賞2着・秋華賞3着)と10年1着・11年2着ブエナビスタ(=09年桜花賞1着・オークス1着・秋華賞3着)、11年1着アパパネ(=10年桜花賞1着・オークス1着・秋華賞1着で10年牝馬3冠)と毎年好走馬が非常に多し。牝馬クラシック好走馬が好走しやすいレースと考えます。

★予想★
ヴィクトリアマイルのポイントは、
①『加速』『中弛み』の複合ラップになりやすく、瞬発力勝負になりやすい。
②内枠の先行馬。特に4コーナー5番手前後が好走ポジション。
③瞬発力勝負のためサンデーサイレンス系有利。ただしスタミナ型サンデーサイレンス系のダンスインザダークなどは差し届かずになりやすいので、サンデーサイレンス系の瞬発力を活かしやすいスピード型のサンデーサイレンス系のアグネスタキオンやフジキセキなどに向く。母父サンデーサイレンスも合う。
 
 ヴィクトリアMは牝馬クラシックの好走歴が重要なポイントで、好走歴がある馬を中心に据えるのが的中の鍵になると考える。今回の出走馬の中では、その好走歴のある馬は、アニメイトバイオ(=10年秋華賞2着)、アパパネ(=10年牝馬3冠:桜花賞1着・オークス1着・秋華賞1着)、アプリコットフィズ(=10年秋華賞3着)、エーシンリターンズ(=10年桜花賞3着)、キョウワジャンヌ(=11年秋華賞2着)、ホエールキャプチャ(=11年桜花賞2着・オークス3着・秋華賞3着)、マルセリーナ(=11年桜花賞1着)。
 その中でもヴィクトリアMで好走が多いのは、前年のクラシック好走歴のある馬がより好走しやすい傾向のようで、4歳馬のクラシック好走歴のある馬を中心に据えたいと思います。

◎ホエールキャプチャ・・・クロフネ×サンデーサイレンス=ヴァイスリージェント×サンデーサイレンス 〔12〕
前走中山牝馬S5着(=中山芝1800m:0.4秒差)。11年桜花賞2着(=阪神芝1600m:0.1秒差)→優駿牝馬3着(=東京芝2400m:0.0秒差)→秋華賞3着(=京都芝2000m:0.4秒差)と牝馬クラシックGⅠでは惜しくも戴冠できなかった馬だが、ヴィクトリアMではこの牝馬クラシック好走歴が重要なポイント。瞬発力勝負も得意で、毎回上がりは鋭くしっかりと伸びる馬だが、前走は重馬場の影響と休み明けということもあってか末脚不発。また11年春シーズンに後は方からぶち抜くような競馬が多かったのに対し、11年秋シーズン以降は先行し早めに仕掛けるような競馬が出来るようになり、この脚質転換は成長の証と考えて本格化と考える。東京芝コースは(1-0-1-0)、芝1600m戦は(2-2-0-0)と好走が多く、桜花賞以来の芝1600m戦となるが、逆にマイルの流れが復活のポイントになるのではと考えて期待して評価する。
 クロフネ産駒はヴァイスリージェント系で、鮮度と勢いが好走に非常に重要なポイントとなる。芝もダートも走れる兼用型だが、同系のフレンチデピュティと比べるとややパワー型で、持久力も豊富。勢いがある時には連勝も多く、上昇馬はクラスの壁を突き抜けて短期間にまとめて稼ぐ特性を持つ。またヴァイスリージェント系にはセカンドステージが存在し、特に牝馬でその傾向が顕著。そのセカンドステージ突入の牝馬は、牡馬混合戦でも互角以上に戦うことのできる能力を有している(=サンアディユ、スリープレスナイト、メイショウベルーガ、カレンチャンなど)。本馬は近走やや勢い不足の感はあるが、今回は久しぶりのマイル戦ということもあり、これまでのマイル戦の戦績からいきなりスイッチが入り好走する可能性は十分あると考えて、このセカンドステージ突入の可能性に賭けて期待したいと考える。母父サンデーサイレンスは、勢いに乗じて連続好走しやすい特性を持ち、鮮度の高い時によく好走する。重賞挑戦など格上相手にもよく好走し、重賞初挑戦などは特にプラス要因となる。
 No.〔12〕の牝系は、早い時期から走る馬もいるが、3歳秋から古馬にかけて本格化する馬が多い牝系。また高齢でも衰えが少なくタフな馬が多い。分枝記号なしは、やや晩成気味ながらも、平均的に能力を発揮するタイプと考える。

○フミノイマージン・・・マンハッタンカフェ×Dixieland Band=サンデーサイレンス×ノーザンダンサー 〔7〕
 前走阪神牝馬S3着(=阪神芝1400m:0.1秒差)。東京芝コースは(0-0-1-3)、芝1600m戦は(1-0-0-2)。11年は牝馬重賞を連続好走し、GⅠのエリザベス女王杯8着(=京都芝2200m:0.9秒差)だが、それ以後愛知杯1着(=小倉芝2000m)→牡馬相手の東京新聞杯4着(東京芝1600m:0.4秒差)→阪神牝馬S3着とまだ見限れない能力を有している。上がり特化のレースにも強く、末脚勝負なら浮上してくる馬と考えて好走に期待して評価する。
 マンハッタンカフェ産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、ステイヤータイプだが素軽い先行力を持ち、難儀な不発が少ない堅実さが特徴で前半に脚を溜めれば鋭い瞬発力も使える。また道悪の成績が良く、パンパンの良馬場よりも多少時計の掛かる馬場向き。丈夫さが取り柄で、詰まったローテーションや高齢馬が穴をあける。母父Dixieland Bandはノーザンダンサー系で、スタミナはもとよりパワーもあり、力の要る馬場を先行させると強い。差す展開では取りこぼしは多々あるが、ローカル中距離よりも中央の中距離に向くタイプ。2歳よりも3歳、3歳よりも古馬と成長力はある。
 No.〔7〕の牝系は、牡馬と互角に戦う牝馬が多く、京都コースや阪神コースでの好走が多い牝系。また距離変更ショックや位置取りショックなどのショックが良く効く特性があり、間隔を詰めた時にも良く好走する。分枝記号なしは、産駒ごとに得手不得手ははっきりしているものの、平均的に能力を発揮し、やや晩成傾向。

▲オールザットジャズ・・・タニノギムレット×サンデーサイレンス=ロベルト×サンデーサイレンス 〔1-s〕
 前走福島牝馬S1着(=福島芝1800m)。東京芝コースは初で、芝1600m戦は(0-0-0-2)。新潟芝コースや京都芝コースでの広いコースでの好走が多い馬だが、近2走は中山牝馬S2着(=中山芝1800m)→福島牝馬S1着(=福島芝1800m)と牝馬重賞連続好走中。小回りコースを好走できる充実ぶりから本格化と考えて、今回東京芝コース変わりはプラス要因と考えて期待する。また芝1600m戦での好走がない馬だが、この本格化モードなら好走可能と考えて期待して評価する。
 タニノギムレット産駒はロベルト系だが、父母父グレイソヴリン系の影響なのか直線の長いコースとの相性が良い。またロベルト系なので叩き良化型のタイプでもある。長い直線、急坂のないコースで、後方から33秒~34秒台のカミソリの切れ味で差してくる。自分から動くと末脚をなくしてしまうので、展開が向かなければ不発の危険はあるが、嵌った時の能力の高さには期待。母父サンデーサイレンスは、前走の勢いをそのまま活かして好走することの多い特性がある。瞬発力を武器に上がり特化のレースで強く、勢いのあるときには重賞挑戦はプラス要因。現在の重賞連続好走中の勢いに期待して、母父の特性を活かせると考える。
 No.〔1〕の牝系で、クラシックで好走が多く3歳春にはある程度完成する、完成度が高く仕上がりの早い牝系。3歳秋以降は緩やかに成長する。分枝記号sは、立ち回りが上手く、スローの上がり勝負で強い。上級クラスでは展開利が必要。

△アパパネ・・・キングカメハメハ×Salt Lake=ミスプロ×ヴァイスリージェント 〔9-f〕
 前走阪神牝馬S7着(=阪神芝1400m:0.4秒差)。本馬は休み明けで能力全開のタイプではなく(=それでも2着好走などはあるが)、叩き2戦目は5戦(4-0-1-0)と好走が多い馬であり、今回叩き2戦目での好走に期待する。しかし能力的には年齢を重ねての衰えがみられるため、評価を落として連下候補と考える。東京芝コースは(4-0-0-2)、芝1600m戦は(5-1-0-2)と好走が多く、11年ヴィクトリアM1着馬でもある。
 キングカメハメハ産駒はミスプロ系だが、凱旋門賞での好走も多いキングマンボ系で欧州型の要素を兼ね備えている。格の高いレースでの究極のスピード競馬になると本領を発揮し、厳しい展開ほど持ち前の底力を活かす。ダンシングブレーヴ系に近い特性を有していると考える。本格化前は詰め甘な点があることには注意が必要だが、ダービーの時期からは実が入り、成長力も豊富。母父Salt Lakeはヴァイスリージェント系で仕上がりが早く、2~3歳の時期なら重賞でも勝負になる。ヴァイスリージェント系は距離に融通性があり、本馬は中距離までは対応可能と思われる。母父ヴァイスリージェント系からも勢いのあるうちは怖い存在。以前は大敗を繰り返す馬ではなかったが、近走の成績からは衰えがみられ、その分を割り引いて評価する。
 No.〔9〕の牝系は、早い時期から好走できるが本格化前までは詰め甘なところがある牝系だが、3歳秋~古馬になり本格化する。小回りコース鬼門だが、広いコースは好走が多い。分枝記号fは、休養明けは苦にしない反面叩いて一変が少ないタイプ。


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ヴィクトリアM2012回顧
ヴィクトリアM 安田記念に向けて①

軍神マルス
08期 予想歴14年

次走狙い:ホエールキャプチャ
次走狙い:ドナウブルー


2012年 タイム 1’32”4 (良) 1FAve=11.55 3FAve=34.65

ラップ
①12.2-②10.9-③11.3-④12.0-⑤11.8-⑥11.5-⑦11.2-⑧11.5
1FAveとの誤差
①+0.6 ②-0.7 ③-0.3 ④+0.4 ⑤+0.2 ⑥-0.1 ⑦-0.4 ⑧-0.1
テン34.4-中盤23.8(3F換算35.70)-上がり34.2 『一貫・中弛み』

『一貫』・・・逃げ△ 先行○ 差し◎ 追込△
『中弛み』・・・逃げ◎ 先行△ 差し× 追込○

1着ホエールキャプチャ・・・クロフネ×サンデーサイレンス=ヴァイスリージェント×サンデーサイレンス 〔12〕 3-3
2着ドナウブルー・・・ディープインパクト×Bertolini=サンデーサイレンス×ダンチヒ 〔16-f〕 2-2
3着マルセリーナ・・・ディープインパクト×Marju=サンデーサイレンス×ノーザンダンサー 〔9-f〕 13-13
4着キョウワジャンヌ・・・ハーツクライ×Seeking the Gold=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔17-b〕 5-5
5着アパパネ・・・キングカメハメハ×Salt Lake=ミスプロ×ヴァイスリージェント 〔9-f〕 8-9

流れは、テン-上がりのラップ差が平均ラップとほとんど差がなく『一貫』と中盤の弛みから『中弛み』の複合ラップ。例年『中弛み』の流れにはなりやすい傾向だが、近2年(=10年・11年)は『前傾』、今年が『一貫』とややテンが速い流れになりやすくなる傾向にあるようで、また1週前のNHKマイルCなども『前傾』や『一貫』といった流れになることが多いので、本質的にはヴィクトリアMも東京芝1600mのテンの速い流れになりやすいと考えるべきと思います。その上で、中盤脚を溜めて上位の末脚を繰り出すタイプが好走しやすいと考えます。展開的には、逃げが最も恵まれ、先行・差し・追込はほぼ有利・不利はないと考えます。そのためより前にて展開した馬が好走しやすい流れだったと考える。

1着ホエールキャプチャは、前走中山牝馬S5着(=中山芝1800m:0.4秒差)からの好走。11年桜花賞2着(=阪神芝1600m:0.1秒差)→優駿牝馬3着(=東京芝2400m:0.0秒差)→秋華賞3着(=京都芝2000m:0.4秒差)と牝馬クラシックGⅠでは惜しくも戴冠できなかった馬だが、ヴィクトリアMではこの牝馬クラシック好走歴が重要なポイント。例年クラシック好走歴のある馬が好走することが多いレースではあるのだが、特に前年の牝馬クラシックで2つ以上で好走しているようなタイプは軸として信頼性が高いと考える。春シーズンに行われる桜花賞はスピード、オークスはスタミナ、秋シーズンの秋華賞ではスピードとスタミナのバランスと成長能力が問われると思われるが、その問われる適性が異なる中で好走している馬は、やはり能力が高いと考えて評価すべきと考える。またその中で、マイル成績の高い馬はなお信頼性が上がると考えるべし。また桜花賞以後オークス→秋華賞とマイル路線から中長距離に距離が変わり、久しぶりにマイルのスピードが問われる流れで、距離変更ショックが効きやすいのではないか?と考える。東京芝コースは(1-0-1-0)、芝1600m戦は(2-2-0-0)と好走が多い馬でした。次走安田記念に向かうようなら、復活した勢いでの好走が可能と考えて期待したいと思います。
 クロフネ産駒はヴァイスリージェント系で、鮮度と勢いが好走に非常に重要なポイントとなる。芝もダートも走れる兼用型だが、同系のフレンチデピュティと比べるとややパワー型で、持久力も豊富。勢いがある時には連勝も多く、上昇馬はクラスの壁を突き抜けて短期間にまとめて稼ぐ特性を持つ。またヴァイスリージェント系にはセカンドステージが存在し、特に牝馬でその傾向が顕著。そのセカンドステージ突入の牝馬は、牡馬混合戦でも互角以上に戦うことのできる能力を有している(=サンアディユ、スリープレスナイト、メイショウベルーガ、カレンチャンなど)。本馬は近走やや勢い不足の感はあるが、今回は久しぶりのマイル戦ということもあり、これまでのマイル戦の戦績からいきなりスイッチが入り好走する可能性は十分あると考えて、このセカンドステージ突入の可能性に賭けて期待したが、結果1着好走。セカンドステージのスイッチが入ったと期待したい。母父サンデーサイレンスは、勢いに乗じて連続好走しやすい特性を持ち、鮮度の高い時によく好走する。重賞挑戦など格上相手にもよく好走し、重賞初挑戦などは特にプラス要因となる。この母父の特性からも次走の好走に期待する。
 No.〔12〕の牝系は、早い時期から走る馬もいるが、3歳秋から古馬にかけて本格化する馬が多い牝系。また高齢でも衰えが少なくタフな馬が多い。分枝記号なしは、やや晩成気味ながらも、平均的に能力を発揮するタイプと考える。

2着ドナウブルーは、前走中山牝馬S11着(=中山芝1800m:1.1秒差)からの好走。11年牝馬クラシックGⅠは不出走で、東京芝コースは初、芝1600m戦は(3-0-0-2)でした。前走は休み明け・重馬場・馬体重-16kg減と様々な要因があり凡走したが、前々走京都牝馬S1着(=京都芝1600m)好走しているように力はある馬でした。4コーナーで早めに動いて後続を封じ込めるような競馬が得意な馬で、今回はその得意な競馬にて好走。後手に回るよりも積極的に仕掛けて好走するタイプと考える。展開的には恵まれているが、好走したことは評価したく、次走にも期待する。
 ディープインパクト産駒はサンデーサイレンス系で、広いコースで加速をつけながら全開になる末脚が武器で、スローで脚を溜めてキレキレの瞬発力を繰り出す。一瞬でトップスピードに乗れるタイプと点火に時間がかかるタイプがいて、前者は馬体重が軽い馬、後者は馬体重の重い馬が多い。道中が速いペースだと脚をなし崩しに使わされて末脚が鈍るので、距離短縮の速い流れの時には過信禁物。逆に距離延長で緩い流れとなるときには狙い目。スローでしか好走歴のない馬の距離短縮時は、疑って掛かる方が良い。母父Bertoliniはダンチヒ系で、仕上がりの早い短距離・マイラー血統だが、底力に欠ける。2歳の新馬から走り、3歳前半までは芝の重賞でも無視できないが、あくまでも穴狙いが正解。
 No.〔16〕の牝系は、早い時期から走るのだが3歳春以降に成長を始め、距離が延びて本領発揮が多いステイヤー特性を持つ牝系。叩き良化型も多い。分枝記号fは、休養明けは苦にしない反面、叩いて一変が少ないタイプ。前走好走だと調子は維持と考えて好走が期待できる。また不器用だが、決め手鋭く瞬発力勝負に強い特性がある。叩き良化のステイヤー特性のある牝系なので、今回は叩き2戦目。次走はさらに上向きの調子となると思うので、次走にも期待します。

3着マルセリーナは、前走阪神牝馬S2着(=阪神芝1400m:0.0秒差)からの好走。11年桜花賞1着馬で、牝馬クラシック好走歴のあった馬。東京芝コースは(0-0-0-1)、芝1600m戦は(3-0-1-1)でした。オークスや秋華賞と中長距離路線では成績が下降したが、短距離~マイル路線へと変更してから、牡馬相手にも僅差の好走をし、復活の兆しの見えた馬。今回は上位2頭よりも後方から最速上がり33秒5を使い好走。今後もマイルまでなら期待できる馬と考えて、次走にも期待するが、中距離に出走なら過信は禁物と考える。
 ディープインパクト産駒はサンデーサイレンス系で、広いコースで加速をつけながら全開になる末脚が武器で、スローで脚を溜めてキレキレの瞬発力を繰り出す。一瞬でトップスピードに乗れるタイプと点火に時間がかかるタイプがいて、前者は馬体重が軽い馬、後者は馬体重の重い馬が多い。道中が速いペースだと脚をなし崩しに使わされて末脚が鈍るので、距離短縮の速い流れの時には過信禁物。逆に距離延長で緩い流れとなるときには狙い目。スローでしか好走歴のない馬の距離短縮時は、疑って掛かる方が良い。母父Marjuはノーザンダンサー系で、距離は1600m~2400mまで幅広くこなし、また活躍馬は2歳から古馬までと年齢層も厚い。特に高齢馬をなめてかかると痛い目に合う(=セニョールグループの特性で、地味にしっかりと力をつけて高齢でも衰えが少ない)。海外ではGⅠ馬も多数輩出しているが、前哨戦やトライアル的なレースに向いた血統でもある。スピードの持続力があり、時計勝負も得意。
 No.〔9〕の牝系は、早い時期から好走できるが本格化前までは詰め甘なところがある牝系。小回りコースは鬼門だが、広いコースは好走が多い。人気よりもやや人気が落ちて伏兵の立場のときの方が好走しやすい特性もある。分枝記号fは、休養明けは苦にしない反面、叩いて一変が少ないタイプ。前走好走だと調子は維持と考えて好走が期待できる。また不器用だが、決め手鋭く瞬発力勝負に強い特性がある。

4着キョウワジャンヌは、前走阪神牝馬S12着(=阪神芝1400m:0.7秒差)からの好走。11年秋華賞2着馬で、牝馬クラシック好走歴のあった馬。東京芝コースは初で、芝1600m戦は(1-0-0-2)でした。距離適性や前走成績などからは狙いにくい馬なのですが、1着馬ホエールキャプチャとは相性が良く、ローズS3着(=阪神芝1800m)や秋華賞2着(=京都芝2000m)と好走が似る相性の良い馬のようで、今回も僅差の4着。今後もセットで狙うのは有りと考えます。
 ハーツクライ産駒はサンデーサイレンス系で、ハーツクライ自身はサンデーサイレンス×トニービン配合。母父トニービンの不器用さをやや受け継ぐタイプが多く、一瞬でエンジンのかかる器用なタイプよりは、助走をつけて末脚が全開になり長く良い脚を繰り出すタイプが本質。ペースが締まるGⅠほど、大駆けが期待できる。また距離が延びて成績が良くなる馬も多く、本質は中距離~クラシックが能力を活かしやすい。母父Seeking the Goldはミスプロ系で、仕上がりの早さと軽快なスピードを持つ短距離・マイル血統。時計勝負に強く、芝の良馬場や湿ったダートを得意とする。人気での信頼性が高い反面、大敗からの巻き返しは少ない。母父としてもスピードを主張する。
 No.〔17〕の牝系は、好調期に連続好走しやすい特性を秘めた短距離~マイル向きの牝系。分枝記号bは、鮮度と勢いが好走に重要なポイント。重賞初挑戦など鮮度の高い時は好走率高し。決め手には欠けるが自在性があり、格上げ戦に強い。

5着アパパネは、前走阪神牝馬S7着(=阪神芝1400m:0.4秒差)からの好走。本馬は休み明けで能力全開のタイプではなく(=それでも2着好走などはあるが)、叩き2戦目は5戦(4-0-1-0)と好走が多い馬でしたが、今回は叩き2戦目でも5着。能力的には年齢を重ねての衰えがやはりみられると思われる。東京芝コースは(4-0-0-2)、芝1600m戦は(5-1-0-2)と好走が多い馬で、11年ヴィクトリアM1着馬でもありました。ウオッカ(=08年2着→09年1着)やブエナビスタ(=10年1着→11年2着)のように牡馬相手にも好走できる馬なら2年連続して好走も可能だが、基本は古馬GⅠでは翌年も好走するのはやはり難しいと思われ、「老馬の法則」は活きると考える。
 キングカメハメハ産駒はミスプロ系だが、凱旋門賞での好走も多いキングマンボ系で欧州型の要素を兼ね備えている。格の高いレースでの究極のスピード競馬になると本領を発揮し、厳しい展開ほど持ち前の底力を活かす。ダンシングブレーヴ系に近い特性を有していると考える。本格化前は詰め甘な点があることには注意が必要だが、ダービーの時期からは実が入り、成長力も豊富。母父Salt Lakeはヴァイスリージェント系で仕上がりが早く、2~3歳の時期なら重賞でも勝負になる。ヴァイスリージェント系は距離に融通性があり、本馬は中距離までは対応可能と思われる。母父ヴァイスリージェント系からも勢いのあるうちは怖い存在。以前は大敗を繰り返す馬ではなかったが、近走の成績からは衰えがみられ、その分を割り引いて評価する。
 No.〔9〕の牝系は、早い時期から好走できるが本格化前までは詰め甘なところがある牝系だが、3歳秋~古馬になり本格化する。小回りコース鬼門だが、広いコースは好走が多い。分枝記号fは、休養明けは苦にしない反面叩いて一変が少ないタイプ。

また今回のヴィクトリアMにて感じたことは、上位の好走血統はサンデーサイレンス系×大系統ノーザンダンサー系配合。この配合馬は毎年必ずと言ってよいほど好走している事実もあり、今後も要注意の傾向と考える。
また今年は、2・3着馬はディープインパクト産駒。またマイルGⅠでの好走で(=10年朝日杯FS、11年・12年桜花賞、11年NHKマイルC、11年安田記念など)、マイルGⅠでは要注意の種牡馬と考える。牡馬でも好走はあるが、基本は牝馬の方がマイルGⅠでは安定性が高く好走が多いということを頭に入れておきたい。またGⅠ好走した馬は、母がやや短距離適性の高い馬スピードタイプの馬が多く、マイルGⅠでのディープインパクト産駒では重要なポイントと考える。

ヴィクトリアMのポイントは、
①『中弛み』が基本の流れ。前にて展開して速い上りを繰り出せるタイプが狙い目。『加速』、『一貫』、『前傾』などはオプションとして考えるが、東京芝1600mは基本テンが厳しい流れになりやすい傾向にあることから、逃げ馬には厳しい流れ。
②サンデーサイレンス系が中心。サンデーサイレンス系×大系統ノーザンダンサー系の好走が多い。
③牝馬クラシック好走歴に注目。好走が多ければ多いほど信頼性は上がる(=必ずしも1着好走である必要はなく、2・3着の好走が多い馬でも能力を評価出来る)。
④「老馬の法則」は活きる。ただし牡馬相手に好走している馬なら、好走可能。


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