皐月賞2008予想
適性 × 舞台装置 × 展開 =

九平次
08期 予想歴14年

◎キャプテントゥーレ
  1着/7人気

○レッツゴーキリシマ5着/15人
×ブラックシェル


大波乱となった桜花賞。人気の上下差ほど能力差のない組合せでコース取り・位置取りが結果を左右した印象。具体的には【1】ローラー整備をしたものの土曜に使われて外有利の傾向変わらず、【2】それでも大外を回っていてはトラックバイアス(外の方が馬場が良い)以上にコースどりのロスが大きい、【3】コース中程がVロードとなり、先行馬群の後方にいたエフティMと後方馬群の先頭にいたレジネッタ・ソーマジックが馬場の中程を通って上位を占めた。「トールポピーの気配、オディールの精神状態、リトルアマポーラの出負け・位置取り」など人気馬の自滅もあったが、能力差のない組み合わせだからこそ、条件への適性と舞台装置の有利不利が結果に大きな影響を及ぼす。

さて皐月賞。まずはタイム分析に基づく指数比較。

☆指数比較
102レッツゴーキリシマ、キャプテントゥーレ、スマートファルコン
100ドリームシグナル
096マイネルチャールズ、スマイルジャック
095ブラックシェル
※「1」=0.1秒、「100」=古馬1000万クラス勝ちタイムに相当
こちらも指数90~102の間に上位17頭がひしめく大混戦。桜花賞同様、適性と舞台設定により波乱の要素十二分。

☆適性
皐月賞は牡馬クラシック開幕戦ということも相俟って平均以上のペースで流れることが多く、極端なスローペースは見込めない。よってある程度速めのラップで実績を残している馬(朝日杯・シンザン記念・若竹賞組等)を重視べきであるとともに、スローペースしか経験してきていない人気馬はむしろ危険視すべき。近年でも07フサイチホウオー、アドウマイヤオーラ、06フサイチジャンク、アドマイヤムーンが後方から連対圏まで突入するに至らなかった。今年のメンバーでもマイネルチャールズ、ブラックシェルは中距離戦を中心に使われていたこともあり、速いラップのレース経験がない。人気となる分疑ってかかりたい。

☆舞台装置
中山芝コースはこの中間コース内側に軽転圧(ローラー)を施しており理論的には内有利。現に土曜の芝4鞍の馬券対象馬12頭のうち10頭までが4角を3番手以内で通過しており(占有率83.3%)、4角先頭の馬は全て掲示板を確保していた。週末の降雨と土曜の競馬で多少の緩和こそあれ、基本的には先行・内有利と考える。

☆展開
ショウナンアルバは待機策を示唆。ならばハナはノットアローン。以下朝日杯と同様にキャプテントゥーレ・レッツゴーキリシマ、さらにはスマイルジャック、ダンツウィニングらが先行集団を形成して平均ペース。好位にショウナンアルバ、マイネルチャールズらと続く。肝はマイネルCの仕掛処だが、おそらくショウナンの仕掛けに併せてのスパート。ならば先行勢へのマークはキツくない。馬場のバイアスに乗じて先行勢の粘り込みも十分。

☆結論
以上より厳しいラップ経験と先行脚質を重視してキャプテントゥーレとレッツゴーキリシマが馬券の核として浮上。ともに朝日杯FSでの高い指数が光り、平均ペース先行からの持久力は十分。

◎キャプテントゥーレ
2歳時は瞬発力に不満の残る競馬が続いたが、スローの前走弥生賞で一応の瞬発力は披露(勝ち馬とは互角)。同レース4着は、流れが緩く瞬発力が優先される展開で他馬に遅れをとった印象→ペースUP見込める今回は持久力で巻返し可能とみる。朝日杯ではレッツゴーKにクビ差先着を許したが、当時は枠の有利不利が大きく(キリシマ=当時1枠)今回の逆転は可能。

〇レッツゴーキリシマ
近2走が案外も、これは距離適性以前に距離延長を意識しすぎて自分の形=先行策をとれなかったためと判断。陣営も今回は徹底先行を明言しており粘りこみ期待。また血統的に渋った馬場は鬼の可能性大(父メジロライアン)。

以下、有力馬では舞台設定整った☆スマイルジャックが特注、△ノットアローン、ダンツウィニングの先行勢にも注目。マイネルチャールズは厳しいラップの経験がない点が不満もG1で真価発揮のBT産駒で押さえ必要。逆にクロフネ産駒の差し馬ブラックシェルはペース経験の不足と差し脚質から危険視したい。

★追記
本日最初の芝のレースでも5番人気・6番人気の行った行った。やはり先行馬に注目。またキャプテントゥーレ・川田Jが「矯めても味はない」と逃げ宣言(ブック)。期待値はさらに高まり、自信度Bとした。

馬券は◎の単複と◎=〇の馬連ワイドを厚めに3連単(2・3着マルチ)で1着◎キャプテントゥーレ、2・3着〇レッツゴーキリシマの流し馬券と3連複◎〇から2頭軸流し。


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皐月賞2008回顧
「矯めても味はない」の真意

九平次
08期 予想歴14年

次走狙い:ショウナンアルバ
次走危険:ブラックシェル


予想通り差しの利き辛い馬場でキャプテントゥーレが逃げ切り快勝。時計的な裏づけがある馬に一番の「追い風」が吹いて、騎手の好判断も手伝えば7番人気でも「順当勝ち」は必然。

実質的なペースは予想よりも緩く2000年以降では最も遅い部類のスローペース('03年勝ち馬ネオユニヴァース/逃げ馬チキリテイオーとほぼ同等)。今年の皐月賞はハナを叩いた川田Jの積極性が評価されると同時に、スローペースの逃げ切りを許したことで2着以下の騎手の消極性が批難される向きがあるが、注目すべきはラスト4Fから3Fのラップ。ラスト5Fのラップは〔12.8-12.3-11.2-11.5-12.5〕。最も緩い6F過ぎから徐々にペースが上がり、勝負処ラスト4F~3Fでは1秒以上のペースアップ。スロー逃げ切りを阻止すべく差を詰めようと図る後続より先に、逃げるキャプテントゥーレ・川田Jがスパートをかけた格好。「矯めても味はない」とは単に先手をとることではなく、むしろこの仕掛けにこそ真意が凝縮されている感。後続が何もしなかったのではなく、後続に何もさせなかった川田Jの好判断とそれに応えたキャプテントゥーレに賛辞を送りたい。

1着キャプテントゥーレ。個人的な事情(休日出勤)でパドックは見ていないが、馬体減は陣営も示唆していたことなので意識的に絞ったものと判断。勝ちタイムは'00年エアシャカール、'06年メイショウサムソン、'07年ヴィクトリーとほぼ同等の価値で、当レースとしてはまずまず優秀。同馬の本質は瞬発力より持久力を活かすタイプで小回りコース向き。血統的に距離延長歓迎とも思えず、芝1800前後での活躍を期待。復帰後、中山記念あたりで成長した姿を見たい。

2着から6着までは0.1差に5頭がひしめく混戦。2着タケミカヅチ、3着マイネルチャールズの差は4角内・外のコースロスの分。前者は相手なりの渋太さ、後者は並んでの叩き合いがセールスポイント。しかしながら今回の混戦の2着争いはマイネルチャールズ自体世代で抜けた能力を持っているわけではないことの証明か。

4着レインボーペガサスは自身ノーマークも直線の伸びが目立った。馬場差等考慮した実質的な上がりの速さだけなら'00年以降ではエアシャカール、ネオユニヴァース、ディープインパクトを凌ぐものでフロック視禁物。ただしここまで一連の芝のレースはいずれも時計を要す馬場であったことから、パンパンの良馬場が試金石となりそう。次走良馬場で過剰人気となるようなら危険視も必要。

5着レッツゴーキリシマも積極策で善戦。2000mがダメということはないが、こちらも持久力を活かす形ベターで小回り芝マイル前後で。6着ブラックシェル、同馬が経験したことのないペースが予想されたが、近走と変わらずスロー。それでいながら同馬より後ろいたレインボーペガサスに差された点はいただけない。人気になりやすいだけに次走は危険視したい。

以下人気どころで3番人気14着ショウナンアルバ、中団待機策も3角でかかって直線見せ場なし。それでも上がりはスプリングSと同等・自己最高タイをマークしており、一連のレースぶり同様道中リズムを欠いてもイメージほど崩れていない。これまでの上がりの絶対値は決して高くはないが、いまだスムーズなレースをみせておらず想像以上の能力・瞬発力を秘める可能性もある。差し当たりHペースの展開が(折合の面からも)巻返しの可能性に最も富んでいるように思えるが長い目で見守りたい一頭。4番人気9着スマイルジャック、9着ながら内容はスプリングSと同等で、クラシック戦線で必要な上積みに乏しかった印象。

最後に、個人的な馬券は予想に書いた通りで、的中は◎の単複のみ。券種の選択は馬連万馬券より3連単50万馬券を獲りにいった結果なのでやむなし。それでもラスト100mまでは馬券的にも十分楽しめたレースだったので満足しております。


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