日経新春杯2014予想

カタストロフィ
10期 予想歴17年

◎ステラウインド
  10着/6人気

○ラブイズブーシェ8着/3人


【予想】
 逃げ馬がいないので何とも言えないのだが、このメンツなら和田のサフランディライトは積極的にハナを主張して行くかなという印象。ステラウインドは出来ればマークする立場が良いので、番手でサフランをマークできれば理想的。この2頭はある程度緩めの展開に持ち込みたい。一方でこれに競りかけて行く馬がいないので、アドマイヤフライト辺りもある程度前目での競馬になるのかなというところ。アドマイヤもスロー自体は問題ない馬。前目がこんな感じなのでスローで確定的とみているが、それだけにそれを嫌ってペースを引き上げて強引に逃げの手に出るような馬もいるかもしれない。テイエムイナズマなんかはスローは嫌いだろうし、1角までの距離も長いのでこの辺が強引にでも行けば平均ペースの可能性もできるが、いずれにせよ中盤緩むだろう。スロー想定で良いと思う。



◎ステラウインドは今回はかなり条件が揃った。一つはそこそこの高速馬場、もう一つはスローということ。この馬の持ち味は質の高いトップスピードを非常に長く使える点にある。前走も長くいい脚を使えてはいたが、中山のタフな馬場で11.8 - 12.0 - 12.1 - 12.1 - 12.0 - 12.3とかなりのロンスパ戦。平均的な脚を要求されトップスピードを引きだせなかった。ベストは4走前稲村ケ崎特別で11.9-11.5-11.2-11.2-11.5と4角から速い脚を要求される中で外目追走しそのまま最後まできっちりと突き抜けた。シャドウバンガードやケイアイチョウサンと言った強敵を問題としていない、トップスピードの質と持続力どちらも高い。京都外周りなら序盤スローになったとしてもL4の下りからの競馬にはなりやすいし、仮に仕掛けが遅れてもトップスピードの質で見劣る馬ではない。ポジション差も活かせる。かなり良い条件が揃った。ここは相手強敵でも素直に本命視したい。


〇ラブイズブーシェは単純にこの中では最上位とみている。福島記念のパフォーマンスが高いし、ハイペースから11.7 - 12.1 - 12.6 - 12.3 - 11.6 - 11.2 - 12.1と少し緩んで再加速の中弛み戦。そこで最内から押し上げつつ直線最後まで伸びてマイネルラクリマに急追。L1で伸びてきていてポテンシャル面で良い意味で未知数だったが、それを有馬記念で示した形。トップスピードも高く、長くいい脚を使えるというのは非常に魅力的。有馬のパフォーマンス、中弛みの福島記念の内容から距離もこの辺りで良さが出てきそうと良い条件が揃う。内が頑張れる馬場であり、外を回したがる武豊という点は今の馬場ではやや不安材料になるものの、スローで前目の仕掛けが遅れる可能性もあり、早い段階でトップスピードに乗せてくれれば。



【展望】
 有馬記念に武豊とのコンビで緊急参戦、大健闘の4着と力の一端を見せたラブイズブーシェがこの路線に舵を取った。これまでは2000m前後のレースを選択してきていたが、有馬記念で結果を出したことで2400mでどういうパフォーマンスを見せてくるか、楽しみな面が大きくなった。


 大健闘の4着と言われている有馬記念では後方から3~4角でも外を回しつつ押し上げて直線を向く。そこからはジリジリと最後まで良い脚を使っての4着だった。オルフェーヴルが強すぎたのは確かだが、ゴールドシップ比較で言うならばL1まで全く見劣らずに脚を使えていたという点は評価でき、ポテンシャル面で底を見せていないというのは大きな材料と言えるだろう。ただ、個人的にはこれぐらいはできると思っていたし驚いていない。その理由としては福島記念のパフォーマンスにある。超高速馬場だった秋の福島2000mでハイペースから中弛みが有っての12.1 - 12.6 - 12.3 - 11.6 - 11.2 - 12.1とトップスピードも問われる競馬。中団内目からじわっと追走しながらの競馬で、3~4角で各馬凝縮する中上手く内ポケットを進めて行くが4角出口では進路確保に苦労してワンテンポ置かれる。それでもそこからスッと反応すると最後はしっかり詰めてきてマイネルラクリマに僅差の3着。トップスピードを見せてきたと言えるし、やはりここでも最後まで落とさなかった。相手関係を考えても立派と言えるだろう。


 もう一つ下級条件だが仲春特別が印象的で、スローから12.4 - 11.8 - 11.4 - 11.2 - 11.6とペースアップの流れから4Fの競馬。ここで2列目ポケットから直線序盤でしっかりと反応して一気に突き抜けている。軽い馬場でのトップスピード持続力に秀でているローゼンケーニッヒをこの展開できっちり押し切っていて、これも評価できる材料だった。相手次第で重賞ぐらいは勝てると思わせるだけのパフォーマンスだったと言える。トップスピードの質もある程度持ちながら、長く維持できるしすっと反応できる、色々な面で良さを見せてきていて、大きな弱点はない。近走崩れているのが極悪馬場の消耗戦となった札幌記念だけ。本格化して勢いに乗っている以上、警視は禁物なのは確かだ。


 問題は京都外2400mという舞台だ。このコースでは烏丸Sで4着という結果。このレースは準OPだがレースレベル自体は高かったのは確か。前半はそこそこ早かったがすぐに緩んでスロー気味になり、そこから13.0 - 12.2 - 11.7 - 11.5 - 11.2 - 12.2とロンスパ戦。中団内で競馬をしながらという形。3角で追い出したが4角で詰め過ぎてしまいスペースなくなって一旦下がって直線最速地点に向かった。その分、少し置かれてしまったが、そこからはジリジリ前との差を詰め盛り返してきた。3角でスッと反応しすぎて前の壁とのスペースを無くしてブレーキをかけたというのは加速の流れとしてはスムーズさを欠いたし、一応L1詰めていた点はある程度は評価できる。必ずしもこれだけでコースが合わないとは言えないだろう。


 ここ数走のパフォーマンスは明らかに上げてきているし、今回京都外2400mという舞台になってもやれるだけの要素は当然見せてきていると言える。持ち味としては比較的総合力が高い馬で、ポテンシャルやトップスピード、またペースアップに対応してくるギアチェンジなど、後半の総合力は重賞を勝てるだけのものは見せていると言える。有馬記念からもポテンシャル面でこれまでにないものを見せてきた。今のラブイズブーシェならここでも勝ち負けに加わってこれると思っている。ただし、恐らくこの馬としてはコーナーでの立ち回りのうまさも魅力の一つになり、函館や阪神でも内回りで上手く立ち回ってという競馬を見せている。その点で下り坂があり、コーナーも緩いという京都の外周りという舞台が本来ベストかとなるとその可能性は低いだろうと感じる。今回はメンバーもそこまで揃っていない、有馬記念のパフォーマンスを考えれば素直に最上位だが、その分どうしても人気を占める存在となるだろう。馬場不問で底を見せていないだけに、取捨は難しくなるだろうが、見せてきたパフォーマンスを考えれば素直に最上位の一角だと認識している。出来るだけ直線まで楽に運びつつ、前との差を広げ過ぎないように進めてもらいたい。結果は別として武豊が京都外2400mで勝ちに行く競馬をしてどこまで伸びるか、純粋に興味はある。まだポテンシャルで底は見せていない。


 3連勝で愛知杯まで制し、一気に牝馬重賞路線の注目株まで駆け上がったフーラブライド。今回は2走前で勝ちあがってきた舞台でもある京都2400mの日経新春杯に参戦。混合戦だがハンデ戦でもあり、52kgと前走から2kg増でも軽量活かして旋風を巻き起こす。


 なかなか掴みどころがないまま3連勝を達成されてしまったというのが率直な感想。それだけにしっかりと分析をしておきたい。まず愛知杯は超スローからの12.4 - 12.4 - 12.3 - 11.4 - 11.6と実質2F戦。コーナーに下り坂が有っての直線序盤の上り坂というコースで、このラップ推移をみる限りでは直線序盤に急加速しているので下りおえてからのギアチェンジ戦になっている。ここで中団やや前ぐらいから3~4角でじわっと仕掛けつつ中団のまま直線を向く。序盤の上り坂でシッカリ反応しグンと伸びてきて並びかける。そのままL1でも突き抜けてキャトルフィーユを問題とせずの完勝。2F戦でギアチェンジが要求される競馬の中、前を向けたとはいっても早い段階でしっかりトップスピードに乗せることができていた。またL1でも他馬を寄せ付けずとトップスピード勝負で高いパフォーマンスを見せてきたと言っていいだろう。基本前残りの展開で差し切り。後続との差でもポジション差があったとはいえオールザットジャズを問題としていないパフォーマンスというのはトップスピード戦では非常に評価できる材料と言えるだろう。


 2走前の1000万下戦は今回と同じ京都外2400mの舞台。超スローから12.5 - 11.7 - 11.3 - 11.1 - 11.9とL4から11秒台でトップスピードの質を要求されつつL1も落とす流れ。ポテンシャルも問われている。この流れで2列目外で競馬を進め、3~4角でじわっと追走し直線で外に出す。直線序盤の最速地点で一気に抜け出すと、L1でサカジロオーに詰められはするも封じ切っての勝利となった。直線に入ってからのキレ味は非凡と言える。また、3走前の500万下戦では阪神外2400m戦で、これも超スローから12.8 - 12.3 - 11.6 - 11.3 - 11.4 - 12.0と後半の総合力が問われる競馬。このレースはL3最速で比較的ポテンシャルの比重が大きいレースになっている。後方から進めて3角でじわっと大外から押し上げ、4角でもその勢いで好位集団に取り付き直線。序盤から良い脚を使い、減速ラップのL1でも他馬に詰めさせず、ジェラルドはバテ差気味に伸びてきたがセーフティを楽に保っての完勝。パフォーマンス的にはこれが一番目立つが、500万下戦ではあるしレースレベルも微妙なので何とも。ただし、ペースアップの流れで他よりも速い脚を外々から使ってきているし、そのままL1まで落とさないポテンシャル面での魅力も感じ取れる。


 以上から、まずトップスピードはかなりいいものを持っている。これは牝馬路線の重賞戦線でトップスピード戦ならば楽に勝ち負けできるレベルにはあると思う。 また、ギアチェンジ面もこれまで一度も要所で置かれていないことから、確実に持っていると言える。一方で、現時点でポテンシャル面でもそれなりに良さを見せている。危うかったのは2戦目の1000万下戦だが、11.7-11.3-11.1-11.9とL4から11.7を要求され、L3でも11.3とかなり質の高いトップスピードを要求されている。その流れで外目からの競馬でとなれば、L1甘くなっても仕方ない面はあるだろう。後半の総合力が高く、かなり底知れない不気味な存在で、混合GIIでもハンデ戦でこのメンツなら、嵌れば勝ち切ってもおかしくないだけの武器は見せている。ただし、一方で京都の場合は各馬下り坂を使ってのロンスパ戦にはなりやすい。前走愛知杯は同じ下り坂コースでも上りになる直線までペースが上がらなかったことも有りギアチェンジを活かせる競馬になったが、3角下りからのロンスパとなった場合はギアチェンジ面で良さが削がれる分、武器である総合力の1つを相殺されるリスクはある。個人的には京都の外周りよりも、東京や阪神と言った所を走らせてみたい印象だが。それでも能力は底知れない。このメンツなら内内を上手く立ち回ってトップスピードを引きだすことができればチャンスは大いにあるだろう。ここでどういう競馬をしてくるか、非常に興味深い1頭だ。


その他の登録馬展望は↓


tipmonaとは?

最新記事一覧

次の予想をみる >