安田記念2019予想
アーモンドアイを負かす為には…

夏影
14期 予想歴36年

◎インディチャンプ
  1着/4人気

○アーモンドアイ3着/1人
▲フィアーノロマーノ14着/9人
△ステルヴィオ8着/5人
×ダノンプレミアム
×サクラアンプルール


アーモンドアイのスピード能力は、ロードカナロアの母父ストームキャットの影響が大きい。
高速馬場での決着でアーモンドアイに勝つ為には、ストームキャット以上にスピード色の強い血の影響が欲しいところ。

日本の競馬で究極のスピードが問われるレースと言えば、アイビスサマーダッシュだ。
このレースで最も相性の良い血はサクラバクシンオーだが、それを持つエントシャイデンは能力的に重賞レースが一つの壁になっているように見受けられる。
そこで他に目立った血を探してみると、インリアリティの血を持つウォーニング産駒カルストンライトオがこのレースを2勝している。
このインリアリティの血を持つ馬に注目してみたい。

◎インディチャンプ
母母母父はインリアリティ産駒のホワットリアリティ。
母ウィルパワーおよび母母トキオリアリティーはダートの短距離で活躍した馬。
特にトキオリアリティーは2011年の勝馬リアルインパクトを輩出した実績もあり、非常にこのレースに縁のある血でもある。
本来中長距離色の強い産駒を輩出する傾向の強いステイゴールドだが、この馬に限っては母系の影響が強く、スピードの生きる競馬を得意としている。
馬ゴミに入れ易い内枠に入り、精神的なカバーがしやすい環境。
打倒アーモンドアイに期待してみたい。

2010年以降、1.32.0を切った例が5回。
この時計を切るか?切らないか?…で、血によるスピードの供給が必要か?どうか?が決まる。
ギリギリ1.32.0で決まった2015年はモーリスが勝利を収めた訳だが、モーリス自身は父スクリーンヒーロー、母父カーネギー、母母父モガミ…とどちらかと言えば、ステイヤー色の強い血統背景だが、それより速い時計で勝った馬はというと…

・2018年 1.31.3
モズアスコット
父フランケル、◎母父ヘネシー

・2017年 1.31.5
サトノアラジン
父ディープインパクト、◎母父ストームキャット

・2013年 1.31.5
ロードカナロア
父キングカメハメハ、◎母父ストームキャット

・2012年 1.31.3
ストロングリターン
父シンボリクリスエス、◎母父スマートストライク

・2010 1.31.7
ショウワモダン
◎父エアジハード、母父トニービン

…といったように、必ず「血によるスピードの補完」というものがなされている(「◎」印はスピード色の補完をする種牡馬)。

1番人気アーモンドアイは、ストームキャットの影響を色濃く伝えるロードカナロア産駒で、ロードカナロア自身このレースを高速決着で制している。
アーモンドアイは、ジャパンCを驚異的な時計で勝利した馬。
このジャパンCの後半1マイルは同じ年に行われたマイルCSよりも速い時計で、この例を制するだけのスピードはしっかり補完されているのは自明。

問題は2番人気のダノンプレミアムだ。
父ディープインパクトは気の良さを伝える種牡馬で、物理的影響が薄い。
母父はインティカブはロベルト系、母父母はスピード色が強いも代を経る毎に物理的影響力も薄まる傾向にある。
クラフティプロスペクター産駒の最たる種牡馬と言えば、日本ではアグネスデジタルだが、G1戦で大きな活躍を見せる馬は輩出していないし、他のクラフティプロスペクター直系の産駒も日本ではなかなかお目に掛かれなくなったのが実状だ。
母父デインヒルはダンチヒ系も気の良さと体力色の強い種牡馬で、ファインモーションはエリザベス女王杯を勝ち、安田記念やマイルCSで大敗。
エアエミネムは、函館記念やオールカマーの勝馬。
ツクバシンフォニーはマイルC2着馬、ブレイクタイムは安田記念2着だが20年以上前の話
、「マイルG1は2000㍍の底力が必要」なんて言われていた時代である。
そんな事からも、「血によるスピードの補完」を期待するのは厳しい。
実際のダノンプレミアムの競馬っ振りはゆったりとしたペースを先行して最後力で押しきるような競馬をする。
前走のマイラーズCは、スピード競馬と評されているようだがそうではない。
マイル戦にも関わらず前半1000 ㍍通過が1.00.3の超どスロー。
最低上がりが33.5という事で、要は超どスロー過ぎて全馬脚を余しただけの競馬。
気の良さと位置取りが問われレースで、良いポジション取りができ、末を矯める事さえ出来れば、下級条件馬でも勝てておかしくない低レベルな競馬である。
ダノンプレミアム自身、一度だけ "流れる競馬"(サウジアラビアRC)を制した経験はあるが、完成度がモノをいう2歳戦でのものだ。
そんな訳で、スピードに関する裏付けに乏しい同馬に、高速決着での激走を期待するのもどんなものかと思っている。
実際スピード色がしっかり問われた昨年のダービーでは、6着と凡走している。


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