14期 予想歴36年
◎リスグラシュー
1着/3人気
○エタリオウ9着/4人
▲レイデオロ5着/2人
△スワーヴリチャード3着/6人
2018年 ミッキーロケット⑤③②(35.8)
2.11.6(36.3) -34.4-1.37.2
2017年 サトノクラウン⑥⑥⑥(35.4)
2.11.4(35.7)-35.2-1.36.2
2016年 マリアライト⑪⑩⑥(36.3)
2.12.8(36.8)-34.7-1.38.1
2015年 ラブリーデイ②②②(34.8)
2.14.4(35.0)-36.0-1.38.4
2014年 ゴールドシップ③④④(35.2)
上記は開催年、勝馬、勝馬の位置取り(勝馬の上がり)
勝ち時計(レース上がり)スタート3ハロンの走破時計-残り1マイルの走破時計である。
暮れの有馬記念以上に、現代競馬とは真逆の物理特性を問うのが宝塚記念。
このレースの物理特性が特に顕著に反映されたのは昨年のレースで、サンデーサイレンスの血を全く保有していない馬が1~3を独占していた。
一昨年の勝馬サトノクラウンもサンデーサイレンスの血を全く保有していない。
その前の年のマリアライトはディープインパクト産駒だが、影響力の強いエルコンドルパサーからサドラーズウェルズの重苦しさを受け継いだ馬である。
2014年の勝馬ゴールドシップは、春の天皇賞を2角過ぎから仕掛けて勝ってしまうような体力お化けである。
何ゆえステイヤー色の強い馬が活躍出来るか?と言えば、おそらく例年摩擦の高い馬場で行われているところが大きいように思える。
スタート3ハロン走破後からの1マイルの時計は、およそダート並みの時計となっており、この時計で流れればいくら何でもスピード不足の馬でも流れに乗る事が出来る。
但し摩擦の高い馬場である事から、当然道中の体力消耗はかなり激しいものになる。
スローペースの直線よーいドンの競馬を得意にするような体力不足の馬にはキツい。
また体力があろうとも、横綱相撲の競馬をして無駄に体力を消耗しようものなら、ゴール前で脚が上がってしまう事もある。
良い例は2003年のレースだろう。
1番人気のシンボリクリスエスは、道中好位付けから直線先頭に出たタップダンスシチーを捕らえに行き "勝ちにいく競馬" を見せたものの、直線半ばで脚色がバタバタとなりヒシミラクル以下に差され5着に沈んだ。
G1を4勝馬するような超実力馬であってもこのような結果を迎えてしまうような事もある。
あまり大きな人気を背負うと、かえってその事がネックになるという事にも通じそうだ。
狙い目としては、スタミナ色の強いタイプで、自分の競馬に徹してくれそうな馬だろう。
今回注目しているのはリスグラシュー。
リスグラシューは母系に2本のミルリーフラインを持つ。
母父母母はシャーリーハイツ産駒、母母はミラーズメイド産駒。
ここ最近あまり見られなくなったミルリーフの血だが、意外にも宝塚記念との相性が良い。
1989年のイナリワン、1990年のオサイチジョージとミルジョージ産駒が連覇。
サンデーサイレンスが導入される前、すなわちヨーロッパ色の強い血統が日本競馬の主流だった時代だっただけに、その中でも宝塚記念に対する適性が優れていたかをうかがい知る事が出来る。
更には2003年のヒシミラクルの母はシェイディハイツ産駒だ。
2016年のマリアライト、2000年のテイエムオペラオーはサドラーズウェルズのスタミナ色を受けた馬。
リスグラシューはこのサドラーズの血をも有している。
この血統背景は、当然競走成績にもきちんと反映されている。
早い時期から、牝馬クラッシック路線で活躍していた馬だったが…
阪神JF 2着
オークス 5着
桜花賞 2着
秋華賞 2着
…と善戦だけで終わるも、牝馬路線で最もスタミナ色が問われるエリザベス女王杯ではきっちり勝ち切った。
つまりが、阪神JF~秋華賞は得意条件ではないものの、能力が高かった故に好走出来たといった内容。
そしてスタミナ色が問われれば、きっちり勝ち切る事が出来る事をエリザベス女王杯で証明してみせたのである。
スピード勝負レースでも十分適応してきたが、本質はステイヤーである事を競走成績からもうかがい知る事が出来る。
馬券の中心はこれで良しとして、問題は相手。
血統的にはタツゴウゲキやスティッフェリオに魅力を感じるが、タツゴウゲキは昨年大敗、スティッフェリオは札幌記念5着、大阪杯は7着とG1メンバーが集うレースでは跳ね返されている感が強く、力量的に足りないような感じ。
それならば、適性にやや不安があるが、力量がしっかりある馬をピックアップした方が良さそうだ。
○エタリオウ
ステイゴールド + ヘネシー ÷ 2といった感じの馬で、総合能力自体は非常に高いのだか、物理特性的にはちょっと中途半端なタイプ。
速い上がりの競馬では、決め手不足。
逆に持続力生かす競馬をさせると、真の持続性に富んだ馬に敵わないといった競馬が続いている。
更にネックになっているのは、スタートの出は悪くないのだが、スタートからの加速が弱い事。
その事が理由で、どうしても位置取りを悪くしている印象が強い。
だが、今の今までデムーロが長い脚を使わせる競馬をさせて来た事が、おそらくは今回の競馬にはプラスに働くように思える。
そして、スピードを問わない宝塚記念のレース特性が、同馬のスタートの悪さをカバーするとみる。
実際、2013年、2014年を連覇したゴールドシップや2003年のヒシミラクルはスタートの加速力に難のある馬だったが、しっかりとレースの流れに乗り勝利を収めている。
今回は天皇賞(春)のように殿追走なんて事もなく、おそらくは馬群の中で競馬をしてくれるであろう。
鞍上は馬の個性を大切にする横山典に替わった事もプラスに働きそうだし、今回妙に人気を落としている事も気楽に自分の競馬に徹しやすい環境となる。
末の持続力の中途半端さを鞍上がきちんと理解しているようであるなら、位置取りと仕掛けのバランスをレースの物理特性とマッチさせる事が可能であろう。
奇をてらった競馬や無理を強いる競馬ではなく、普通に差してくる競馬で上位食い込みを期待してみたい。
▲レイデオロ
母父シンボリクリスエスそのものの特色が強い馬で万能色が強い。
競走成績にしても、ダービー、天皇賞(秋)、有馬記念を連対している点はかなり似通っている。
ロベルトとシアトルスルーの良いとこ取りをしたタイプ。
母父シンボリクリスエスはこのレースで5着に沈んだが、4角2番手と早めに勝ちに行く競馬をしてしまったところによるところが大きい。
シンボリだけでなく、ブエナビスタですら同じような競馬でナカヤマフェスタに差されたように、このレースに限っては早仕掛けは致命的になりやすい。
有馬記念のように普通に差してくる競馬なら、勝ち負けに加われると思うが、勝ちを意識して早めに仕掛けると足元を掬わる。
その辺を鞍上が理解していれば問題はない。
シンボリクリスエスの母父はシアトルスルー系。
実は1995年はシアトルスルー系の馬の1-2フィニッシュ(ダンツシアトル-タイキブリザード)。
例年にはない高速決着なら相性抜群な血でもある。
△スワーヴリチャード
力量は認めるが、前走の海外でのレースで際どい競馬に持ち込めなかった事に、今回のレースに関していささか疑問を感じている。
前走は外国馬相手に時計の掛かる競馬で普通に差す内容の競馬だっただけに、もうちょっと際どい競馬に持ち込んで欲かった。
巷では一部昨年の大阪杯のようなレースを期待しているようだが、例年の環境であんなど派手なパフォーマンスを見せれば、直線半ばで馬群に沈む事は想像出来る。
むしろ、前走のようなレースで3着狙いといった感じの方が現実的だろう。
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