阪神JF2019予想
今年も堅め決着か?

スカイポット
14期 予想歴22年

◎クラヴァシュドール
  3着/3人気

○リアアメリア6着/1人
▲ウーマンズハート4着/2人
△クリスティ8着/5人


 この時期の2歳G1は阪神マイルで共通していることから、最近は、阪神JFと同様のデータによって好走可能馬を絞り、コメントをしつつ馬券を絞っていくというスタイルを取っている。昨年の阪神JFはデータで絞った5頭が1~4着を独占した。

 まずは伝統的な消去法から。

 このコース条件で求められるのはスタミナと末脚。スタミナに関しては、距離実績(とその内容)である程度の判断が可能である。ベストパフォーマンスレース(BPR)とセカンドパフォーマンスレース(SPR)の距離実績が1200m以下までの馬は消しで、1400m以下の馬は、GS(グレイソヴリン)系の血統系統を有する場合、Aランク騎手又はBランクの外国人又は地方出身騎手が騎乗する場合、指数2位以内かつ調教評価が[B+]以上の場合を除いて軽視する。

※BPRは一番近走の重賞3着以内、OP連対、条件戦以下勝利に該当するレースのことであり、SPRは二番目に近走の前記を満たすレースである

 スタミナ判定の次に末脚の分析を行う。阪神マイルは、外回りコースができてから末脚が非常に重要となっているが、中団で折り合って、流れに乗った上で速い末脚が使えることが望ましい。第一に、上がり2位以内経験を必須とする。

 末脚の力を測る具体的な判断基準として、A.BPRまたはSPRにおいて、3角12番手以降または4角11番手以降の追い込みではなく(上がりが2位より0.8秒差以上速い場合を除く)、B.当該レースにおいて上がり2位以内経験がある(A.が1番手の場合は3位まで可)、とする。阪神芝コースが改修された2006年から2018年(13年分)の阪神JFと阪神に舞台が移った2014年以降の朝日杯で、近2走に上がり2位以内がなく馬券に絡んだ馬は3頭しかいない(ウインファビラス、クロフネサプライズ、ライステラス)。

 続いて能力である。これは、(距離調整後の)指数1位馬を有力視する。なお、1800m以上からの臨戦馬の指数は多少低くても先行馬かつ当日5番人気以内であれば注視する必要がある。

 次に、未知馬や1800m以上での低指数馬の手応えを確認する。手応えが並み以下だった馬については、中弛み超高速上がり又は重馬場等の条件、持続SHPに注目する。

 以上のデータ項目を土台にして、2019年のメンバーを分析していく。

 スタミナの土台として、BPRとSPRが1200mの軽視対象馬は、カワキタアジン、ヒメサマ、ボンボヤージ。消しで良いだろう。

 BPRとSPRが1400m以下という馬に該当するのは、エレナアヴァンティ、スウィートメリナ、レシステンシア。無敗の重賞勝馬のレシステンシアがいるが、除外項目に当てはまる馬はいないので、基本的に軽視。

 続いて、末脚を確認する。近2走に上がり2位以内がなく、条件戦以上で上がり2位以内もないスウィートメリナ、ヒメサマ、ヤマカツマーメイド、ルーチェデラヴィダ、レシステンシアは軽視対象。

 指数については、今期は算出していないところ、相手関係等から低いと思われる馬を抽出すると、エレナアヴァンティ、オータムレッド、カワキタアジン、ジェラペッシュ、スウィートメリナ、ヒメサマ、ボンボヤージ、ヤマカツマーメイド、ルーチェデラヴィダ、ロータスランド。指数1位はラップタイムを踏まえるとクラヴァシュドールと推定。

 ここまでで軽視対象とならなかった馬はウーマンズハート、クラヴァシュドール、クリスティ、マルターズディオサ、リアアメリアの5頭。

 さて、続いて昨年導入した前走条件を主に上がりの切り口により選別するデータを照合していく。阪神JF過去13年と朝日杯FS過去5年の合計18年をサンプルとしている。

 まず、実績の出ていないのが以下の前走ローテ。
ダートからの臨戦馬(0.0.0.0.0.14)
芝1200mからの臨戦馬(0.0.0.0.0.22)
人気馬もそうそういないので簡易な消去データといったところだ。

 続いて、芝1400mからの臨戦馬。以下1~3の条件をクリアすること。
1.全成績において、以下(1)~(4)のいずれかに該当すること
 (1)新馬戦を除き、上がり1位が100%
 (2)上がり2位以内が75%以上
 (3)上がり2位以内が66%以内かつ上がり3位以内が100%
 (4)ディープインパクト産駒で上がり2位以内が66%以上
2.前走が非重賞戦なら上がり1位。ただし、東京の条件戦は2位も可
3.前走が非重賞戦なら2勝以上

 上記1~3を全てクリアした馬の成績は(3.5.7.4.3.5)。一方、クリアできなかった馬は(0.1.2.3.8.83)となっている。馬券圏好走馬は、クロフネサプライズ、ライステラス、エイムアットビップだが、BPRが逃げで指数も高かった2頭と、M.デムーロ騎手が乗った1頭となる。

 続いて1600m以上からの臨戦馬。こちらは前走が条件戦以上の馬と新馬戦又は未勝利戦の馬との2パターンに分ける。それぞれいくつかデータ条件を付すが、まずは条件戦以上の馬から。
1.前2走で上がり2位以内がある
2.前2走に重賞戦がない場合、(1)2レース中で上がり2位以内が1つ以下、(2)前走の上がりが2位以下、のいずれかに該当しない
3.前走が条件戦なら2着以内
4.未勝利戦で敗戦歴のある1勝馬(重賞連対馬を除く)
5.未勝利戦で2回以上負けていない
6.前走が上がり3位以下の場合、(1)0.5秒差以上勝ち、(2)0.5秒以上差での上がり1位、(3)マイル重賞連対、(4)マイル未使用かつ重賞0.5秒差以内のBPR3以内、のいずれかの実績がある
7.前走が9月以前の場合、(1)0.5秒差以上勝ち、(2)0.5秒以上差での上がり1位、(3)マイル重賞連対、のいずれかの実績がある

 上記1~7を全てクリアした馬は(12.11.7.9.4.29)。クリアできなかった馬は(0.0.0.2.3.44)。最も活躍馬の多いゾーンだが、凡走馬も多数いる。

 次に前走が芝1600m以上の新馬戦又は未勝利戦の馬。こちらのデータはシンプル。
1.当日の人気が4番人気以内
2.キャリア2戦以内で、前走の上がりが2位に0.3秒以上差での1位(11番人気以下馬を除く)

 上記1,2の「いずれか」をクリアした馬は(3.1.2.0.0.2)。クリアできなかった馬は(0.0.0.0.0.19)。当日上位人気でダメだったのはロカ、クリアザトラック。

(参考1)データクリア馬の分布
【朝日杯FS】
2018 1~3、10、12、13、15着の7頭
2017 1~3、5、8、9着の6頭
2016 1~4、7、13着の6頭
2015 1~5、9、12着の7頭
2014 1~4、6~8、11着の8頭
【阪神JF】
2018 1~4、15着の5頭
2017 1~5着の5頭
2016 1~4、11着の5頭
2015 1~5、7~9、12、13着の10頭
2014 1~3、8着の4頭
2013 1~7、9着の8頭
2012 1、3、4、6~8着の6頭(クロフネサプライズ抜け)
2011 1~4、10、15着の6頭
2010 1、2、4、9着の4頭(ライステラス抜け)
2009 1~6着の6頭
2008 1~3、6、13着の5頭
2007 1、2、4~6、8着の6頭(エイムアットビップ抜け)
2006 1~3、8着の4頭

 このデータによって今回のメンバーを選別した結果は以下のとおり。
1400m…なし
1600m(条件戦以上)…ウーマンズハート、クラヴァシュドール、リアアメリア
1600m(新馬・未勝利戦)…なし

 両方のデータで残ったのは、ウーマンズハート、クラヴァシュドール、リアアメリアの3頭。

(参考2)指数1位馬の成績
2006年以降の阪神JFの指数1位馬(距離調整後)は、アストンマーチャン(2着)、エイムアットビップ(3着)、ダノンベルベール(2着)、アパパネ(1着)、レーヴディソール(1着)、サウンドオブハート(3着)、サウンドリアーナ(17着)、ハープスター(2着)、レッツゴードンキ(2着)、メジャーエンブレム(1着)、リスグラシュー(2着)、コーディエライト(13着)、シェーングランツ(4着)。
2014年以降の朝日杯FSの指数1位馬(距離調整後)は、ダノンプラチナ(1着)、エアスピネル(2着)、モンドキャンノ(2着)、ダノンプレミアム(1着)、グランアレグリア(3着)。
合計すると、(5.7.3.1.0.2)。更に当日2番人気以下の1400m臨戦馬を除くと、(5.6.2.1.0.0)と好走率はかなり高くなる。

 2006年以降の阪神JF及び2014年以降の朝日杯FSにおいて、当日のレースで上がり1位だった馬の成績は、(9.5.0.4)。上がり2位だった馬の成績が(5.5.3.8)、上がり3位だった馬の成績は(3.2.3.8)となっており、合計すると(17.12.6.20)。コース特性から、上がりの速さはこのコースでの勝ち負けに重要な要素となっているが、今年は馬場がかなり高速化しているので、昨年同様、内枠や前残りにも注意を払いたい。

 今年のメンバーのデータ分析を踏まえると、上位人気ではあるが3頭が有力と見て間違いないと思われる。ウーマンズハートは、新潟2歳S終了時点ではあまり評価しないようなコメントもしたが、新潟2歳Sのレースラップにおいて、ラスト1Fの減速が0.6秒であり優秀。

 新潟2歳S勝ち馬で暮れのG1で好走するパターンとしては、新潟2歳Sの2,3着馬がその後に中央の重賞を連対しているのがパターン。今年の2着馬ペールエールはデイリー杯3着、3着馬ビッククインバイオはアルテミスS3着と、連対はしていないものの健闘はしている。

 また、新潟2歳S勝ち馬で、前2走の上がり3Fが32秒台という上がりが抜けて速い印象の馬ではあるが、前2走は出走頭数の真ん中くらいの位置取りであり、後方一気しかできない馬ではない。走法は{se}なので東京向きだが、万能の優秀走法なのでこなしてきても不思議ではない。

 クラヴァシュドールは一度負けていることで上位3頭の中では単勝人気が下がるだろうが、前走の内容的にはおそらく一番(指数1位想定)なのでこちらから入るほうが妙味はありそう。走法は{e}か。拡がる走法で上がりの勝負にも対応できる。

 また、同馬は新馬戦でスローペースを周囲の馬が掛かり気味のところ楽に追走できていたこと、前走はスタートも良く中団で競馬ができている点は強み。ウーマンズハートとともにハーツクライ産駒であることが条件的にディープインパクト産駒との比較でやや不利だが、ともに重賞戦を含む全2戦で上がり1位の実績があるので期待してみたい(騎手の藤岡兄が他の2強と比べると不安はあるが)。

 リアアメリアが1番人気になりそう。この条件で強いディープインパクト産駒であり、無敗で底を見せておらず、日本人のトップジョッキーである川田騎手が乗っていることを考えると当然上位評価するべきだろう。

 一方、スタートが遅く、毎回後方からの競馬になっている点、アルテミスSでの後続との着差は意外と僅かだった点で不安がないわけでもない。追ってどれだけ伸びるかについては、走法面からまだ余力はあるだろうが、インバイアスの場合には外を回して届かないパターンを考慮しておくべきと考える。

 前残りについて検討しておく。2014年以降の阪神JF及び朝日杯で、3~4角が4番手以内で馬券に絡んだ馬はダノンプレミアム(サウジアラビアRC1着)とボンセルヴィーソ(デイリー杯2着)ソウルスターリング(アイビーS1着)、メジャーエンブレム(アルテミスS2着)の4頭が該当。5着で見るとトラスト(札幌2歳S1着)、シュウジ(デイリー杯2着)、アクティブミノル(函館2歳S1着)、ムーンエクスプレス(秋明菊賞1着)が加わる(更に2006年まで遡ると、馬券圏ではクロフネサプライズ、アイムユアーズ、サウンドオブハート、アストンマーチャン、ルミナスハーバーが加わる)。

 以上から、近年のこの条件のG1は、マイル以上かつOP以上での連対実績のない逃げ先行馬を軽視できると考えられる。このため、BPRが1(逃げ)~3(番手)でマイル以上かつOP以上での連対実績のないエレナアヴァンティ、ヒメサマ、レシステンシア、ロータスランドはこの観点からもマイナスとなる。

 昨年の朝日杯でクリノガウディーが穴を開けた結果を参考にすると、中距離の上位条件で先行してそこそこ僅差(0.5秒程度?)の勝負ができていた馬は注意すべきと思われ、今回で言えばクリスティはおさえても良いのではないか。着差は0.5秒差だったが、直線で前がしばらく開かず、仕掛け遅れてしまったことも酌量の余地がある。

 レシステンシアは、高速馬場のインバイアスであれば短距離実績が通用するかもしれないし、ダイワメジャー産駒で調教内容がメンバー1位という点で厳しい流れで粘り込んで好走する可能性がないとは言えない。ただ、やはり上がり実績が物足りないので決め手で敵わないと考えた。来たらしょうがないと割り切っている。

 ロータスランドはピッチ走法なので大物感の観点から軽視した。

結論
◎クラヴァシュドール(想定指数1位、走法を踏まえて)
○リアアメリア(ディープインパクト産駒、川田騎手、走法を踏まえて)
▲ウーマンズハート(ビュイック騎手と走法、新潟2歳S勝ちを踏まえて)
△クリスティ(走法と福永騎手(穴人気馬でのG1は侮れない)を踏まえて)


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