エリザベス女王杯2020予想
今回ばかりは馬場が味方しそうなノーザンF陣営

夏影
14期 予想歴37年

◎ラヴズオンリーユー
  3着/3人気

○センテリュオ5着/4人
▲ミスニューヨーク10着/13人
△ラッキーライラック1着/1人
×ノームコア
×ソフトフルート


今年は宝塚記念と同じコースで行なわれる。
しかしながら馬場状態は雲泥の差で、先週の馬場はクッション性の非常に高い高速差し馬場。
ファンタジーSでは、2歳レコード。
他のレースの勝馬の上がりタイムを見ても、軒並み33秒台の末脚が出ている。

「ラッキーライラックをどうしても本命には推せない理由」

馬場状態と、ここ最近の競馬っ振りと、メンバー構成と、距離延長というステップを考慮に入れると、次のような事が考えられる。

先週の競馬を振り返る。
高速馬場故に早めに抜け出した馬でも脚が残せる馬場なのだが、勝ち上がった馬の脚0.4秒以上速い脚を繰り出されて、どうしても差し切られてしまっているような印象で、前向きな気性がどうも仇になっているように思われる。

ファンタジーS(1.20.1/前半34.1−後半34.8)
(先行)   ラブケリー     2→2 (35.0) 3着
(好位差し) メイケイエール   4→4 (34.5) 1着
(追い込み) オパールムーン   12→12(33.5) 2着

鶴見特別(1.08.1/前半33.5−後半34.6)
(逃げ)   サウンドカナロア  1→1 (34.8) 3着
(先行)   ブラックダンサー  2→2 (34.1) 2着
(好位差し) クーファウェヌス  4→4 (34.0) 1着

道頓堀S(1.20.7/前半34.7−後半34.6)

(先行)   ガゼボ       3→3 (34.2) 3着
(差し)   ジョーアラビカ   10→8(33.8) 1着
(差し)   ステイオンザトップ 11→11(33.7) 2着

エリザベス女王杯の出走予定馬を見てみると、積極的に行きたい馬もいないので、おそらくはスローの流れが濃厚。
更には2000→2200㍍非根幹距離への距離延長で位置取りが前目になりやすい環境が整っている。
スローで馬群が詰まれば、後方からでも差しが決まる環境にもなる。
前出の3レースのサンプルを見ても、前傾ラップだったファンタジーSと鶴見特別は好位差し馬が勝ったが、前後フラットだった道頓堀Sは後方からの差しが決まっている。

ここ2戦のラッキーライラックのレースっ振りを見てみると、どうも気性の前向きさに磨きが掛かり、それが仇になって負けているパターンが続いているのが特に気掛かり。
札幌記念は、2番手追走から早め抜け出すも差されて3着。
宝塚記念は、タフな馬場を5番手から直線入口で一旦先頭に出掛かったが、力尽きたという内容。
特に札幌記念は、前出の3レースと同じような負け方をしている。

逆に、大阪杯のように3角3番手→4角5番手と抑えが利く競馬なら33秒台の脚が使える。
とにかく、一番の肝はスタートだろう。
上手く遅れ気味のスタートを切り、前に壁を作れるかどうかだ。
前に出やすい環境にある為、意識しないでスタートしてしまうと前走の二の舞になる公算が高い。
ルメールの手腕に期待がのしかかる。

◎ラヴズオンリーユー
今の馬場状態は根幹距離レースなら、おそらくサンデーサイレンス系の黄金配合産駒的な馬が合うのではないか?と認識している、ラヴズオンリーユーが一番向いているであろう。
ディープインパクト黄金配合と血統的にも合っているし、飛びの大きい走法も合っている。
実際オークスは、差し競馬で2.22.8という驚異的な時計を叩き出している。
ラッキーライラックとは違い、こちらはディープインパクト産駒。
気の良さがあり、しっかり抑えの利く気性である事が上位に評価した理由である。
しかしながら、今回は根幹距離ではなく非根幹距離でしかも内回り。
適性からズレた距離体系なのがちょっと気に掛かる。
この馬が負けたレースというのは、非根幹距離の2戦と高速前残り馬場でのもの。
高速前残り向けの馬場はアメリカ色の強い競馬なので、ヴィクトリアマイルでコケた事は逆に評価出来る。
逆にこのレースで2年好走した、ノームコアあたりは明らかに母父の影響が非常に強い事が理解出来る。

○センテリュオ
前走から1か月半、疲労に脆さを見せるディープインパクト産駒なら、激走後は最低このくらいのレース間隔は欲しいところ。
前走、3走前と牡馬混合戦を交えて使われている。
フレッシュさを保てる点で、他馬とは精神面にもアドバンテージがある。
3走続けて最速上がりで、ディープインパクト産駒としては良いリズムを維持している。
サトノガーネットとの比較にちょっと悩んだが、あちらは長い直線新潟で矯めて凡走。
こちらは急坂のある直線の短い中山での勝利という事で、ステップレースとしてはこちらがベターだろう。
今回小回りである分、脚を矯める要素より「いかに射程圏内に入るか」という要素は重要。
ラッキーライラックが厳しいレース環境にある為、昨年より一歩前進に期待したい。

▲ミスニューヨーク(注目)
穴馬を挙げるなら、ミスニューヨークが面白い。
名前とは真逆にヨーロッパ色が強い馬。
勝鞍は全て1800㍍と、いかにも母父マンハッタンカフェっらしい非根幹距離適性の高さもある。
前走は4コーナー〜直線入口までの不利が全て。
前には壁、脇には捲り馬が殺到し出るに出れず。
3角8番手→4角15番手と極端にポジションを落としたのが痛かった。
それでも、最後5着に押しあげたのだから評価出来る内容だ。
古馬の一線級とは初対決でフレッシュさを感じるタイミングでもある。
スムーズな競馬で変り身を期待。
速い上がりが使えるタイプでもないので、勝ち切るのは厳しいも、しぶとい競馬で2〜3着差はあると見る。

△シャドウディーヴァ
紐でシャドウディーヴァも面白い。
昨年の惨敗以降、1800㍍以下のレースしか使われていない事が魅力。
デビューから2000㍍以上のレースをメインに使われ続けたせいで、フローラS以降モチベーションが下がり、4走続けての凡走。
その後、1800㍍以下のレースのみ使われるようになり、2走続けて激走。
しかし同じ路線に再び飽きを感じたか?、またもや4走続けての凡走。
前走2着も8頭立ての競馬で、しかも勝馬から0.5秒差とかなり離されている。
今回は、1年振りの2200㍍でフレッシュな気分を取り戻してくれるかも?…という事で、ちょっと注目。

△ラッキーライラック
上がりの速い競馬になっている事、それに特化したラッキーライラックもやはり向いているものと思える。
この馬の物理的な特徴というのは、先天的なものというより、後天的…つまりノーザンファーム管理馬だというところが大きいのかも知れない。
不安材料は先に述べた通り。
能力は抜けているが、スタートが鍵を握る。
最悪な枠に入ったので、評価を落とす。
昨年のように内々で我慢させる環境が欲しかった。
外々を回す競馬だと、集中力が切れる心配も。

ノームコアは1200㍍質のスピードと気の良さが武器。
本来はハードな路盤でアメリカ的なスピードを生かしてなんぼ?…な馬。
どっしりした精神構造を持ち長い距離にも適応出来るが、それはあくまでレベルの低いレースでの話。
京成杯2歳Sの予想でも話したが、レベルの低いレースというのは、気の良さがあればスピードで圧倒出来る環境。
洋芝とは言っても、前走は少頭数競馬。
ラッキーライラックは馬ゴミで脚を矯める事が出来ず。
闘志の赴くままの内容になってしまい、実質的にレースが破綻している。
強い馬がまともに走らなければ、衰えたペルシアンナイトでも先着出来る…といった内容。
紫苑Sは大外枠から楽に先行でき、しかも楽勝。
いかに相手が楽だったか?…という事だ。
今回は多頭数競馬。
G1なりのレベルが問われ、おそらく現代中距離戦らしい適性が問われるはず。

ソフトフルートは路線にフレッシュさがあるもの、流石にに前走は走り過ぎた。
前走はフレッシュさを評価したが、今回は反動が気になるところ。
前走高い評価をし先物買いした人は得をし、前走の競馬を見てから評価した人が反動で損をするという株式に似たパターンが競馬にもそのまま当てはまると見る。


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