フェブラリーS2023予想
勢いある馬が1頭なら、フレッシュさを重視

夏影
14期 予想歴40年

◎ドライスタウト
  4着/2人気

○シャールズスパイト9着/5人
▲レモンポップ1着/1人
×メイショウハリオ
×スピーディキック


 ここ最近の傾向は、ミスタープロスペクター系、ボールドルーラー系の活躍が目立つ、意外なところではキングカメハメハ産駒の活躍だろう。
 特にここ4年は、サンデーサイレンスの血を全く持たない馬が、レースを制している。
 アメリカ型ノーザンダンサー系の血の保有馬の活躍は相変わらず多いが、バリバリの直系というよりは、牝馬か?、母系か?、2代目以降にちょいとだけ添えて存在しているようなパターンが良く走っている事。
おそらく、直系だとダート向きのパワーを伝え、牝系に入るとスピード面を強化する傾向を見せるからであろう。

 はっきりと勢いを見せるのはレモンポップの1頭のみ。
しかし、一線級との対決を二度済ませ、そろそろフレッシュさが失われるタイミング。
 なら、そのフレッシュさでアドバンテージを持つ馬に注目してみたい。

◎ドライスタウト

(血統)
父シニスターミニスター、母父アフリート

(オプション)
生涯初の古馬混合重賞、「1400→1600㍍」距離延長、「先行→差し→先行」バウンド位置取りショック。

(解説)
 シニスターミニスターの出世産駒は、テーオーケインズ、インカンテーション、キングズガードの3頭だが、いずれも3歳夏以降に頭角を現したように、奥手のタイプに出やすい。

 同馬はデビューから3連勝で早い時期から活躍を見せている。
 しかし、そもそも若駒のダート戦はテンのダッシュ力があまり問われないので、パワー面での完成度がレース結果に反映されにくいのも事実。
 一概に、この3連勝で早熟と決め付けない方が良い。

 前走は圧倒的1番人気を裏切る形となったが、直線で馬群を捌くのに手こずり、一旦勝馬バトルクライの後ろに下げてから外に持ち出す形になった。
 追い出すタイミングが遅れた事が敗因であり、しっかり人気通りの力はみせている。

 前走の敗戦よりも、成長を促す為に、ユニコーンSやJDDといったレースを自重し休養を入れた事をしっかり評価したい。
 ここ2走も、セカンドクラスのレースを使い、無理をさせていないところも評価出来るだろう。
成長力に期待したい。

○シャールズスパイト

(血統)
父スパイツタウン、母父パーフェクトソウル

(オプション)
生涯初の日本遠征、「芝→ダート」コース変わり、「差し→先行」位置取りショック。

(解説)
 米G1勝馬で、ブリーダーズCマイル2着馬。格から言えば、メンバー中トップに評価出来る。

 父スパイツタウンは、芝ではモズスーパーフレア、ダートでもマテラスカイを輩出。日本非主流レースで活躍馬を多数出している偉大な種牡馬だ。

 外国生産馬であり、且つ外国調教馬。
 日本の主流的要素を一切排除した馬であり、それ則ち、日本の非主流(ダート)レースに適性を持つ馬だとも言える。

 同馬の魅力は何といっても、世界トップレベルの芝競馬で通用したスピードだろう。今回は芝スタートだけに、スタート時にこのスピードが十分生かせるはずだ。

 前走は差し競馬だが、今回はインに閉じ込められる事を嫌い、先行策を取る可能性あり。
 前向きさを刺激されると、大きなパフォーマンスを発揮するのも北米血統の特徴で、「差し→先行」位置取りショックは脅威。
穴ならこの馬だろう。

▲レモンポップ

(血統)
父レモンドロップキッド、母父ジャイアンツコーズウェイ

(オプション)
「1600→1400→1600㍍」バウンド距離延長。

(解説)
 勢い認めるも、この2走でダートの大方主要メンバーとの対戦を済ませた。鮮度がかなり落ちたはず、モチベーションを維持出来るか? が鍵。

 父はキングマンボ系も、セクレタリアト色強く、アメリカンダート適性を強く強く伝える種牡馬だろう。
 母父がストームキャット系なのも好感が持てる。冒頭記したように、米国型ノーザンダンサー系は、直系ではなく、牝系に入るとスピード面が強調される。
 血統面は申し分なく、物理的な適性は非常に高い。闇雲に切り捨てない方が良いだろう。
 むしろ、切り捨てるのであれば、公営競馬参戦のタイミングが良いだろう。
 おそらく、パワーや体力が問われるレースを苦手にするはずだ。

✕メイショウハリオ

(解説)
 最近のパイロ産駒はスピード色よりも、ミューチャリーやケンシンコウのように、体力勝負向きのタイプが多くなっている。
 母もマンハッタンカフェ✕ロベルト系で芝での体力比べ向きの血統背景を持つ。
 この馬も、帝王賞勝ちがあるように中央マイルのスピードよりも公営中長距離の力比べの方が向く。

 母父マンハッタンカフェの代表産駒といえば、クイーンズリング、ヒルノダムール、レッドディザイア、ジョーカプチーノで、活躍が圧倒的に「芝の主要レース」に偏っているところがミソ。
 それ則ち、サンデーサイレンス色の影響が強いという事であり、非主流色が問われるこのレースでは、マイナス要素を多く含む血だといえよう。

✕スピーディキック

(解説)
 父タイセイレジェンドは、キングカメハメハ✕メジロマックイーンの配合。マックイーン色強く、スピード面に難があり、中央では全く活躍馬が出せていないのが現状。
 母父サイレントディールは、ダート向きのパワーを引き出す種牡馬で、中央ダートマイル向きのスピード決着には向くような血統背景ではない。公営ダート向きの馬だろう。

 「中央初出走」は、馬の気持ちにフレッシュさを吹き込むオプションであるが、公営馬の場合、重大な不利を与える場合がある。
 公営競馬では「尾持ちスタート」が許可されるが、JRAでは一切認められない。3年前のモジアナフレイバーのように、類まれなスピードを有していても、スタートで後手を踏み能力を出し切れずに終わるパターンも存在する。


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