大阪杯2023予想
アメリカ血統由来の「前向きさ」が問われるレース

夏影
14期 予想歴40年

◎ダノンザキッド
  3着/10人気

○マリアエレーナ5着/6人
▲ジャックドール1着/2人
△キラーアビリティ13着/11人
×ジェラルディーナ
×ノースブリッジ


「レース傾向」

 下記は、近年良馬場で行われた年の連対馬と血統、それまでの好走レース、そのレースでの人気着順、2角→3角→4角の通過順位を記してみた。

・ポタジェ
父ディープインパクト、母(米国産、ヴァイスリージェント系)

毎日王冠   4番人気3着 4→4→4
新潟大賞典  1番人気2着   7→7
金鯱賞    6番人気2着 3→3→3
大阪杯    8番人気1着 5→5→4

・レイパパレ
父ディープインパクト、母父クロフネ(米国産、ヴァイスリージェント系)

大阪杯    4番人気1着 1→1→1
宝塚記念   2番人気3着 2→2→2
金鯱賞    2番人気2着 4→4→4
大阪杯    3番人気2着 3→3→3

・ラッキーライラック
父オルフェーヴル(ステゴ系)、母(米国産、フォーティナイナー系)

府中牝馬S  2番人気3着 6→4→3
エリザベス  3番人気1着 8→8→8
中山記念   2番人気2着 4→4→4
大阪杯    2番人気1着 3→3→5

・クロノジェネシス
父バゴ(ブラッシンググルーム系)、母父クロフネ(米国産、ヴァイスリージェント系)

オークス   2番人気3着 4→4→5
秋華賞    4番人気1着 7→5→5
京都記念   1番人気1着 3→3→3
大阪杯    4番人気2着 3→3→3

・アルアイン
父ディープインパクト、母(米国産、APインディ系)

大阪杯    2番人気3着 5→5→5
オールカマー 4番人気2着 2→2→2
マイルCS  4番人気3着   2→2
大阪杯    9番人気1着 3→4→4

・キセキ
父ルーラーシップ(キングマンボ系)、母母母(米国産、ダンチヒ系)

毎日王冠   6番人気3着 2→2→2
天皇賞秋   6番人気3着 1→1→1
ジャパンC  4番人気2着 1→1→1
大阪杯    2番人気2着 2→2→2

 まず気付く共通点は、必ず「米国産」の血を保有している事と、先行策を取って好走している事、そして必ず『人気以上のパフォーマンス』を見せているという事。
 キセキは、ヨーロッパ色の強い血統背景を持つが、そもそもハイペース逃げが打てるのは、米国型ダンチヒ系である母母母の性格面を強く受け継いでいるからである。
 つまり、ディープインパクト的な気の良さが前面に出た末脚勝負型ではなく、アメリカ血統的な前向きさが全面に出て積極策を取るタイプに向くレースだと言う事だ。
 それ故にディープインパクト産駒に限らず、ルーラーシップやバゴといった非主流種牡馬の産駒も、アメリカ産馬の血を持ちその影響を受けて前向きな競馬が出来るなら、勝ち負けに持ち込む事は可能という事である。

 根幹距離レースであっても、ヨーロッパ的な末脚の伸びが問われる天皇賞秋と、アメリカ的な前向きさが問われるこのレースは「水と油」のような関係。
 最たる主流されているダービー適性とも、物理的にはズレている。
 皐月賞勝馬の勝鞍はあるが、ダービー馬や良馬場開催の天皇賞秋勝馬の勝鞍はない。


「馬場読み」

 昨日唯一同コースで行われたのは、6Rの1勝クラスの平場戦。
 人気通りで決着したレースではあったものの、上記に上げた大阪杯の傾向がそのまま反映された結果となっている。
 一方、これまで全て上がり2位以内を続け、デビュー以来全て3着以内という安定した成績を見せていた3番人気アメジストブラックだったが…。
 末脚勝負に徹した為に位置取りが後ろ過ぎ、主流的な終いのスピードだけでは足りず、初めて馬券圏内を外す事になった。
 レース上がりは35.7で、上がりの速さは問われておらず、前後フラットなラップ構成。残り1200メートルから11秒台の脚を5ハロン持続させており、マイラー的な総合スピード力が問われていそうなイメージ。
 
1着 サンライズエース  1→1→1
   父ドゥラメンテ、母は米国産でスマートストライク系

2着 ファベル      2→2→2
   父ディープインパクト、母は米国産でコジーン系

3着 ラウルピドゥ    7→6→4
    父ハービンジャー、母サクラバクシンオー産駒

5着 アメジストブラック  10→8→7
    父エピファネイア、母(フジキセキ✕米国血統)


「夏影的解釈」

 注目はアメリカ産の血を持つ馬で、且つ近走に先行策を取って好走している馬。プラス、マイル重賞の好走履歴があれば更にプラス評価だ。
 勝負所での機動力勝負は、マイル的スピードが有利に働く。
 逆に良く言われる、本当の意味での「主流」脚質は、昨年のアリーヴォ、2019年のワグネリアン、マカヒキのように「追って届かず」の結果を招きやすい。
 天皇賞秋で先行し5着前後に負けた馬は能力高く適性も高い。そういったパターンの馬に着目してみても面白い。 


「結論」

◎ダノンザキッド

(血統)
父ジャスタウェイ、母父ダンシリ

(オプション)
「2000→1600→2000㍍」バウンド距離延長、「G2→G1」格上げ。

(解説)
 一見するとヨーロッパ色の強い血統背景だが、父母が米国血統で、その影響が強い。
 ホープフルSを先行して勝っているように、前向きさがあり、小回り適性もしっかりしている。

 昨日の参考レースの内容から見も、この馬のマイルG1に対する経験と適応力がかなりモノを言いそうなイメージで、やはり外せないと感じた。

 特にダンシリの血を持っているという部分では、2018年2着馬ペルシアンナイトとダブる部分。昨日の参考レース3着馬ラウルピドゥもダンシリの血を保有、人気以上のパフォーマンスを見せており、やはりこの血は小回りとの相性が良い。

 枠だけで見ると外過ぎるイメージも、ジャックドールが手頃な枠を引き当ててくれた。
 この並び順でジャックドールを目標ししていれば、スタートからそのままコース取りも先導してもらえるという、美味しい特典がある。
 この馬が適性的にダントツだし、オプションも完壁。当初の評価通りこの馬から馬券を攻めてみたい。

○マリアエレーナ

(血統)
父クロフネ、母父ディープインパクト

(オプション)
「先行→差し→先行」バウンド位置取りショック、多頭数内枠。

(解説)
 父は米国産、全体的に米国色が強いタイプ。
 母母母ブロードアピールは、インリアリティ的な超スピード色の強いスプリンターで、末脚の切れを身上としていたタイプ。その影響もあり、昨年夏の小倉記念では、持ったままの勢いで4コーナーを進出、そのまま後続を突き放し、1.57.4という好時計で圧勝している。残り1000㍍地点からゴールまで11秒台のラップが持続した流れの中、この馬の機動力が飛び抜けていた印象だった。
 天皇賞秋を先行して7着というのも適性を感じさせる内容。
 前向きさあり、スピードを生かした機動力があり非常に不気味な存在。

 力勝負では分が悪いが、ジャックドール、スターズオンアース、ヒシイグアスなど有力馬が真ん中よりも外目の枠を引いた。
 他馬の注目が外側に注がれる中でインベタの競馬をすれば、持ち前のスピードを生かす競馬で視覚外から出し抜くシーンがあるのでは?…と考える。
 本命馬とほぼ互角の評価と考えて欲しい。

▲ジャックドール

(血統)
父モーリス、母父アンブライドルズソング

(オプション)
休み明け、海外帰り。

(解説)
 母が米国産で、且つ父モーリスで更に前向きさが強調された馬。
 モーリス産駒らしく、古馬になって開花。昨年の連勝で、2番人気に持ち上げられたが、人気を裏切っている。蓄積疲労が深刻な状態だっただけに、この凡走は想定通り。むしろ疲労を抱えて5着は立派だし、物理的に合わない天皇賞秋4着も立派。
 むしろ、充実期がここまで長く続いている事にびっくりしている。
 今回は休養明けで疲労ゼロ、前走海外遠征でちょっとした刺激も加わり、心身共にフレッシュさを取り戻しているのはプラス。

 人気を背負った先行馬という事で、今回も全馬の目標になる。
 昨年度とは違い、疲労面か解消されたが、鮮度が落ち昨年以上のモチベーションを期待するのはどうか? とも思う。 

△キラーアビリティ

(血統)
父ディープインパクト、母父コンガリー

(オプション)
「2200→2000㍍」距離短縮、「先行→差し」位置取りショック。

(解説)
 2歳時は体力の完成度にモノを言わせていたが、今は他馬との体力的アドバンテージがなくなった。
 前々走の勝利は「2500→2000㍍」距離短縮という体力補完+「G2→G3」格下げ、長い直線での差し競馬で、今回の適性とは無関係なステップや物理志向での勝利。
 今回、「中頭数→多頭数」、格上げ、距離短縮というステップでは、もろにペース激化の影響が強くなり、この環境下での先行はお勧め出来ない策だ。
 前走で前向きさを見せているし、この環境なら、「2200→2000」短縮+「先行→差し」位置取りショックで素直に体力補完を生かす競馬なら、それなりに魅力は感じる。
 しっかり差す競馬で、3着狙いなら十分ある。

▽スターズオンアース

 父、母ともにヨーロッパ色。スピードあるも、末脚の伸びで差す競馬がベストで直線の長いコース向き。
 秋華賞で三冠を逃したように、小回りでは直線の距離が足りず不完全燃焼になりやすいタイプ。
 物理的には天皇賞秋がベスト。


「消し馬」

✕ジェラルディーナ

 近走は非根幹距離レースでの差し競馬が続いた。重苦しい欧州ステイヤー質のレースに適性を示しただけに、アメリカ的な前向きさ問われるレースに適応出来るかに疑問。

✕ラーグルフ

モーリス産駒の連チャン期+体力補完で前走は評価したが、それでいて2着だったとすると、ここでは能力的に足りないし、連続好走による疲労も心配。

✕ノースブリッジ

 モーリス✕アドマイヤムーンの配合から、非根幹距離色が強過ぎるイメージ。

 前走は、スローの流れから、ラスト3ハロンが11.9→11.3→12.0。マイル的なスピードではなく、テンと直線入口での加速力が問われたレースで、やはり非根幹色の強いレース内容だ。
 レース後半11秒台のラップが持続するようなマイル的流れでは、おそらく厳しくなると考える。重馬場という条件が欲しい。

 鞍上の岩田(父)ジョッキーがかなり素質を評価しているという話しらしいが、狙うなら宝塚記念か有馬記念がベストだろう。


(他有力馬短評)

・ヒシイグアス

 前走勝利も、近走前向きさにかける内容で。勝負所で動けるかに疑問。
 昨年春の臨戦過程なら面白かったが…。

・ヴェルトライゼンデ

 前向きさはそれなりにある馬たが、ドイツ血統馬だけにスピードを生かしての機動力となると、ちょっと分が悪い。重馬場なら。


単勝

13、2

ワイド

2‐13
9‐13
2‐9
12‐13


tipmonaとは?

大阪杯2023回顧

夏影
14期 予想歴40年

次走狙い:マテンロウレオ
次走狙い:ヒシイグアス


 今年の大阪杯は2番人気▲ジャックドールが逃げ切り、1番人気のスターズオンアースがかなり際どいところまで詰め寄ったが2着と涙を飲んだ。

 予想でも述べた通り、勝馬は前向きさのあるアメリカンタイプの先行馬。
 レースは800㍍通過地点から、11.5前後のラップが連続し、やはりマイラー的な総合スピードが問われた。
 結局、道中ポジションを上げて掲示板に馬番を載せられたのは次の3頭。

▽スターズオンアース 12→11→9…2着 桜花賞1着
◎ダノンザキッド    4→4→3…3着 マイルCS2着
◯マリアエレーナ   10→8→9…5着 2000㍍の持ち時計1.57.4

 予想の中で述べた通り、レース後半がかなり速いペースに流れるので、ポジションを上げるにはマイラー質のスピードがどうしても必要なのだ。

 予想自体はお粗末だったが、結局掲示板は「▲▽◎…○」と、印を付けた5頭のうちの4頭が馬番を載せてきた。
 予想の中で述べて来た事は、ほぼほぼ正解だったのかな…と思っている。

 △キラーアビリティは、やはりマイル適応力の無さが仇になった感じ、スピード不足は体力補完では補え無かったという事だろう。

 驚いたのはマテンロウレオ。事前予想では「重馬場なら本命」という評価をしたが、スピードが問われ分が悪い条件にも関わらず、4着は非常に良く走っている。
 良い成長力を見せており、天皇賞春や宝塚記念でおそらく勝ち負けになるレベル。次走が本当に楽しみになった。

 ヒシイグアスも、おそらくは天皇賞春か宝塚記念になるだろう。体力あり非根幹距離質の競馬は合うタイプ。
 「1800→2000㍍距離延長」も、大幅馬体減(筋力落ち)での「差し→先行」位置取りショックはキツい。0.6秒差の7着は立派な部類。やはり力量はある。次走りは巻き返す。


tipmonaとは?

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