本命はオリンピックなので心情的にいやいや実力的にも、鈴木明子。
彼女が出場選手の中で一番楽しく演技をするはず、不安や焦りもなくあるのは障害を乗り越えた心が常に前を向いていること。ジャンプの安定感はコーチの指導力が大きいし、丁寧に滑るソフトなタッチは実に滑らかで自身が持ち得た才能。
荒川静香は軽やかに滑らかにスケーティングできる技の持ち主、キムヨナもそうだが目指して来たこのスタイルにだんだん近づいて来た。
ジャンプの安定感は抜群で、彼女の明るさ妖艶さがウエストサイドストーリーにピッタリハマっている。
演技後半のステップがさらに観客を巻き込んでしまい、そして滑り終わった瞬間毎回涙が出てしまうのはなぜだろう？滑り始めるとどうしてか涙腺が緩んでしまう。
こんなに魅了されるスケーターは過去に記憶がない、キムヨナにはない大きな瞳は審判をも巻き込んで全世界を魅了することでしょう。彼女の演技にはハンカチが必需品です。

本大会から採点方法の変更により細かくなり、構成の組み合わせ次第でフリーの得点が左右してします。が、女子フィギュアはわれわれが見ていて感動歓喜する演技者がやっぱりこの舞台ではメダルに輝いてほしいところです。

オリンピックというところは常に異質な空気が漂い、番狂わせがよく起こるものです。緻密に計算された構成ほどミスがミスを呼ぶもの、この採点方法は今大会が初めてで心理面になにか影響が出るとも限らない。
たとえば、何点取れればいいはずがジャンプでミスをして「減点だ」となれば、芸術点でも減点される。取り返すべく後半の加点を狙ってまたジャンプに影響が・・・。
フィギュアとは世界中の人がその一人一点に目が注がれるもの、スポーツ界広しといえ稀な競技です。その視線からの重圧は相当なものでしょうし、採点の基準が変わったことがどう出るか違う視点でも見て行きたい。

そんな細かいことより、「世界の人に勇気を与えたい」と語った鈴木明子選手をめちゃめちゃ応援したい。この気持ちは安藤＝浅田とは違い、得点を頭に掲げている二人はメダルのためにミスが出来ない自らへのプレッシャーに。
鈴木は追いつめられることはなく演技を見せるだけでいい、大舞台で思いっきり弾けちゃえばいいのです。

成長著しい彼女から目が離せない、再度この舞台でも観客のスタンディングがあるなら２００点オーバーして来る可能性は十分にあるでしょう。
日本人３選手とて敵視したライバル同士、キムヨナの１席が確定なら他選手で２席を取り合う流れ。
気負いのない鈴木が満点の演技をする可能性があるのでは？
上位陣が高い得点での争いになれば圧力がかかり合い、そこに付け入るスキが生まれて来るでしょう。


...................................

最近の練習ではＴアクセルの成功確率が上がり、上々の仕上がり！四大陸の出来次第でメダル圏内に・・。
オリンピック前のこの大会、韓国のマスコミは取材攻勢で浅田つぶしをかけているが、ここは通過点に過ぎなく大人げない行動。
フェアープレーに欠けているので、こうなって来ると心情的にキムヨナから心が離れてしまうのです。
「負けるな、真央ちゃん」
.....................................

今シーズンのキムヨナと浅田真央には、大きな開きがある。
順調なキムヨナに対し、ジャンプに苦悩する浅田とはオリンピックへの準備過程であまりにも違いすぎる。
ともに世界をリードするハイレベルな演技は他を圧倒するものがある。200点台を出すスケーターは、大きなミスをしない限り190点は出してくる。安藤をはじめ他選手はうまくいって190点台が良いところ。

バンクーバーはキムヨナのためにあるようなもの、韓国フィギュアの第一人者であり次の世代の子供たちへオリンピックでの栄光こそが強いメッセージとなる。その重い使命感を背負いリンクに立つ選手はまずいないでしょう。韓国のフィギュアの普及に一人で貢献している姿は地盤のある国にはない頭が下がる行動です。
腰痛で苦しむことも今シーズンはなく、100％金メダルでしょう。

一番応援したいのが安藤美姫、前回大会の悪夢から4年の間に世界女王になるもその後も悪夢は続いた。
肉離れでの途中棄権、肩の脱臼はあまりに痛々しく辛い、そんな時期を乗り越えた2009は得点の不満はあっても2勝の実績。
雪辱を期すオリンピックぜひメダルを獲得してほしいし、切なる思いを持っているファンは多いと思う。

浅田真央のカギとなるトリプルアクセルの成功率の低さは不安に思う（今シーズン20～30％の確率）、最終選考では200点台を出しジャンプも良かった。
しかしキムヨナに勝つにはノーミスかつハイレベルな演技が要求される。それも210点を出してくる相手のミス待ちでは分が悪すぎる。なにやら前回大会で安藤の姿がよぎる、4回転の成功率の低さと初めてのオリンピックが重なってくる。ハイレベルなジャンプへのチャレンジにはスランプと背中合わせのような、現状では運が良ければとしか言いようがありませんね。

02/09 17:06