このレースは、仕掛け遅れた馬が上位を占めるという典型的な差し・追込みレース。

★勝った福永ちゃんは、彼らしく展開に恵まれたというのが正確なところで、前が塞がって仕掛けが遅くなったのが幸いしての勝利。

つまり、馬の能力があり、なおかつ前が最後にタレてくれたから届いただけの技量以前のもの。
1200勝もできて良かったですね……武豊ジョッキーの1．5倍乗っての記録だから、実質半分くらいが本当の勝星といったところだけど！

★勝った馬より上手く乗ったのは２着の藤岡佑くん。

こちらの方が彼らしい乗り方で、内ラチピッタリ回りの後方待機から直線で追い出すというもの。
最初から自分が組み立てた通りのレースになり、長く良い脚を使ったのだが、惜しかったのは偶然勝ち馬だけが脚を貯められてたこと。

追込みで突っ込んでくる彼らしい乗り方で２着だったのは上出来であり、またこれが彼の限界かもしれないのが惜しまれる。
(藤岡佑くんは、現役時代の的場均のビデオをよく見て研究して欲しい…ここ一番で勝つための乗り方は天下一品なので！)

★勝ち馬と同じ状況になったのが幸いしたのが３着松岡くん。

但し、彼にしてはとても褒められた乗り方でなかったのがちょっと情けなく感じた。
直線で２着馬の前に位置取りながら、一瞬突きかけた内ラチから敢えて中に戻して追い出すという判断の甘さ。おそらく、前の馬が内ラチに寄ってくるものと判断してコースを変えたのだろうが、そこを藤岡佑くんに突かれた上に、前の馬はラチに寄らずに真っ直ぐ走ってしまったので、一瞬追い出しが遅れてしまった。
普段のジョッキーたちだったらこのコース変更が成功したかもしれないが、今回はそんなジョッキーが一人もいなかったのを瞬間忘れていつも通りに乗ってしまったのだろう。

ホームといえる東京コースで、藤岡佑くんに内を掬われたのは彼らしくないミスであり、初出場が祟ってしまった３着なのが大変残念でならない。

しかしながら、こんな展開になったのも他の騎手たちが普段のレベルでは考えられない状況だったから……１・２着のジョッキーはともかく、松岡くんだけはしっかりミスを認識して今後に活かして欲しいと願ってやまない！
レースレベル：1
→次走狙い馬:タッチミーノット  
→次走危険馬:スノークラッシャー,イチブン