高速馬場での瞬発力勝負。直線に入ってからよーいドンではなく、ラスト5Fから11秒台のラップが入るロングスパート勝負。同日、同じコースで行われた3歳500万下と同タイムで、タイム評価は低いが、その割にラスト1Fで失速しており、メンバーや見た目ほどレベルの高いレースではなかったように思う。

トゥザグローリーは最内から馬の行く気に任せて先行。少し力んでいるようにも見えたが内ラチ沿いをロス無く走り、持ったままの手応えで直線へ。残り300で追いだすとグングン伸びて迫るローズキングダムを突き放しての圧勝。先行して上り最速では評価せざるを得ない。次走へ向けてあえて不安な点を挙げるなら、今回は全くロスの無いスムーズすぎる競馬だったこと。外枠を引いて外を回されたり、折り合いを欠いてスタミナを消耗するようなことがあれば、一気にパフォーマンスを落とす可能性もある。

ペルーサは課題だったスタートを決め、完璧に折り合ってトゥザグローリー、ローズキングダムの後を追走。道中、マイネルキッツに内から交わされ、トップカミングに外から迫られるもマイペースを貫き、4Cで少し押しながら直線へ。一度はローズキングダムに突き放されたが、追われてジワジワ伸び、ゴール手前でローズキングダムを交わして2着。トゥザグローリーには完敗だったが、勝負どころでの反応が今一つのように見えたし、鞭は一発だけで、いかにも叩き台というレース振り。一叩きしての上積みに期待。

ローズキングダムはトゥザグローリーをぴったりマークしていたが、直線では一度はトゥザグローリーに並びかけようとするも逆に突き放され、最後はペルーサにも交わされて3着。こちらは結構鞭が飛んでいたが、あまり必死に追われている感じではなかった（武豊の追い方ってこんなものだっけ？）。休み明け、59㎏ならまずまずか。ただし、日経新春杯では58㎏で伸びを欠いており、本番での1㎏減がパフォーマンスの向上に直結するとは限らない。

マイネルキッツは全く折り合いの不安を感じさせなかった。内ラチ沿いをロス無く走り、4Cで追い出し、直線では最内へ。上位3頭とは違いビシバシ鞭が飛び、激しく手綱が動いていたが、ジリジリとしか伸びなかった。ゴール手前で逃げ粘るエーシンジーラインをなんとか交わして4着。休み明けを考えればまずまずの内容だったのかも知れないが、春天で好走した去年、一昨年は日経賞で連対して本番に望んでいたことを考えると不安も。史上最強4歳世代の上位馬が多数出走してくる今年の春天はメンバーのレベルが去年、一昨年よりも高くなる。一叩きした上積みがあったとしても、好走できるかどうかはわからない。一方で、距離実績の無い4歳馬とは違い、折り合い、スタミナは信頼できるものがあり、積極的な競馬をすれば勝機もありそう。

エーシンジーラインは終始内ラチ沿いを通ってのマイペースの逃げ。完璧なレース運びだったが、4歳3頭にはあっさり交わされてしまった。
→次走狙い馬:マイネルキッツ       

勝ったＴグローリーはパドックでも張りなどが他の馬と違い今年２戦目の有利さがあったにしても出来が断然な形。それもあってか福永も余裕綽々なレース振りであとはいい内容で勝てるかだけの手ごたえで直線に。差が詰まる様子もない感じでゴールを駆け抜けた。ペルーサやマイネルキッツは今年初戦差し引いてもよほど調整に狂いが生じない限り天皇賞ではひっくり返すこと出来ないだろうなあと思わせる内容天皇賞のこれも有力候補に

ペルーサはマイナス８での今年初戦。もっとふっくらした体で出てくると思っただけにちょっと意外でした。レース内容は特に悪い内容でもなかったですけどグローリーとは成長力の観点から見ると劣っているようにも感じますねえ。距離が伸びたらという感じでもないし。詰めが甘い馬なのかも知れないとかも思ってきたりで…

ローズキングダムは３着。これもうーんちょっと位置が前で天皇賞を意識した競馬だったにしてもあっさり負けすぎの印象もあって。今回４７２の出走でまた増えてきてますよね。もしかしたらこの一族だけにそこまで増えないほうが走るのかなあとかも思うんですよね。現状太いのかもしれないですけど急激に絞るわけにもいかないでしょうし勝ちきれない馬のキャラなのかもね。。

マイネルキッツは明らかに緩かったですね。これは得意の京都に変わったら馬がしまってきたら一発あるでしょうけどさて現４歳世代の成長力を本番でどこまで受けること出来るのか楽しみです。

ビックウィークは先行馬の宿命でレースの流れで大敗は仕方ないのですけど馬のバランスがとてもパドックで悪く見えました。馬の成長バランスを含めてなにかバランスが崩れてるかな
レースレベル：4
→次走狙い馬:トゥザグローリー  
→次走危険馬:ローズキングダム  

－次走狙い馬－

エーシンジーラインの５着だけが今回唯一騎手の上手さが見れた。
もちろんこのメンバーで通用する訳はないのだが、普通なら吉田豊ミヤビランベリに行かれる所をスタート時のみ先手を取った後はマイペースでレースを進めた。

代役で見せ場どころか仕掛ける覇気すら見せなかった四位の情けなさからすればよく健闘していたといえ、次走は平場オープンかＧ３戦と思われるので同馬が一番狙える存在だろう。

59Kgながらゴール前まで粘ったローズキングダムが次走巻返しの筆頭だろう。
ただし、もうイヤというほど天皇賞を勝っているジョッキーなのが本番でどうなるか分からない点なので２番目の狙い馬とした。

－次走危険馬－

脚をためなかった時はさすがに豪脚は出せないことが見てとれた同馬。
今回はローズキングダムと１Ｋｇ差があったので２着を取れたが、やはり切れ脚を活かす展開にならないと本番では勝つことはできないようだ。
たしかに今回は恵まれ福永のために用意されたレースになってしまったので２着も仕方ないことなのだが、結局斤量面で不利だったローズキングダムをやっと捉えるまででしかないようでは、一流外人ジョッキーを起用してくればまだしもとても横山典起用くらいでは天皇賞は勝てないだろう。
それでなくても3200ｍの天皇賞では良績の少ない藤沢和厩舎の管理馬なのだから……(その代わり秋天は強いこと強いこと！)

次走危険馬どころか、おそらく体調不良を理由に天皇賞は回避すると思われるのがビッグウィークだろう。

しかし……いくら今回は親分武豊の引き出し役だったとはいえ、ドン尻負けとはあまりに情けない。
これが同馬の実力でないのは分かるが、代役とはいえ競馬学校の先輩なのだからもうちょっと体裁のある着順くらいは確保して欲しかった。
これが２年連続ダービージョッキーだというのだから２流外人ジョッキー(クラストゥス・リスポリなど)にも好き放題やられてしまうのだろう。

この大敗で分かったことは、【もうダービージョッキーなど価値はない】ということだろう。
道理でロジユニヴァースが勝った後全然走らなくなった訳だ。何しろ横山典に勝たせるために用意された馬なのだからだ。【ジョッキーの技量もさることながら厩舎のレベルも知れるというもの】

※天皇賞馬もさすがにもう厳しい！？

私が残念だったのはマイネルキッツが馬券対象になれなかったこと。将来ＪＲＡジョッキー界を背負うべき存在になる松岡に是非強力４才陣の一角を崩してもらいたかったからだ。
だが、さすがに庶民派生産牧場では厳しいようである。何しろエーシンジーラインを捕まえるまでがやっとのようではとても本番では期待できそうもないからだ。

どうやら古馬トライアル戦での４才馬崩しは大阪杯のドリームジャーニーとキャプテントゥーレに期待するしかないようである……
レースレベル：4
→次走狙い馬:エーシンジーライン,ローズキングダム
→次走危険馬:ペルーサ,ビッグウィーク