2012年 タイム 1’06”7 (良) 1FAve=11.12 3FAve=33.35
ラップ
①12.0-②10.1-③10.6-④11.2-⑤11.3-⑥11.5
1FAveとの誤差
①+0.9 ②-1.0 ③-0.5 ④+0.1 ⑤+0.2 ⑥+0.4
テン32.7-上がり34.0 『前傾』
『前傾』・・・逃げ× 先行△ 差し○ 追込◎
1着ロードカナロア・・・キングカメハメハ×Stom Cat=ミスプロ×ストームバード 〔2-s〕 8-9
2着カレンチャン・・・クロフネ×サンデーサイレンス=ヴァイスリージェント×サンデーサイレンス 〔13-c〕 5-5
3着ドリームバレンチノ・・・ロージズインメイ×マイネルラヴ=ヘイロー×ミスプロ 〔2-n〕 8-9
4着エピセアローム・・・ダイワメジャー×Cozzene=サンデーサイレンス×グレイソヴリン 〔14〕 8-12
5着ラッキーナイン・・・Dubawi×Green Desert=ミスプロ×ダンチヒ 〔6-a〕 13-15
流れは、テン-上がりのラップ差から『前傾』の流れ。毎年コース形態からも『前傾』になるのだが、今年は過去5年と比べてもテンは32秒7と速い流れで、上がりはかかると思われたが34秒0と例年と比較しても速いタイムで、結果レコード決着に。展開的には、追込が最も恵まれ、次いで差し、逃げ・先行には厳しい流れと考える。
1着ロードカナロアは、前走セントウルS2着(=阪神芝1200m:0.1秒差)からの好走。中山芝コースは(0-1-0-0)、芝1200m戦は(6-2-1-0)でした。京都芝コースでの好走が多い馬なのだが、小回りローカルコースの小倉芝1200mでも2戦(2-0-0-0)と好走し、また洋芝小回りコースの函館芝1200mでも2着に好走していて、コースを問わない自在性と能力の高さを有している。芝1200m戦の成績からも純然なスプリンターなのだが、近走の詰めの甘さと大外枠という点を割り引いて連下候補と評価したが、厳しい流れでスプリンターとしての適性が問われ、そのため覚醒したと思われ1着好走。大外枠での好走ということを考えると、好走内容は素直に評価したい。
キングカメハメハ産駒はミスプロ系だが、凱旋門賞での好走も多いキングマンボ系で欧州型の要素を兼ね備えている。格の高いレースでの究極のスピード競馬になると本領を発揮し、厳しい展開ほど持ち前の底力を活かす。ダンシングブレーヴ系に近い特性を有していると考える。母父StormCatはストームバード系で、。斬れよりも全体のスピードに優れ、ハイペースに強いが、揉まれる競馬は苦手。大一番よりも前哨戦が向くタイプ。またストームバード系の特性として、勝負強さや底力には欠ける点と勢いがなくなるとスランプに陥る点には注意が必要。近走の上昇度はこの母父の特性によるものと考え、この母父の特性にも期待したい。今回はレコード決着での好走だが、やはり父キングマンボ系の特性と母父ストームバード系の特性がうまく活かされた結果と考える。
No.〔2〕の牝系は、2歳戦から走れる仕上がりの早さとクラシックでも好走する成長能力を有した牝系。古馬での成長力も豊富。直線の長いコースでの末脚勝負に強い。分枝記号sは、立ち回りが上手く、スローの上がり勝負で強い。上級クラスでは展開利が必要。
2着カレンチャンは、前走セントウルS4着(=阪神芝1200m:0.1秒差)からの好走。中山芝コースは(1-0-0-1)、芝1200m戦は(7-1-1-2)でした。前走は約5か月半の休み明けだったが僅差に好走し、今回は好走の多い叩き2戦目でこれまで(3-0-0-0)の戦績。叩いた効果も期待できるし、好走必至と考えて期待し、結果2着好走。11年スプリンターズS1着・12年高松宮記念1着と近年のスプリント戦の王者でもあり、やや外枠は気になるが先行脚質でもあり、大きな割引にはならないと考えて、好走に期待して評価したが、今回も2着好走からも昨年からずっとGⅠでは崩れずに好走している点は高く評価したい。また今回レコード決着にて、純然たるスプリンター適性が問われた点も、本馬にはプラス要因だったと考える。
クロフネ産駒はヴァイスリージェント系で、鮮度と勢いが好走に非常に重要なポイントとなる。芝もダートも走れる兼用型だが、同系のフレンチデピュティと比べるとややパワー型で、持久力も豊富。勢いがある時には連勝も多く、上昇馬はクラスの壁を突き抜けて短期間にまとめて稼ぐ特性を持つ。ヴァイスリージェント系にはセカンドステージが存在し、特に牝馬でその傾向が顕著。そのセカンドステージ突入の牝馬は、牡馬混合戦でも互角以上に戦い(=サンアディユ、スリープレスナイト、メイショウベルーガなど)、本馬も牡馬と互角に戦い11年スプリンターズS1着・12年高松宮記念1着と好走している。セカンドステージの充実さを感じさせる。母父トニービンはグレイソヴリン系でスタミナもあり、強敵相手に好走しやすい特性や連続好走しやすい特性を持っている。一度上昇して連続好走中なら、一定期間は期待出来る。
No.〔13〕の牝系は、距離が延びて本領発揮型で、キャリアを積み上げながらクラスの壁を越えていくタイプ。分枝記号cは、開幕週・最終週や重馬場での持久力勝負に強い傾向。欧州的な瞬発力を秘めるがゴチャつく展開は苦手。
3着ドリームバレンチノは、前走キーンランドC7着(=札幌芝1200m:0.6秒差)からの好走。中山芝コースは(0-0-0-1)、芝1200m戦は(6-3-2-5)でした。近走は33秒台の末脚を繰り出し、オープン戦や重賞でも連続好走していて本格化は明らかで、前走は先行決着の中終始外を回らさせて差し届かずの内容。今回は内枠でもあり、うまく立ち回れるなら反撃可能と考えて好走に期待して評価しましたが、結果3着からもこの点はうまく評価できたと考える。スプリンターズSでは内枠の馬の穴馬が多く、今年のように外枠に人気馬が集中しているような時こそ、内枠の先行馬には気をつけたいと思います。今回の好走からもやはり本格化と考えて今後も期待したい。
ロージズインメイ産駒はヘイロー系で、本質は馬力型の持久力血統。芝・ダート兼用型だが、芝・ダートともに3着・4着が多く、尻を押したくなるようなジリ脚の馬が多く、瞬発力勝負では分が悪い。活躍距離はバラついているが、比較的芝1600~2000mにて穴の好走が多く、コーナー2つのコースよりも、中山芝2000mや小倉芝2000mなどコーナー4つのコース方が向いている。母父の特性を引き出しやすいのも特徴の一つ。母父マイネルラヴはミスプロ系で、芝向きの早熟スプリンター血統。サクラバクシンオー産駒に近い適性があり、平坦コースでスピードを活かしての好走が多い。軽ハンデでの大穴が多く、特に“軽量の牝馬”と“夏のローカル”はチェックポイント。
No.〔2〕の牝系は、2歳戦から走れる仕上がりの早さとクラシックでも好走する成長能力を有した牝系。古馬での成長力も豊富。直線の長いコースでの末脚勝負に強い。分枝記号nは、仕上がり早で素軽いスピードと立ち回りの上手さが持ち味。底力には欠けるが器用さでカバーする。また短距離向きの馬が多く、中距離馬は洋芝開催向き。
4着エピセアロームは、前走セントウルS1着(=阪神芝1200m)からの好走。中山芝コースは初で、芝1200m戦は(2-0-1-0)でした。3歳春シーズンはクラシック路線に挑戦していたが惨敗で、サマースプリントシリーズを使い、短距離路線に変更して今回も僅差の好走。3歳、外枠での好走ということを考えても今後の伸びしろがまだあると思われ、今後の活躍に期待したい馬と思います。
ダイワメジャー産駒はサンデーサイレンス系で、力強いスピードを持ち、芝1600~2000mを得意とするマイラーや中距離型。フジキセキに近いイメージで、自身がダートを圧勝した実績もあるのでダートの得意な馬力型のタイプと、芝で鋭く斬れる脚を使うタイプと存在するはず。ダイワメジャー自身が中山芝コースで好走が多かったように、また古馬で本格化するまでは直線の長い東京芝コースや京都芝コースなどで最後につかまるレースが多かったことからも、キレよりもスピードの持続性能を活かしたレースに向くと考えますが、現時点での完成度は高い。おそらく古馬になり本格化すると鋭く斬れる脚も使えるようになると思います(=父母父ノーザンテーストの成長能力で引き出される感じと思います)。母父Cozzeneはグレイソヴリン系で、大物喰いの特性を持ち、先行馬は二枚腰、差し馬はえげつない末脚を繰り出す。芝向きの豪腕血統で、淀みのない流れで持ち味が活きる。マイルを中心に産駒によって短・中距離もこなす。2歳から走り、一度落ち込んでも古馬になって復活する。
No.〔14〕の牝系は、早い時期にも活躍する馬もいるが、総じて晩成型で古馬になって強さを発揮する。分枝記号はなしにて、やや晩成気味ながらも、平均的に能力を発揮するタイプと考える。
5着ラッキーナインは、前走安田記念11着(=東京芝1600m:0.8秒差)からの約4か月の休み明けでの好走。中山芝コースは(0-0-0-1)、芝1200m戦は(0-1-0-1)でした。11年スプリンターズSでも5着で、今回はそれ以後やや衰えがみられる成績ながら、昨年よりもタイムを短縮して5着好走した点は評価したい。やはり純然たるスプリンター資質が問われと考え、さすがの海外GⅠ好走馬と認めたい。
Dubawi産駒はミスプロ系だが、全体的に底力や勝負強さをもつ血統が入り、スピードの優れた単なるマイラー血統ではない。種牡馬併用開始年に急死してしまい産駒は一世代のみだが、本馬も含め世界で活躍する産駒を輩出し、能力は高い。母父Green Desertはダンチヒ系で、ダンチヒのスピードをそのまま受け継いだスプリンター血統。早い時期からオープン入りし、途中で壁にぶつかっても、レースで揉まれながら力をつけ、古馬になって一皮むけ、成長力はある。時計のかかる馬場は上手い。ダートは割引。
No.〔6〕の牝系は、直線の長いコース向きで、ハイペースの消耗戦に強い牝系。厳冬期や真夏などシーズンオフに強い特性をもつ。成長能力は早い時期から走るのだが、詰め甘にて人気を背負うと脆い傾向がある。分枝記号aは、気性的には素直な産駒が多いが父親よりはスケールが小さくなる傾向。
スプリンターズSのポイントは、
①流れは『前傾』が基本。
②小回りコースの中山コースのため、ローカルコースの鉄則はここでも活きる(=好走するのは4コーナー5番手以内が多い)。
③夏のローカル1200mシリーズの延長戦と考え(=休み明けより夏を使った馬を上位に)、ただしサマースプリントシリーズ好走馬は余力があるか?を考えること。
④鮮度と勢い重視。
⑤アイビスサマーD好走血統。ただし中山コースなので、中山実績はよく考えること。
⑥キーンランドC好走馬、セントウルS5着以内の馬の好走が多い。
⑦大系統ノーザンダンサー系の好走が多い。
→次走狙い馬:ロードカナロア,カレンチャン