2012年　タイム 1’08”3 (良) 1FAve=11.38 3FAve=34.15

ラップ
①12.0-②11.0-③11.1-④11.0-⑤11.3-⑥11.9
1FAveとの誤差
①+0.6 ②-0.4 ③-0.3 ④-0.4 ⑤-0.1 ⑥+0.5
テン34.1-上がり34.2　『一貫』

『一貫』・・・逃げ△　先行○　差し◎　追込△

1着ロードカナロア・・・キングカメハメハ×Storm Cat=ミスプロ×ストームバード　〔2-s〕　９－９
2着エーシンダックマン・・・サクラバクシンオー×スピニングワールド=プリンスリーギフト×ヌレイエフ　〔3-d〕　１－１
3着ケンブリッジエル・・・エイシンプレストン×Caerleon=ニジンスキー×ニジンスキー　〔5-g〕　１２－１２

流れは、テン-上がりのラップ差がほとんどなく『一貫』の流れ。近5年は『一貫』の流れにはならなかったが、それ以前は『一貫』の流れも多く(=04年・05年・06年と3年連続して『一貫』の流れ)、タイム的には近2年とほぼ同じにて、好走した馬は素直に評価してよいと考える。展開的には、差しが最も恵まれ、次いで先行、逃げ・追込には厳しい流れ。

1着ロードカナロアは、前走京阪杯1着(=京都芝1200m)からの好走。京都芝コースは(3-1-0-0)、芝1200m戦は(5-0-0-0)と好走の多い得意条件でした。展開的には恵まれた位置取りでの好走だが、上がりも最速33秒6にて、2着馬エーシンダックマンに0.4秒差をつける圧勝。近走の充実した内容から本格化と考え、今後の活躍にも期待する。
　キングカメハメハ産駒はキングマンボ系で、格の高いレースで究極のスピード競馬(=レコード決着)になるほど凄味をきかす血統。厳しい展開ほど持ち前の底力が活き、2歳から走れる完成度の高さと成長力がある。本格化前は詰め甘な点があることには注意が必要だが、ダービーの時期からは実が入り、成長力も豊富。母父Storm Catはストームバード系で、キレよりも全体のスピードに優れ、ハイペースに強いが、揉まれる競馬が苦手。仕上がりの早さと先行力、軽いスピードを有している。ただし勝負強さや底力には欠けるのと勢いがなくなるとスランプに陥る点には注意が必要。近走の充実した好走内容からは、まだまだ勢いは持続しそうで、勢いが保たれているならば高松宮記念でも面白い存在になると考える。
　No.〔2〕の牝系は、2歳戦から走れる仕上がりの早さとクラシックでも好走する成長能力を有した牝系。古馬での成長力も豊富。直線の長いコースでの末脚勝負に強い。分枝記号sは、立ち回りが上手く、スローの上がり勝負で強い。上級クラスでは展開利が必要。

2着エーシンダックマンは、前走淀短距離Ｓ1着(=京都芝1200m)からの好走。京都芝コースは(2-2-0-5)、芝1200m戦は(4-3-0-7)。近走でタイムを詰め、オープン戦でも好走できるようになった本馬だが、今回も不利な流れの中2着好走は評価したい。
　サクラバクシンオー産駒はプリンスリーギフト系で、テンのダッシュ力に優れ、スピードという意味合いではピカイチの種牡馬。休み明けから好走可能で、使い詰めるとパフォーマンスが低下する鮮度重視の特性がある。持ち時計には限界があり、各馬の能力を示す指標にもなる。サクラバクシンオー産駒は得意重賞があるのだが(=アイビスサマーＤ、セントウルＳ、ファルコンＳ、函館2歳Ｓ、小倉2歳Ｓなど)、このレースではサクラバクシンオー産駒は苦戦の傾向でした(=近5年でも6頭出走し、上位人気馬も多い中連対なしの状態)。今回はその苦手なレースの中での好走という点も評価したいと思います。母父スピニングワールドはヌレイエフ系で、条件戦級はピリっとした脚を使えず、尻を押したくなるジリ脚馬が多い。といって追込にかけると器用さがない悲しさ、展開や馬場の内外の有利不利といった要素に左右される。狙いは時計のかかる馬場やハイペース必死の展開で、条件戦級でも力勝負は望むところ。ゆっくりと成長し、古馬になって一変のある血統。古馬にて好走をするようになった本馬の成長能力は、この母父の特性に起因している面も大きいと思います。
　No.〔3〕の牝系は、2歳戦から走れる仕上がりの早さとクラシックでも好走する成長能力を有した牝系。古馬での成長力も豊富で、東京コースなど広いコースでの好走が多い牝系。分子記号dは、精神的にタフなタイプが多く、遠征や重馬場は苦にしない。また前走好走だと次走でも好走しやすい特性も持つ。今回はこの特性も活きたと考える。次走もこの特性に期待します。

3着ケンブリッジエルは、前走新春Ｓ4着(=京都芝1400m：0.2秒差)からの好走。京都芝コースは(1-3-2-4)、芝1200m戦は(3-7-5-11)。今回は16番人気での激走で、軽ハンデ53㎏と展開に恵まれての好走と考える。
　エイシンプレストン産駒はニジンスキー系で、2歳よりは3歳、3歳よりは4歳と成長するにつれ強くなり、高速馬場よりは時計を要する馬場に向き、スローの瞬発力勝負よりは平均ペースの持続力勝負に向く。母父Caerleonはニジンスキー系で、種牡馬の持ち味を活かしつつ持続するスピードや豊富な成長力を伝える能力に優れている。特に東京と京都外回り、阪神といった直線の長いコースの重賞には強い。2歳戦でも戦える仕上がりの早さと高齢でも侮れないしぶとい成長力も有す。
　No.〔5〕の牝系は、緩いペースよりも厳しいペースで真価を発揮するタイプが多く、人気よりも人気薄で好走することの多い穴タイプの馬が多い。直線の長い芝コースでの好走が多い。分枝記号gは、パワータイプが多く雨も苦にしないが、不器用なタイプも多く厳しい流れで力を発揮する。

シルクロードＳのポイントは、
①どんな流れでも差しが好走しやすく、上がり重視で考えること。
②マイルＧⅠ実績のある血統の好走が多い(=フジキセキ、マンハッタンカフェ、キングカメハメハなど)。
③サクラバクシンオー産駒は苦戦しやすく、人気でも過信禁物。
④京都芝1200m実績も重要。
⑤前走京阪杯好走馬は、0.5秒差以内ならこのレースでも好走しやすく、軸には最適。
⑥穴なら阪神Ｃからのステップ馬。
→次走狙い馬:ロードカナロア,エーシンダックマン     

12.0 - 11.0 - 11.1 - 11.0 - 11.3 - 11.9


前半から34.1と京都1200にしてはまずまず流れた展開。そこから緩めることなく、後半に向けて減速していく競馬。馬場としてはそれなりに時計も掛かる状態だったので、1:08.3という時計自体は悪くないとは思うけど、それでもここまで着差が開いたのは、他が走らなかったのかなという印象が強い。もちろん勝ち馬は相当強いけど。


１着のロードカナロアはまずまずのスタートからじわっと追走し、徐々に下げて好位を狙う。少しごちゃついてそこからポジションを徐々に下げて中団まで。３角で中目、４角で手を動かしグランプリエンゼルを見るような形で追走、出口で外に出して中団、６馬身差ほどで直線。序盤で一頭手ごたえが違うと２番手集団まで一気に押しあがる。Ｌ１でばてたダックマンを楽に捕えて突き抜けた。序盤ロスがあったというか、もう少し前目で競馬する予定が、窮屈になって１列後ろになったという印象。そこから直線突き抜けたけど、ペースが割と早い中で、追走してしんどくなった終いで突き抜けているんだから、これはもう本物でしょう。京都1200ばかりだから、一度スピード勝負でどこまでやれるか見てみたいんだけど。宮記念までにもう一本はさむのかどうか。


２着エーシンダックマンは好スタートから押して押して先行争い、内のヘッドライナーを抑えてハナを取り切る。そのまま変に緩めることなく平均ペースで引っ張る。３～４角でも最内を立ち回って出口で仕掛けて引き離し気味、２馬身差のリードで直線。序盤で一気に３馬身差まで広げて逃げ粘る。Ｌ１で落ち込むと追い込んできたロードカナロアに抵抗できず、最後は何とか２着を死守という形。前走が出来過ぎというのもあるけど、Ｂコース替わりでそこまで内有利の馬場ではなくなっていたのも大きいかな。あと、前回はもっと楽にハナに立てたのもあるかも。ただ、今回は川田が短距離下手で成長しないなあと思っていたのを、考え直せる良い騎乗でした。相手は強かったけど、これであの競馬なら仕方ない。完璧に乗ってくれたと思いますね。逃げ不利のラップ構成で良く頑張っているし、ロードカナロアはともかく、他とは力の差を見せたと言っていいでしょう。


３着ケンブリッジエルはまずまずのスタートから先行争いを無視して馬なりで後方まで下がっていく。３角で中目追走、４角でロードカナロアの後ろを狙うが少し挟まれて再度追われ、後方で直線。序盤で外に出したロードの後ろに進路を取るが伸びきれず中団ぐらいまで。Ｌ１でばてずにグングン伸びてくると、最後はエーシンまで食うかという勢いで、３番手集団をまとめて差し切り３着確保で波乱を演出。追い切りの動きは良かったので、出来は良かったと思います。今回はラップ的には坂のある前半で飛ばした先行馬には辛い競馬で、上位はほぼ中団～追込み。展開も向いたし、こういう馬場もよかった。和田が上手くロードの後ろを確保して抜け出せたのも大きい。色々嵌った３着ですが、最後はばてずに伸びていたので、ここは評価。53kgではあったけど。まあ、条件が揃えば今後もどこかでという気はしますね。


４着ツルマルレオンは出遅れて最後方グループからの競馬。前半は諦める。３～４角で内目から大外を追走も押し上げられずに最後方グループで直線。序盤で大外からジリジリ伸びる。Ｌ１で大外から強襲も、伸び届かずの４着となった。ま、出遅れは別にしても、展開が嵌ったのは確かでしょう。ただロスも多かったし、最速地点でのものだったので、ハンデ含めてもケンブリッジエルよりは評価できるんじゃないですかね。この馬としては休み明けで上々という競馬でしょう。次走が怖い１頭。


５着グランプリエンゼルは出負けして押して追走、外目から徐々に押し上げていき、好位で３角。３角で中目を追走し、４角で外に出して中団５馬身差程で直線。序盤で追われるがジリジリ、一気にロードにおいて行かれる。Ｌ１でも伸びきれず、中途半端な内容で５着となった。ん～藤岡らしいようならしくないような、序盤から追走して脚を無くすパターンは藤岡としては珍しい。まあ、勝ち馬は別として、この馬には合う馬場状態、展開でもあっただけに、もう少し控えてもよかったんじゃないかなあ。1200ｍだと序盤のスピード不足なのは今までからも確かだし、今回の京都では割と早い流れの中で、序盤に脚を使ったのが終いの伸びきれなさにつながったと思われる。やっぱりこのクラスだと1200ｍはちと短い気がするね。


15着エーシンヴァーゴウは五分のスタートから押して楽に先行争い。３角手前で窮屈になってブレーキを掛けるような感じになる。３角の下りで行き脚がついて前の馬が壁になりブレーキ。そのまま再度仕掛け、中団で直線。序盤でもう伸びがなく、そのまま失速。完全に騎乗ミスですね。パトロール見ると岩田のマジンが寄ってきていて、確かに壁になってはいるんだけど、譲らないなら譲らないと主張するか、坂の手前までに下げてスペースを空けておくかのどちらかがないと、３角の下りで前が壁になって終わりとか流石に酷い。不利自体もあったけど、敗因は完全に３角で勢いがついたのを殺したところでしょう。淀1200の競馬を理解できていない。期待の騎手だから、しっかり敗因分析して頑張ってほしいね。まあ今のところ田辺は阪神向きだと思う。


16着ダノンフェアリーはやや出負けして押して追走、好位ぐらいにはつけるが、ここでルメールが行き過ぎとみるや抑えて口を割っている感じ。３角のくだりでもまだ力んでいて、中目追走。４角で中目のまま好位で直線。序盤で脚なくそのまま追われずに失速。まあ最下位まで下がったのは勝負あったと追わなかった部分もあるだろうが、基本的には騎手のミスだろう。出負け→追う→良い位置取りに着く→ブレーキ→掛かる。これは外人でも一緒なんだなと。ま、今年のルメールはど下手くそだから、こんなもんかも。今までの内容からも小器用なタイプではなく、スピードに乗ってなだれ込む感じだし、京都なら序盤無理せず中団から坂の加速でという感じの方が良い気がする。今回みたいに序盤～中盤でスムーズさを欠いたらダメなタイプに感じますね。まあ、今回はあまり気にしなくていいかな。小倉や中山みたいにあまり小細工が利かないコースで一変かも。


「競馬をやって何が悪い」をよろしくお願いしますm(_ _)m
http://naniwaru.2chblog.jp/archives/5811943.html
→次走狙い馬:エーシンヴァーゴウ,ツルマルレオン     

ロードカナロア
圧勝。今までの成績とレース内容、不当に背負わされることもなかった斤量を考えればオッズの通り妥当なのかも。
思った以上に後ろからの競馬に。直線を向いた時に他馬に被せられていたら危なかったことは否めませんが、結果的に溜めても伸びるということは証明できたか。
敢えて苦言を言えば最後にヨレていたことですかね。いやしかしこれももっとしっかりすれば修正されてくるのかな。まだ成長の余地を残しているということか…恐ろしいな。
さて次はG1。新しい中京コースは未経験の左回りでなおかつ坂もあるので嫌う余地もないことはない。今まで期待していた馬だから今さら嫌うこともないんですが。まずは無事に。


エーシンダックマン
ヘッドライナーの方がいいスタートでしたがハナヘ。ハナに立ってからは変に絡まれることなく直線へ。
突き離したときは圧勝まであるかと思いましたが、馬場は先週までとは違うものになっていたから…
レース後の川田騎手は
「重賞を勝っている馬と同斤量なのは納得いかない」
と言ってますね。言いますね。ダッシャーゴーゴーと同じ厩舎の馬にそんなこと言っちゃって…
高松宮記念はこの馬で狙っているってことなのかな？


ツルマルレオン
出負け。腹を決めて最後方から終いを生かす競馬に切り替えたことが最後の豪脚を生みました。出遅れたら焦って追いつこうとする騎手が乗っていなくて良かったです。
休み明けの太め残りであの脚を見せてしまっては次は人気必至。正直旨みはなくなりますが1200mならば重賞でも通用することがわかりましたから(わたし最初からわかってましたが)、無茶な使い方でもしない限りは嫌うこともないでしょう。
レースぶりにはハラハラさせられますけどね。


スギノエンデバー
内が絶対有利だった淀短距離Sで内枠を生かす競馬ができていた馬。今回も内枠を引いてロスなく回ったものの直線は詰まり通し。
エーシンダックマン以外の内にいた馬はロードカナロアに掃除されてしまって掲示板に載ったのは二桁馬番の馬ばかり。これは逆に詰まっていなければ馬券になっていたであろうこの馬の力を証明してはいないだろうか。再度内枠なら。


エーシンヴァーゴウ
夏馬もしくは斤量に敗因を求めていいのでしょうけどあまりに負けすぎでは？かなり力んで走っているように見えましたし、やはり夏場がいいのでしょう。
レースレベル：3
→次走狙い馬:ツルマルレオン,スギノエンデバー
→次走危険馬:エーシンヴァーゴウ  

　ロードカナロアが危なげなく勝利、連勝を５に伸ばしました、１２００では負けなしの６勝目。

　スタートの速さ、センス、能力とどれを取っても高く、これだけ欠点のない馬はまれでしょう、どこまでいけるか楽しみです。

　２着にエーシンダックマン、前走は強い逃げ切りでしたが、気分良く逃げられないと力の出せない馬だと思っていました。今回も単独で逃げていますが、すぐ後ろにヘッドライナーがいてもマイペースで競馬が出来ていました、他の馬を気にするというわけじゃなく、スローに落とすわけでなければちゃんと走ってくれるということなのでしょう。
　今回は勝った馬が強かったですが、重賞でも通用しますね。

　エーシンヴァーゴウは１５着と大敗。ここまで負けると実力は出せていないと見て、度外視してもいいのかもしれませんが、レース振りがとにかく悪かったと思います。
　少し控えたのは走りに幅を持たせたかったのか、ただ無理をさせたくなかったのか・・・？
　どちらにしても、今までのレースで培ってきたものがふいになったような予感、夏まで静観すべきかも。
レースレベル：4
→次走狙い馬:ロードカナロア,エーシンダックマン
→次走危険馬:エーシンヴァーゴウ