1:36.4 12.1 - 11.0 - 11.9 - 12.7 - 12.9 - 12.4 - 11.5 - 11.9
個人的には凄い不愉快なレースではあったけど、全体としてもちょっと消化不良のレースになっている。前後半が速くて中盤が緩い、俗に言う中弛みが強烈なレースになっている。当然だけど、前半脚を使って前に行った馬には辛い競馬だし、緩んだところで内に入り込んで進路なくブレーキをかけざるを得なくなった馬も辛くなった。ハッキリ言って、無策に外をまわしていた馬が不利を受けずに結果的に押し上げる形で前~中盤をフラットに回れ、余力を持って直線を向けたというのも大きい。個人的な分析は後方有利だったとみていいと思う。
1着イジゲンは完全に出遅れて最後方からの競馬。すぐに集団に取り付いて外目で3角を迎える。中弛みで馬群が凝縮したところに、抑えずに馬なりで外を回して3角を通すと4角でもペースが上がらないので楽に押し上げて2列目外で直線。序盤でその勢いを殺さずに一気に先頭に立って、L2で抜け出したがL1で甘くなってガンジスに少し詰められた。それでも余裕あっての勝利。まあ、見た目的インパクトは凄かったんだけど、ラップ見て萎えた。こんなの全然たいしたことないですよ。緩んだところで押し上げて、前の仕掛けも遅いんだもん。緩いところで外を回すロスなんてないし、むしろ最速地点に向けてスムーズに加速しながら迎えるんだから最高の展開だよね。ハッキリ言って凡戦です。勝ったと言っても出遅れて緩急の流れに巻き込まれなかったことが最大要因。この枠で変にスタート良くて先行争いに巻き込まれてごちゃついてたら終わってたし、今回は出遅れて良かったと思いますね。まあ、凡戦とはいえ勝ったわけなので評価を下げる必要はない。ただし、芝スタートだからゲートが良くなるってわけではないということが判明したし、今回も緩んで押し上げるポイントが有り有りだったので良かったけど、平均ペースだったら詰められずに終わってた可能性が高い。今後もリスクはかなり孕んでいると思います。個人的にはそんなに強い馬ではないと思っています。ホッコータルマエに東京マイルでは勝てないだろうね。つか捲りってペースが上がった時にやる馬は強いけど、ペースが遅い時に捲るってのは定石だからね。それでも東京だと4角で前にペースアップされやすいし、そこでペースアップすると最速地点で置かれてしまうロスがあるから捲りにくいんだけど、今回は4角でもまだペースが上がらなかった。てか直線序盤でも上がらなかった。かなり特殊な競馬なので、本当に良い意味でも悪い意味でも全く当てにならないと思った方が良い。
2着ガンジスはまずまずのスタートを切ったが、無理せずに中団で競馬を進める。少し折り合いに苦労している感じはあったけど、ペースも緩んで更に折り合いに苦労。そこに外から捲られて徐々にポジションを落として3角。3角でも中目中団で追走、4角で大きく内外広がった中で、中目の2列目で直線。序盤まだ緩い地点で前が壁、順々に加速していたイジゲンに先に行かせてからゴーサイン。L2でそこから置かれずにしっかり反応して徐々にイジゲンのスピードに追い付くと、最後は更に加速してイジゲンを詰めての2着。完全に展開のアヤですね。直線序盤は縦のポジションは同じでも、内目で前が壁。イジゲンが1列目に上がるまで、自身は進路が無くてペースアップできず。これが12.4でまだ遅い地点での話。そこから11.5に一気にギアチェンジを強いられるレースになっているのだが、イジゲンは12.4のところでそれより速いラップで押し上げているから当然楽に11.5に近い脚を使えるんだけど、この馬は12.4のところで進路確保のために加速できずに、最速地点の11.5のところを迎えている。これはラップ分析からは極めて致命的なロス。実際ここで3馬身ぐらいは抜け出されているわけだし、イジゲンがラスト11.9でまとめているから難しい。完全に展開のアヤです。まあ距離不安があって蛯名が大事に乗りたい気持ちもわからなくはないんだけど、今回の騎乗云々で言うならば良い騎乗ではなかった。それでもこの馬のギアチェンジ能力の高さとトップスピードの高さで何とか2着には入ったというだけの内容。このレース上位で一番評価すべき馬は間違いなくこの馬。覚えておいた方が良いです。
3着ダノンカモンは五分のスタートから中団で競馬。道中かなり追走に苦労していて必死に追われていて3角。3角緩んだところで前が壁になってしまい、ここで少しブレーキ。4角で中目追走し、イジゲンの直後でやや後方で直線。序盤で先にトップスピードに入っているイジゲンに突き放されてしまい、L2でも反応乏しくガンジスにスペースに入られて先に抜け出される。L1でばてずにジリジリと伸びて3着は確保した内容。まあ、展開を考えればこの馬もベストではない。厳しいところでおっつけて追走。緩んだところで前が壁、外からフラットな競馬をした馬に先を越される。直線序盤も急加速を強いられたのでトップスピードに乗るのに時間が掛かった。イジゲンとの敗因はポジション負け、レース運びの差でしょう。ただし、2着のガンジスはこの馬よりも明らかに加速に手間取るレースの流れだったにもかかわらず、先に加速されているのだからギアチェンジ能力で完全に負けた形。今回の適性勝負では完敗ということでしょう。この馬は基本的にはポテンシャル勝負向きなので、こういったギアチェンジ能力で負けたと言っても参考外のレベルですが、まあそれでも物差しとしては最低限頑張ったかなと。武士沢も最低限の代打騎乗はできたかなというところ。
4着アドマイヤロイヤルは五分のスタートからある程度追走して中団。3角手前の緩みで前のスペースが詰まるのを避けて後方に下げる。3~4角では最内前にスペースを保ったまま上手く運んで後方内で直線。序盤で進路はないが、内にスペースがシッカリ開いていたためにとりあえず前との差を詰めるという形。L2で進路を見つけたか、ガッチリと追われるとしっかりと反応して伸びを見せる。L1でもそのまま伸びてくるが、流石に伸び脚急とまではいかず、3着争いに加わる程度の4着完敗だった。あそこまで中弛みがあって内を通してたらちょっと辛かったな。それでも流石アンカツで、焦らずに前のスペースをしっかり確保して、追い出す場所を確保できたまま直線を向けた。その分、進路がないから加速できないなんてこともなく、L2の進路確保までにしっかりと順を追ってトップスピードに乗せてあげたことが、L2の鋭い脚に繋がったと思う。齢をとっても流石はアンカツだなという所を見せてくれた。まだまだ侮れない爺さんだw馬はこういったトップスピード勝負は大歓迎の口なので、中弛みがあったこと自体はそこまでマイナスにはならなかったとは思う。相対的に不利だった実力馬の方が多いので。この馬は正直まだまだ重賞で勝ち切るというほどのポテンシャルは見せていないし、マイルはギアチェンジ能力とトップスピードでごまかしてるけど、ベストは1400だと思うなあ。
5着ストローハットはやや出負けして後方。道中は内目の後方でじっとしている感じ。3角の緩みでもイジゲンらが外を行くのに対して内で溜める競馬。4角で前の壁を目標に後方で直線。序盤で中目から意外と進路に困らずにジリジリと加速してくる。L2で並んでいたガンジスに楽に突き放され、自身はジリジリ。最後までジリジリとばてず伸びずの5着。ん~ちょっと微妙な内容。出負けしたことで、中弛みに対しては上手く対応できたはずだし、最後まで脚を溜める選択肢をした割に直線序盤から進路はあったので、少なくとも加速にはそこまで手間取るような形ではなかったと思うんだけど、想像以上にキレがなかった。まあトップスピード型じゃないんでしょう、恐らく。ポテンシャルが問われる競馬になってどこまでできるか。一度1400mを使ってみてほしい気はする。いずれにせよこういったギアチェンジやトップスピードの適性面が問われたらガンジスには勝てないでしょう。
6着ナムラタイタンは五分のスタートを切ったが、早い段階で後ろに下げて競馬。後方集団の馬群の中で競馬をしていたが3角手前の緩みで凝縮しスペースが無くなってブレーキ。後方に下げざるを得なくなる。3角でもまだ仕掛けず、4角で少し仕掛けだして最後方列で直線。序盤で追われるが反応で見劣り後方のまま。エンジンが掛かったラストで漸くスピードに乗って押し上げてはきたが前を詰めるには至らずの6着完敗。まあこの展開で動かなければ、どう乗っても勝ちはなかったとは思うけど、それにしてもひどい競馬だったのは間違いない。かなり早い段階で下げていたが、そのせいで序盤窮屈なポジションになったし、中弛みを想定していなかったので、スペースを潰されたときに何の対応もできなかった。まあ、中弛み自体を見通せというのはちょっと難しいし、ここまでならまだ許せるが、3角で馬群凝縮の原因である中弛みを理解できずに、他馬が外から上がって行っているのに無視して後方のまま。このラップ推移で4角最後方、それも加速もスムーズにできていない中でとくれば勝てるどころか馬券圏外も確定だわなという内容。まあ、騎手で負けましたね。熊沢は致命的にペースが読めないしポジション取りが下手くそなので、仕方ないけどまあこのレースは酷かった。ポテンシャルが最大の武器で、多少トップスピードが問われたって加速できるポジションさえ確保していれば大きくは崩れないんだけどなあ。実際伸びてきているし、あれをイジゲンのワンテンポ後ででも押し上げてやっていればまず3着は外さなかったと思うんだな、今回の展開でも4角で加速する流れになっても。ま、全くの参考外で良いと思います。というか次は太宰で頼む、本気で。本当にこの敗戦はこの馬にとってはかわいそう。休み明けで反応がね~とか言ってるけど、そらあんな流れに乗れない競馬してたら反応も悪いに決まってるわ。30kmから60kmに加速するのと50kmから60kmに加速するの、どっちが楽?って話。あのペースなので脚は余っているはずだしね。完全に出し切れずに終わった。鞍上が戻れば当然買えます。まあ、展開面では不運だったけどね~冷静になってみて、多少同情の余地はあるけど、でもやっぱ仕掛け遅れをこの馬でするってのがねえ、許せないねえ。馬券圏外まで行ったのは間違いなく騎手の仕掛けミスだねえ。
7着トリップはやや出負けするが、すぐにスピードに乗って先行集団。最終的には3列目で競馬。レースが落ち着く前に少し抑えているような形でポジションを下げる。3角で内目、レース自体が緩んで馬群凝縮になるが、先に緩めた分、前のスペースがあってここをスムーズにクリアする。それでも4角で2列目の中目、前が完全に壁になって出すところなく前にスペースもなく直線を迎える。序盤は我慢の競馬で、一旦進路を見つけてゴーサインしたかに見えたがバーディバーディがふらついたかブレーキをかけてL2。L2でようやく進路を確保しきると内からジリジリと伸びてはきたが、最後は甘くなっての7着。まあ今回の競馬ではちょっとポテンシャルどうこうってのは先送りになったかなと。中弛み地点では割とスムーズな競馬はできたけど、それでも進路がなかったし相対的にポジションを下げる形になった。L3で進路が開いていれば抜け出せそうな手ごたえだったけど、この遅い地点で不利を受けて最速地点を迎えていることを考えると内容面では決して悪い競馬ではない。力が出し切れなかったし展開不利だったので、まあノーカウントが妥当な所かな。序盤のスピードは良いものがあったし、芝スタートならマイルの距離にも対応できそうな感じはある。
15着ナムラビクターはスタートを五分に切ってハナ争い。最終的に2列目の内ポケットで競馬。3角の緩みでもしっかり対応して折り合いを欠くこともなくスムーズに最内。4角でも最内でスムーズに流れ、出口で仕掛けて2列目最内で直線。序盤でしっかり進路を取って最内からしぶとく抜け出して一旦は見せ場を作ったがL2で伸びが消えると最後は沈んでの15着大惨敗。ん~~~。とりあえず収穫は芝スタートで前に行けたスピードを見せることができたこと。ただ、今回に限っては中弛みの展開だったし、序盤のスピードは全く意味を成さなくて、この馬のこれまでの持ち味である後半勝負の方が結果的には良かったと思う。先を見据えての競馬だとは思うけど、今回はちょっとかわいそうだったな。中弛みにはしっかり対応していたように見えたんだけど。そこからの加速戦で遅い地点では抜け出せてももう一段階ギアを入れるには序盤脚を使いすぎたという形だと思う。まあ、前後半が速い競馬で、前半に脚を使ったのにリードを取れなかったわけなので、展開的には苦しかったし、これまでにない競馬なので、ある程度度外視で良いと思う。マイペースで運んで後半勝負向きだと現時点では思うし、トップスピード型ではなくて、持続力を活かすポテンシャル型だと思う。今回みたいに器用さを問われるとちょっと苦しいのかもしれない。
http://blog.livedoor.jp/catassan/
→次走狙い馬:ナムラタイタン,ガンジス
→次走危険馬:イジゲン,アドマイヤロイヤル