2013年 タイム 1’06”7 (良) 1FAve=11.12 3FAve=33.35
ラップ
①11.6-②10.0-③10.6-④11.1-⑤11.5-⑥11.9
1FAveとの誤差
①+0.5 ②-1.1 ③-0.5 ④±0 ⑤+0.4 ⑥+0.8
テン32.2-上がり34.5 『前傾』
『前傾』・・・逃げ× 先行△ 差し○ 追込◎
1着ツルマルレオン・・・ハーツクライ×Kingmambo=サンデーサイレンス×キングマンボ 〔3〕 10-10
2着ニンジャ・・・グラスワンダー×アドマイヤベガ=ロベルト×サンデーサイレンス 〔1-n〕 13-14
3着バーバラ・・・ディープインパクト×Dixieland Band=サンデーサイレンス×ノーザンダンサー 〔8-g〕 7-8
流れは、テン-上がりのラップ差から『前傾』の流れ。北九州記念はコース形態も相まって、毎年『前傾』の流れとなるのだが、やはり今年もテン32秒2と速い流れで、タイムも近5年では速いタイム。展開的には、追込が最も恵まれ、次いで差し、逃げ・先行には厳しい流れと考える。
1着ツルマルレオンは、前走バーデンBC8着(=福島芝1200m:0.6秒差)からの激走。小倉芝コースは(1-0-0-1)、芝1200m戦は(2-0-1-10)でした。前走は小回り福島コースを、後方からの競馬で追込んでも届かずの内容で、今回差し馬の好走が多い北九州記念で展開的にも恵まれての1着好走。血統的には速い時計に対応できる父×母父でもあり、また小倉芝コースで要注意のトニービン系を内包するサンデーサイレンス系という点でも侮ってはいけない馬だったと反省する。
ハーツクライ産駒はサンデーサイレンス系で、ハーツクライ自身はサンデーサイレンス×トニービン配合。母父トニービンの不器用さをやや受け継ぐタイプが多く、一瞬でエンジンがかかり加速できる器用さはないが、助走をつけて末脚が全開になりギアが入れば長く良い脚を繰り出す。馬群の外をのびのび走れるコース向き。サンデーサイレンス系としては、ダンスインザダーク産駒に近く、点火しづらい弱点を持ちつつ、嵌れば大仕事という“難儀なステイヤー血統”。ペースが締まるGⅠほど、大駆けが期待できる。また距離が延びて成績が良くなる馬も多く、本質は中距離~クラシックが能力を活かしやすい。牡馬は芝1800m~2600m、牝馬は芝1400m~2000mを中心に走る。後方一気型は展開に左右され、直線だけの勝負や、内しか伸びない馬場は不発多数。スローが苦手なわけではなく、前半じっくり追走して、助走付きのロングスパートが出来れば好走可能。長い直線+剛腕騎手はプラス条件になる。父ハーツクライはトニービン系の特性を有するスタミナ型サンデーサイレンス系でもあり、速い時計にも対応できる小倉向きの血統でした。またステイヤー血統にて相手強化の重賞挑戦はプラス要因となる。母父Kingmamboはキングマンボ系で、格の高いレースで究極のスピード競馬(=レコード決着)になるほど凄味をきかす血統。究極のスピード勝負に強く厳しい展開こそ持ち味が活きるタイプ。
No.〔3〕の牝系は、2歳戦から走れる仕上がりの早さとクラシックでも好走する成長能力を有した牝系。直線の長いコースでの末脚勝負にも強く、東京や京都芝コースでの好走も多い。分枝記号なしは、やや晩成気味ながらも、平均的に能力を発揮するタイプと考える。
2着ニンジャは、前走1000万条件戦九州スポーツ杯1着(=小倉芝1200m)からの好走。小倉芝コースは(2-0-0-1)、芝1200m戦は(2-0-0-3)でした。前走は上がり最速33秒1にて好走。外枠の差し馬として今回展開は向きそうで、格上挑戦ながらも強敵相手に好走するロベルト系の特性と、53kgと軽量な点もプラス要因と考えて好走に期待して評価し、結果2着好走。本馬も展開的に恵まれた馬であり、また好走しやすい前述の条件が揃っていたとはいえ、好走したことは評価したい。また本馬の母父アドマイヤベガは、やはりトニービン系を内包したサンデーサイレンス系で、この点も好走血統としてのポイントだったと考える。
グラスワンダー産駒はロベルト系で、グラスワンダーの母父ダンチヒの特性も活かしやすい「ダンチヒ型」と父系そのままの「ロベルト型」とがいる。得意距離や得意コースがピンポイントで存在し、守備範囲がはっきりしている。スピードの豊かなタイプが「ダンチヒ型」で、ハイペースの二枚腰が持ち味で、時計勝負を苦にせず内枠や小回りの成績が良い。「ロベルト型」は、叩き良化型で根幹距離の厳しい流れが向き、不器用だが底力を問われたりスタミナのいる展開でこそのタイプ。能力が開花する中長距離に向き、成長力に富み、若い時期はジリ脚で詰めの甘かった馬が、切れ味を身に付けて上昇する。母父アドマイヤベガはスタミナ型サンデーサイレンス系で、同じ重賞で違う産駒が良く好走する特性がある。また前走0.5秒差以内で5着以内で好走した馬が次走も好走しやすい特性も併せ持つが、近年は高齢馬も増えてきたため毎回堅実に走る馬は少なくなり、叩かれながら上昇する馬や得意コースで一変する馬などムラ駆けの傾向が強まっている。また人気だと不発になることも多いが伏兵の立場だと好走しやすいタイプでもある。
タイプ。
No.〔1〕の牝系は、クラシックで好走が多く3歳春にはある程度完成する、完成度が高く仕上がりの早い牝系。3歳秋以降は緩やかに成長する。分枝記号nは、仕上がり早で素軽いスピードと立ち回りの上手さが持ち味。底力には欠けるが器用さでカバーする。
3着バーバラは、前走1600万条件戦佐世保S1着(=小倉芝1200m)からの好走。小倉芝コースは(1-0-0-0)、芝1200m戦は(5-0-0-2)でした。斤量53kgと軽量で、外枠を活かしての差しての好走。北九州記念では外枠の軽量の馬の好走が多く、展開的にも外差しが決まりやすいと思われ、この手のタイプを来年以降にも狙いたいと反省する。
ディープインパクト産駒はサンデーサイレンス系で、広いコースで加速をつけながら全開になる末脚が武器で、スローで脚を溜めてキレキレの瞬発力を繰り出す。一瞬でトップスピードに乗れるタイプと点火に時間がかかるタイプがいて、前者は馬体重が軽い馬、後者は馬体重の重い馬が多い。それから母系がスピード型だと一瞬の反応が速く、母系がスタミナ型だとトップスピードに乗るまで時間を要する。また道中が速いペースだと脚をなし崩しに使わされて末脚が鈍るので、距離短縮の速い流れの時には過信禁物。逆に距離延長で緩い流れとなるときには狙い目。スローでしか好走歴のない馬の距離短縮時は、疑って掛かる方が良い。ゆったりローテーションに強く、間隔が詰まるのも良くない。母父Dixieland Bandはノーザンダンサー系で、スタミナはもとよりパワーもあり、力のいる馬場を先行させたら強い。差す展開では取りこぼしは多々あるが、ローカルD1700mよりも中央のD1800mや大井に向く。2歳よりは3歳、3歳よりも古馬と成長力はある。
No.〔8〕の牝系は、2歳~3歳春シーズンも好走は可能だが人気の時には詰めが甘い特性があり、本領発揮は3歳秋以降で古馬で真価を発揮するタイプが多い。叩き良化型で、高速時計にも強い。分枝記号gは、パワータイプが多く雨も苦にしないが、不器用なタイプも多く厳しい流れで力を発揮する。
北九州記念のポイントは、
①流れは、『前傾』。サマースプリントシリーズでは珍しく、前よりも後ろから差す馬を中心に据えると、展開的にも好走が多い。
②小倉芝コースは時計が速いため、速い時計に対応できる血統に注目。サクラバクシンオー産駒、ヴァイスリージェント系、キングマンボ系などスピードに優れ、レコード決着でも好走するような血統に注目。
③小倉芝コースはトニービン系の好走が多く、トニービン系を内包する馬にも注目。
④No.〔2〕の牝系は好走多し。
⑤近走の上がり上位馬に注目。
⑥外枠の軽量馬の差しに注意。
→次走狙い馬:ツルマルレオン,ニンジャ