2013年 タイム 1’58”9 (稍重) 1FAve=11.89 3FAve=35.67
ラップ
①13.0-②11.1-③11.5-④12.0-⑤12.3-⑥12.4-⑦11.9-⑧11.4-⑨10.8-⑩12.5
1FAveとの誤差
①+1.1 ②-0.8 ③-0.4 ④+0.1 ⑤+0.4 ⑥+0.5 ⑦±0 ⑧-0.5 ⑨-1.1 ⑩+0.6
テン35.6-中盤48.6(3F換算36.45)-上がり34.7 『加速・中弛み』
『加速』・・・逃げ◎ 先行○ 差し△ 追込×
『中弛み』・・・逃げ◎ 先行△ 差し× 追込○
1着コスモネモシン・・・ゼンノロブロイ×Singspiel=サンデーサイレンス×サドラーズウェルズ 〔14-c〕 9-10
2着エクスペディション・・・ステイゴールド×Lyphard=サンデーサイレンス×リファール 〔2-f〕 1-1
3着ファタモルガーナ・・・ディープインパクト×エリシオ=サンデーサイレンス×ノーザンダンサー 〔1-x〕 3-3
流れは、テン-上がりのラップ差から『加速』と中盤の弛みから『中弛み』の複合ラップ。展開的には、逃げが最も恵まれ、次いで先行、差し・追込には厳しい流れと考える。
1着コスモネモシンは、前走クイーンS7着(=函館芝1800m:1.2秒差)からの激走。新潟芝コースは(0-1-0-1)、芝2000m戦は(0-0-2-7)でした。これまでは不良馬場での好走歴はあったが、稍重や重馬場では好走歴はなく、10番人気という人気薄での一発での1着好走。他馬が苦労する中、上がり最速34秒2で好走しました。確かにゼンノロブロイ産駒は道悪上手ではあり、母父サドラーズウェルズ系ということを考えると道悪適性は高い馬と考えられなくはないのだが、これまでの実績がない状態で、また近走成績も今一つという状態では、完全に侮ってしまいました。ハンデは52kgと軽かったが、やはり狙い撃つのは難しい馬だったと考えます。展開的には不利な位置取りでの好走と考えると、評価したいところだが、6歳牝馬ということを考えると燃え尽きる前の最後の激走とも思えるので、次走過信は禁物と考えたい。
ゼンノロブロイ産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、脚を溜めて鋭くキレるタイプが多いサンデーサイレンス系の中で、速いペースを追いかけて前で展開し踏ん張る競馬もこなせる適性の広さが持ち味。フジキセキ+マンハッタンカフェ的な特徴を有し、万能型のイメージ。人気馬がしっかり好走する比較的堅実なタイプが多い。産駒は中山芝コースでの好走が多く、東京芝コースでは3着になることが多いのが特徴で、コーナーワークが上手いということで小回りのローカルコースにも向くと考える。また産駒は道悪で馬場が悪くなっても好走可能なタイプが多く、10年オークス(=やや重)などからも馬場が渋って距離延長なら好走しやすい特徴を有している。体力は豊富で、リフレッシュ効果が大きく、鮮度の活かせる休み明けで立ち直る馬が多い傾向もある。母父Singspielはサドラーズウェルズ系で、距離に関係なくハイペースを先行して押し切るスタミナと底力がある。マイル~中距離ではスピードにも優れている。海外では中距離もこなすが、日本では特にマイル重賞を得意とし、淀みなく流れる流れや底力の問われる展開で本領を発揮する。
No.〔14〕の牝系は、早い時期にも活躍する馬もいるが、総じて晩成型で古馬になって強さを発揮する。分枝記号cは、開幕週・最終週や重馬場での持久力勝負に強い傾向。欧州的な瞬発力を秘めるがゴチャつく展開は苦手。
2着エクスペディションは、前走小倉記念6着(=小倉芝2000m:0.8秒差)からの激走。新潟芝コースは(0-0-0-1)、芝2000m戦は(3-2-1-6)でした。近2走は今一つな成績だが、3走前には鳴尾記念2着(=阪神芝2000m:0.2秒差)と好走していて、能力的に見限るのはまだ早いと考えて、好走に期待して評価し、結果2着好走。年齢を重ねた今、以前は小回りコース向きの器用さが活きたが、今はズブサもあると思うため広いコースの方が嵌ると考えて好走に期待し、今回好走したと考える。鳴尾記念2着や今回の新潟記念2着という結果をみると、まだまだGⅢなら好走も可能な馬と思うが、GⅠに向けて考えるならば能力的にも今後下降線をたどると思われ、好走は難しいのではと考える。
ステイゴールド産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系。ステイゴールドは母父ディクタスの特性がでていて、サンデーサイレンスというよりはサッカーボーイに近い特徴があり、夏~秋にかけてよく軌道に乗ることが多い。ディクタスのスタミナ型の特性とまた強敵相手に食い下がる勝負根性は、ステイゴールド産駒の持ち味。1戦燃焼型のタイプも多く、惨敗後から涼しく巻き返す能力も高い。断然人気よりも穴で狙いたいタイプで、人気馬よりもその人気馬をマークする立場の方が好走しやすい。母父Lyphardはリファール系で、スピードよりも底力を前面に出して勝負するタイプで、大レースに強い反面、条件戦級はズブさが目立つ。マイルから2400mまで幅広い距離をこなし、個々によって得意距離は違ってくる。力のいる馬場も得意。
No.〔2〕の牝系は、2歳戦から走れる仕上がりの早さとクラシックでも好走する成長能力を有した牝系。古馬での成長力も豊富。直線の長いコースでの末脚勝負に強い。分枝記号fは、休養明けは苦にしない反面、叩いて一変が少ないタイプ。前走好走だと調子は維持と考えて好走が期待できる。また不器用だが、決め手鋭く瞬発力勝負に強い特性がある。
3着ファタモルガーナは、前走七夕賞6着(=福島芝2000m:0.7秒差)からの好走。新潟芝コースは(1-0-0-0)、芝2000m戦は(1-0-0-3)でした。前走は約4か月半の休み明けで七夕賞6着という内容は、もう少し評価すべきだったと反省します。12年ステイヤーズS2着(=中山芝3600m)好走歴がある点からもステイヤーの特性を有していたと思われ、叩き良化型であると考えて、前走よりも状態は上向きになると考えるべきでした。稍重の馬場実績も(1-0-1-0)とあった馬にて、侮ってしまったことは反省します。5歳馬ということで、今回の1・2着馬よりも次走での好走には期待できると考えて、評価したいと思います。
ディープインパクト産駒はサンデーサイレンス系で、広いコースで加速をつけながら全開になる末脚が武器で、スローで脚を溜めてキレキレの瞬発力を繰り出す。一瞬でトップスピードに乗れるタイプと点火に時間がかかるタイプがいて、前者は馬体重が軽い馬、後者は馬体重の重い馬が多い。それから母系がスピード型だと一瞬の反応が速く、母系がスタミナ型だとトップスピードに乗るまで時間を要する。また道中が速いペースだと脚をなし崩しに使わされて末脚が鈍るので、距離短縮の速い流れの時には過信禁物。逆に距離延長で緩い流れとなるときには狙い目。スローでしか好走歴のない馬の距離短縮時は、疑って掛かる方が良い。ゆったりローテーションに強く、間隔が詰まるのも良くない。母父エリシオはノーザンダンサー系で、2~3歳の早い時期に好走する仕上がりの早い馬もいるが、総じて本格化するなら古馬で、中距離以上で活躍するスタミナを秘めている。芝は軽い馬場のスピード勝負より、時計のかかる馬場での消耗戦で能力を発揮する。
No.〔1〕の牝系は、クラシックで好走が多く3歳春にはある程度完成する、完成度が高く仕上がりの早い牝系。3歳秋以降は緩やかに成長する。分枝記号xは、地味にこつこつと力をつけて重賞で好走するタイプ。
今回上位好走した馬は、全てサンデーサイレンス系×大系統ノーザンダンサー系配合馬。例年新潟記念では、トニービン系の特性を有した馬の好走が多く、その点に注目しがちだったが、サンデーサイレンス系×大系統ノーザンダンサー系の配合馬の好走も多い傾向がありました。今回のように馬場が悪化した場合は、その傾向が顕著になると思われ、今後サンデーサイレンス系×大系統ノーザンダンサー系配合馬にも注目したいと反省します。
新潟記念のポイントは、
①上がり勝負になりやすいが、流れ次第で好走する馬の位置取りが変わる。差し・追込が届く流れになるかを良く考えること。
②スタミナ型サンデーサイレンス系向きの重賞。
③グレイソヴリン系やリファール系にも向くので、スタミナが必要。
④サンデーサイレンス系×大系統ノーザンダンサー系にも注目。
⑤リピーターが好走しやすく、好走した血統配合馬も注意が必要。
⑥七夕賞・小倉記念組は、好走馬は小回り向きが多く、適性が向かずに負けた馬の反撃が期待できる。特に5着前後に負けた馬は、調子自体は悪くないので、反撃の期待大となる。
→次走狙い馬:ファタモルガーナ
→次走危険馬:コスモネモシン,エクスペディション