2014年 タイム 1’33”2 (良) 1FAve=11.65 3FAve=34.95
ラップ
①12.0-②11.0-③11.6-④12.0-⑤11.8-⑥11.3-⑦11.5-⑧12.0
1FAveとの誤差
①+0.3 ②-0.7 ③-0.1 ④+0.3 ⑤+0.1 ⑥-0.4 ⑦-0.2 ⑧+0.3
テン34.6-中盤23.8(3F換算25.70)-上がり34.8 『一貫・中弛み』
『一貫』・・・逃げ△ 先行○ 差し◎ 追込△
『中弛み』・・・逃げ◎ 先行△ 差し× 追込○
1着ミッキーアイル・・・ディープインパクト×Rock of Gibraltar=サンデーサイレンス×ダンチヒ 〔6-a〕 1-1
2着タガノブルグ・・・ヨハネスブルグ×スペシャルウィーク=ストームバード×サンデーサイレンス 〔5-j〕 13-7
3着キングズオブザサン・・・チチカステナンゴ×サンデーサイレンス=グレイソヴリン×サンデーサイレンス 〔9-c〕 13-11
4着ロサギガンティア・・・フジキセキ×Big Shuffle=サンデーサイレンス×ボールドルーラー 〔8-b〕 17-18
5着ホウライアキコ・・・ヨハネスブルグ×サンデーサイレンス=ストームバード×サンデーサイレンス 〔4-d〕 2-2
流れは、テン-上がりのラップ差の少なさから『一貫』と中盤の弛みから『中弛み』の複合ラップ。展開的には、逃げがやや恵まれ、先行・差し・追込はほぼ有利・不利はない流れと考える。だが、コース形態を考慮すると、展開的には恵まれたと思われる逃げだが、直線が長い分、差し馬に目標にされやすいということを考えるとストレスの溜まる展開と思われ、逃げて凌ぎきった1着ミッキーアイルの好走は非常に評価すべきと考える。
1着ミッキーアイルは、前走アーリントンC1着(=阪神芝1600m)からの好走。東京芝コースは初で、芝1600m戦は(4-1-0-0)でした。これまで芝1600m戦だけを使用して、5戦(4-1-0-0)と崩れていない馬で、前々走シンザン記念1着(=京都芝1600m)→前走アーリントンC1着と重賞でも連続好走中。シンザン記念では皐月賞3着馬ウインフルブルームを2着に下し、また前走アーリントンCでは2着馬タガノグランパが次走ファルコンS1着好走と、マイルでの本馬の能力は他馬が証明。本馬は逃げの脚質にて、NHKマイルCでは厳しい流れになると思われるが、それでも崩れずに好走できる能力はあると考えて、堅軸と考えて評価し、結果1着好走。直線の長い東京芝コースで逃げての好走というのは、なかなか至難の業にて、やはり能力が抜けていたと思われる。今回は上がり34秒8と上位ではなかったが、それでも凌いだ本馬を評価すべきと考える。また今回の好走は、例年にないアーリントンC好走からのステップで、消耗度合が少なかったことが最大の要因と思われる。事実マイル戦のトライアルであるNZT組が、好走馬が全滅したことからもストレスの多いステップと思われ、その意味では間隔が開くアーリントンCからのステップは、マイル戦ではあるが間隔が開くことで鮮度が維持され、その結果好走しやすいプラス要因になると思われ、今後注目したいステップと考える。先行して上がり上位で好走するので、イメージとしてはマイル版ディープブリランテと考える。今後は、ダービーに向かうようなら脚質、距離延長と厳しい条件が揃うため、変則2冠は難しいのでは?と考える。またマイル路線で安田記念に向かうようなら、近年の好走タイムを考えると時計を詰めねばならず、この点でもやや厳しい条件はあると思われる。好走には期待したいが、秋まで休養&成長が正解なのでは?と考える。
ディープインパクト産駒はサンデーサイレンス系で、広いコースで加速をつけながら全開になる末脚が武器で、スローで脚を溜めてキレキレの瞬発力を繰り出す。一瞬でトップスピードに乗れるタイプと点火に時間がかかるタイプがいて、前者は馬体重が軽い馬、後者は馬体重の重い馬が多い。それから母系がスピード型だと一瞬の反応が速く、母系がスタミナ型だとトップスピードに乗るまで時間を要する。また道中が速いペースだと脚をなし崩しに使わされて末脚が鈍るので、距離短縮の速い流れの時には過信禁物。逆に距離延長で緩い流れとなるときには狙い目。スローでしか好走歴のない馬の距離短縮時は、疑って掛かる方が良い。ゆったりローテーションに強く、間隔が詰まるのも良くない。母父Rock of Gibraltarはダンチヒ系で、溜めて差す競馬よりも強気に前々で勝負した方が結果が出る先行堅実型。展開も、スローより淀みのない流れが向くが、スピード一辺倒ではなく、中距離をこなせるスタミナも備えている。早い時期から走る馬もいる一方、使われながらじりじり力をつける馬もいて、充実期は3~4歳。
No.〔6〕の牝系は、直線の長いコース向きで、ハイペースの消耗戦に強い牝系。厳冬期や真夏などシーズンオフに強い特性をもつ。成長能力は早い時期から走るのだが、詰め甘にて人気を背負うと脆い傾向がある。3歳クラシックでは脇役の方が良い仕事をし、古馬になり本格化する。分枝記号aは、気性的には素直な産駒が多いが父親よりはスケールが小さくなる傾向。
2着タガノブルグは、前走橘S1着(=京都芝1400m)からの17番人気での激走。東京芝コースは(0-1-0-0)、芝1600m戦は(0-0-0-1)でした。アーリントンC4着(=阪神芝1600m:0.8秒差)→ファルコンS5着(=中京芝1400m:0.3秒差)と重賞ではやや足りない感じの馬だったのだが、裏路線の鮮度の高さからか今回2着に激走。NHKマイルCでは、マイルよりもやや短距離向きの馬が好走することも多く、その意味では今回本馬がその馬だったと反省する。今後は短距離戦で活躍するのでは?と思うが、早熟タイプのヘネシー直系の血統でもあり、いつまでその能力が維持できるか?がポイントと思われる。
ヨハネスブルグ産駒はストームバード系で、短距離~マイルを得意とし、溜めて差す競馬よりもハイペースを先行させる強気な競馬が合う。仕上がりは早く、若いうちは芝の上級条件でも勝ち負けするが、年を経るとともにダートに傾倒する。ただ年齢に関係なく芝→ダート変りには注意。母父スペシャルウィークはスタミナ型サンデーサイレンス系で、長い末脚を使い、嵌った時の強さは破壊力十分で、カミソリというよりはナタの切れ味。その分、小回りコースでの取りこぼしやスピード競馬での不安定さがある。一方で2歳戦に強い早熟性も有するが、古馬での成長力は豊富。
No.〔5〕の牝系は、緩いペースよりも厳しいペースで真価を発揮するタイプが多く、人気よりも人気薄で好走することの多い穴タイプの馬が多い。直線の長い芝コースでの好走が多い。分枝記号jは、牝馬上位の系統でトップクラスまで勝ち進むのはほとんど牝馬。牡馬は人気でアテにしづらい。
3着キングズオブザサンは、前走皐月賞15着(=中山芝2000m:1.2秒差)からの12番人気での激走。東京芝コースは初で、芝1600m戦も初でした。前走皐月賞では凡走したが、京成杯2着(=中山芝2000m:0.3秒差)と重賞好走していた馬でもあり、好走する能力はあった馬だが、今回は皐月賞凡走でストレスの少ない状態だったことがプラス要因となり好走したと思われる。また皐月賞組は今回3着の本馬と4着ロサギガンティアの2頭だけの出走だが、1着が取れず3着前後になる傾向は今回も該当したと思われ、皐月賞組はやはり連下候補と評価するのが正解かもしれないと反省します。距離短縮での好走は期待できるが、皐月賞出走までの疲れやストレスがあり、皐月賞→NHKマイルCに路線を変更した馬は、その影響がやはり影響してくる分一押しが足りずといった感じが本質なのでは?と考えます。今後の成長には期待しますが、母スティンガーということもあり、やや早熟感はあると思うので、大幅な能力UPはやや難しいかも。
チチカステナンゴ産駒はグレイソヴリン系で、いつ大物を出しても不思議はないが、ムチを入れたくなるようなズブい馬が目につく、ステイヤー血統。軽さのないジャングルポケット産駒といったイメージ。このようなステイヤー血統は、軌道に乗ればポンポンと行くが、それを待ちながら、本格化前はタフな持久戦や距離延長の時に好走が多い。母父サンデーサイレンスは、前走の勢いをそのまま活かして好走することの多い特性がある。瞬発力を武器に上がり特化のレースで強く、勢いのあるときには重賞挑戦はプラス要因。
No.〔9〕の牝系は、早い時期から好走できるが本格化前までは詰め甘なところがある牝系。小回りコースは鬼門で、広いコース変わりはプラス要因。3歳秋以降は本格化が始まり、堅実に走るタイプとなるが、人気よりもやや人気が落ちて伏兵の立場のときの方が好走しやすい特性もある。分枝記号cは、開幕週・最終週や重馬場での持久力勝負に強い傾向。欧州的な瞬発力を秘めるがゴチャつく展開は苦手。
4着ロサギガンティアは、前走皐月賞10着(=中山芝2000m:0.6秒差)からの好走。東京芝コースは(2-1-0-0)、芝1600m戦は(1-1-0-0)でした。前々走スプリングS1着(=中山芝1800m)と重賞好走歴がある馬で、NHKマイルCではスプリングS好走馬の好走が多い傾向もあり、適性は向くと考え、また前走皐月賞では10着と凡走してしまったが、着差は0.6秒差と大敗しているわけではなく、今回距離短縮にて巻き返しは可能と考えて、好走に期待して評価し、結果4着好走。3着キングズオブザサンでも述べたが、皐月賞組は、惜しいところまでは好走するが、やや足りない結果になるようで、人気でも過信禁物と反省したい。ただ皐月賞組から期待できる馬は、これまですでに重賞好走していることはポイントになると思われ、重賞好走したことがある馬なら注意は必要と反省する。今回は上がり33秒2と最速は繰り出したが届かずにて、展開的には厳しい中、僅差に詰め寄った内容は評価したく、今後の成長には期待したい。
フジキセキ産駒はスピード型サンデーサイレンス系で、内枠を活かして好位から抜け出す“イン突き”のレースが得意。すっと好位を取って折り合い、一瞬のタイミングで馬群を抜けられる器用な脚を持っていて、サンデーサイレンス系の中でも屈指の能力。この器用さは2~3歳の早い時期では大きな武器となる。この器用さと一瞬の脚の速さは、特に牝馬戦でも発揮され、大物食いもしばしば。2歳から走る早熟性を有しながら、高齢でも侮れないしぶとさがあり、セカンドステージも存在する。休み明け(=4ヶ月以内)での穴も多い。母父Big Shuffleはボールドルーラー系で、短距離~マイル向きの芝・ダート兼用血統。アメリカ色の強い血統配合だがドイツの首位種牡馬になったこともあるのだが、ドイツ血統のようなスタミナや底力は少なく、大一番に強いとはいえず、軽いレース質が合う。
No.〔8〕の牝系は、2歳~3歳春シーズンも好走は可能だが人気の時には詰めが甘い特性があり、本領発揮は3歳秋以降で、古馬で真価を発揮するタイプが多い。叩き良化型で、高速時計にも強い。分枝記号bは、基本的に晩成傾向で使い減りしないタイプが多く、鮮度と勢いが好走に重要なポイント。重賞初挑戦など鮮度の高い時は好走率高し。決め手には欠けるが自在性があり、格上げ戦に強い。
5着ホウライアキコは、前走桜花賞4着(=阪神芝1600m:0.3秒差)からの好走。東京芝コースは初で、芝1600m戦は(1-0-0-2)でした。本馬も13年デイリー杯2歳S1着(=京都芝1600m)や12年小倉2歳S1着(=小倉芝1200m)と重賞好走歴があった馬で、また前走桜花賞からのステップ馬でした。NZTとはほぼ同じ時期でマイル戦という点では似た条件のステップとなるはずなのだが、桜花賞からのステップ馬は比較的好走は多く、牝馬限定戦→牡馬混合戦となることでの対戦ストレスの少なさが要因ではないかと考える。本馬は1着ミッキアイルの直後で先行して5着に踏みとどまった点は評価したく、また今後短距離路線に向かうようなら好走が期待できる馬と考えて、今後の成長には期待したい。
ヨハネスブルグ産駒はストームバード系で、短距離~マイルを得意とし、溜めて差す競馬よりもハイペースを先行させる強気な競馬が合う。仕上がりは早く、若いうちは芝の上級条件でも勝ち負けするが、年を経るとともにダートに傾倒する。ただ年齢に関係なく芝→ダート変りには注意。母父サンデーサイレンスは、前走の勢いをそのまま活かして好走することの多い特性がある。瞬発力を武器に上がり特化のレースで強く、勢いのあるときには重賞挑戦はプラス要因。
No.〔4〕の牝系は、2歳時にも好走可能だが、3歳春から力をつけてクラシックでも好走することの多い牝系。成長能力に優れ、スタミナも豊富。2歳時はもともとの素質で走る感じだが、3歳春シーズンになると実が入り始める。分枝記号dは、精神的にタフなタイプが多く、遠征や重馬場は苦にしない。また前走好走だと次走でも好走しやすい特性も持つ。
NHKマイルCのポイントは、
①流れは厳しい流れになりやすく、『前傾』や『一貫』を想定すべし。
②東京芝GⅠ血統重視。特にサンデーサイレンス系では、マイルGⅠ実績があるフジキセキ・マンハッタンカフェ・アグネスタキオン、ダイワメジャーは特注。ヴァイスリージェント系も特注。
③牝系の傾向は、No.〔2〕〔5〕は特注。No.〔1〕〔3〕〔4〕も好走馬は多い。
④ステップの有利・不利はよく考えること。
・前走の勢いで好走出来るのは毎日杯組。毎日杯1着→NHKマイルCか、上がり1位での好走なら好走可能。
・NZTは好走馬は、ストレスの影響を受けやすく危険な人気馬と疑うべし。前々走も好走だと高確率で危険だが、芝1600mの戦績が良いなら評価すべし。
・皐月賞組は2・3着候補。皐月賞出走までのストレスや疲れの影響が出やすく、もう一踏ん張りが利きにくい。
・スプリングSから間隔をあけて出走する馬も狙い目。スプリングS好走歴も注目。
・ファルコンS好走馬にも注目。
・アーリントンC好走馬で、直行ローテーションは消耗度が少なく期待できる。
⑤重賞好走歴には注目。裏路線となるようなステップを歩んでいる場合は期待値が上がる。
⑥やや短距離向きの馬でも侮るべからず。
→次走狙い馬:ミッキーアイル,ホウライアキコ