アクシオンはスローの展開でで多少行きたがる素振りも見せていたが、鞍上が何とかなだめ前に馬を置いてうまく折り合い、直線では馬群がバラけてから外へ持ち出すとグッとひと伸びでセーフティーリードを確保、最後は後続をおさえて完勝という、見ていて重賞としては非常に負担の少ない競馬を実践した辺り、非常に理想的な好騎乗だった。

　上位人気馬との実力差は今回の重賞勝ちだけでは何とも言えないが、他馬との力関係云々よりは1800への適性と脚質の融通性でメンバー中では先んじていたというのが妥当な評価なのかもしれない。デビュー以来全て掲示板、屈腱炎の克服とまだ底を見せてない要素も満載だが、能力的な側面はもう一戦様子を見てから判断したい。

　スマートギアはアルゼンチン共和国杯の敗戦で自身評価を下げたが、メンバー唯一の上がり３ハロン32秒台の末脚で２着を確保。ついでに近走の仇敵ナムラクレセントにも先着を果たした。疲労以前に前走は距離が長過ぎたということ。適距離かつ適コースでこの馬を危険馬に取り上げてしまったのは反省するしかない。

　もともと折り合いに課題のあるナムラクレセントは、スローペースと早めの競馬を考慮すればスマートギアに先着を許したのも今回に限っては責められない。とはいえ、重賞レベルともなると少し乗り難しいというか勝ち味に遅そうな気配もチラホラ。今回の着順だけで次走重賞で人気になるようならば意外と嫌って正解というケースも。

　伸びを欠いた４着イコピコは決定的な敗因こそ不可解なのだが、脚をためないと思いの外切れないというのが正直な感想。前々で競馬したのも結果的には裏目だったが、明らかにスローな展開を考えればある程度の位置取りにつけるのは当然とも言える立ち回り。それでいて伸びを欠いたもの事実。

　それならば1800でいう白百合Ｓ１着とラジオNIKKEI賞４着の比較ではないが、重賞レベルの中距離はスピード面でなし崩しに脚を使わされがちな分、多少荷が重いのかもしれない。もっと距離があれば次走の反撃も期待できるが、近走の着順が１着、４着と番手の利かない成績も気掛かり。人気ほどアテにはならないタイプかと。

12/08 18:23　回顧アクセス：3822