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12.0 - 10.7 - 10.9 - 11.3 - 11.4 - 11.3 - 11.7 - 12.4
時計自体は早いけど、時計・ラップ面からは前日メインの湘南Sの方が上。
特にスピリタスは1:31.7で33.1という上がりを出せているし、安田に出れていれば…
と思う人は少なくないだろうし、実際時計的には通用してしまうレベル。
もちろんスピリタスの潜在能力がGⅠ級である可能性もあるし、
ギムレット産駒らしくハイペース超高速の府中マイルが合ったというのもあるが、
この安田記念のレースレベル自体は冷静に判断して、そんなに高くは無いんじゃないかと思う。
ここまで異常馬場だと、良くも悪くもあまり参考にならないかもしれないが。
1着ショウワモダンは中団からの競馬。3~4角の一応後半で一番速いところでも外をまわして
押し上げる。直線でも終始手ごたえ抜群で、直線半ばで抜けだしを計る。内外からスマイルジャックと
スーパーホーネットに強襲を受けたものの、何とか凌いでの1着。まず、この馬を勘違いしていると
すれば、ほとんどの人が速い脚を使えないんじゃないか?というイメージがあったと思う。
ただ、ダービー卿でスロー競馬をしているとはいえ、ハロンラップ自体は優秀だった。
個人的にはメイSで見せたパフォーマンスから、今の馬場で安田記念の舞台となると
どちらかというとスピード負けするんじゃないかという懸念があった。しかし、実際の内容は
ハイペースを中団で追走、勝負どころで外目から押し上げる、直線しぶとく伸びるの完勝。
このメンバーの中では一枚抜けていたのは間違いないだろう。しかし、エアジハード産駒のGⅠ制覇とは。
バクシンオーと良いジハードと良い、ユタカオー系の馬は古馬になって急に化ける馬が多いな。
2着スーパーホーネットはスタートはやや後手を踏んで後方からの競馬。前半はやや押し気味に追走。
3~4角でも大外をまわし直線へ。ただ、4角のコーナーワークで大きく外に振られずに前をいく
サンカルロの後ろを通れた。地味ではあるがここは良かった。直線では伸びるショウワモダンに外から
食らいついていく。ラストまでしぶとかったものの、半馬身及ばずの2着となった。好走要因は
高速馬場というのと、前半に追走するためにスピードに乗って、一度も緩めずに済んだ展開、
そして多少ロスをしてもトップスピードに乗せれば強いと言う意味で、うまく外にポジションを
取れたのも大きかった。ラスト1Fが落ち込む競馬がベストでラスト3F最速レースにめっぽう強い
馬だけに、いろいろな条件が重なっての2着だと思います。とはいえ、もともとはウオッカ・カンパニー
を相手に戦ってきた馬。単純に地力も違いました。個人的には本調子では無かったと思うので、
秋までに順調さを取り戻せれば、十分通用すると思います。あとはレベルの高い3歳馬が相手ですね。
3着スマイルジャックは五分にスタートして中団の内。3角手前で一瞬立ちあがった。勝負所の3~4角で
ポジションを下げながら直線。最内ががっぽり開いていて、そこを突くと鋭く伸びてくる。後は
鞭連打という感じで3着。騎乗内容は…ん~こうして見ると、悪くない。まあ個人的に鞭連打は
こういうハイペースの踏ん張り戦にはある程度(マイネルスターリーのレースもそうだったけど)効果を
感じてるので。ただ、当日の馬場状況で、内が開くと言うのは内が伸びないから開くのであって、
内を突いたから好騎乗かと言われたらそれはまた別問題。結局受動的に通ったコースがたまたま
スマイルジャック的には良かったということだろう。脚を余すぐらいなら多少馬場のロスがあっても
全力で走れる方が良い。まあ、今回は展開的に向くことは最初からわかっていたし、三浦でも馬券に
絡む可能性はあったと思っているので、この内容で特に驚いたと言うほどのことではない。
スマイルジャック自体は強い馬だしね。むしろ、今回の競馬はあらゆる面で嵌った上での結果なので
この内容をそのまま評価しない方が良い。通常の馬場状況で、ラストが極端に落ちないケースだと
差し損ねる内容なので。マイルCSに出てきたら喜んで消したいね。
4着トライアンフマーチは五分のスタートからマイネルファルケを内に見ながら先行。これには
ちょっと驚いた。3角でもマイネルのちょうど後方を通り、4角ですっと外に出して直線。
直線でエーシンフォワードを目標にしたのはいいが、ペース的にも当然しんどい競馬で、
エーシンが潰れてしまった。そのあとしばらくトライアンフも抵抗するが内外から一気に来られて
苦しくなっての4着。先行馬では最先着。内田が積極的に競馬したけど、今回は仇となったように
感じるなあ。このメンバーの中では一番強い競馬をしているだけに…。敗因というか、厳しくなったのは
結果的にレースが全く緩まないで、ハイペースなのに4角での縦の位置取りの絶対値が小さい、
いわゆる団子の競馬になってしまったのが痛かったと思う。これだけのハイペースなのに残り600mまでに
ショウワモダンと0.5しかセーフティを作れなかったというのが厳しかったね。こればかりは仕方ない。
レースレベル自体は多少疑問もありますが、この馬は十分GⅠ級のパフォーマンスを見せたと思います。
5着サイトウィナーは今後馬券の参考にはならないと思うので端的に。直線入り口で進路がなくて、
ショウワモダンに先に出し抜かれてしまった。進路確保して直線終盤では追い込んできているので
速い脚が足りないのと、4角~直線前半でもう少しスムーズな押し上げができていればもう少し
上位には食い込んできていたかも。
6着ファリダットはすっと下げて後方から。3角でも動かず最後方。4角です~っと大外から
押し上げて行くと直線でグンと伸びてくる。しかし残り200ぐらいで外に一瞬ヨレたり、その後は
脚色が急激に衰えて最後はサイトウィナーと同じに。う~ん、このパターンだと速い脚を
使えてはいるが、追走に脚を使わされてラスト力尽きた形なのかな。ラストは多少でもばてた方が
良い方なので、このレースラップで伸びてこなかったとなると1600もハイペースではちょっと長いと。
ベストは阪神1400でしょうね。
7着キャプテントゥーレはエーシンを見ながら先行策。3~4角で最内を通り全くロスなく立ち回り、
直線でもすっと外に進路を取って完璧に近い競馬。直線半ばまでは外から来るショウワモダンに併せて
抵抗できていたのだが、最後のひと踏ん張りが利かなかった。レースを見ていて、やっぱりマイルの
速いスピード(それも今の馬場はスプリント~1400並)を要求されると、最後はしんどくなるんだなと。
中距離で多少緩んで位置取り勝負で何ぼの馬だと思うので、同じマイルでも、3角で緩みやすく、
3角下り、直線平坦と揃っているマイルCS向きじゃないかな。
8着マルカフェニックスは中団やや前で競馬。3角からすっと押し上げていく。4角ではショウワモダンに
マークされるような形で直線へ。直線ではいつもの伸びが無く、ショウワモダンに先に行かれる。
後は伸びずばてずの内容。ラップ的には最高に近いパターンだっただけに、これで伸びを欠いたと言うのは
やはり距離が長かったのか…と認めざるを得ないか。ただ、一つだけ…仕掛けが早かった。
それかもう少し後方から競馬してほしかったのが本音。でもまあ、仕方ないですね。
10着エーシンフォワードは…1400m通過が1:19.3ではきついよね。いくらなんでも速すぎた。着差は大きい
けど次走自分の競馬ができれば変わってくるんじゃないかと。いずれにせよあまり参考にならないか。
12着アブソリュートは後方から。直線でがっぽり開いた内を突けた同じくギム産駒のスマイルジャックとは
対象的に馬群の真ん中に突っ込んで直線で見事に詰まってしまった。上位まではともかく、もう少し
際どい競馬にはなっていたはず。危惧していた通りの負春内枠モード。ホント何も考えてねーな。
13着サンカルロは中団の後方から。3~4角で大外ぶん回して直線へ。ただ、いくらぶん回しと言っても
直線あまりに伸びなさすぎ。これは馬の方に原因があるとしか。ハイペースとはいえ前半の追走、
3~4角の外まわしで脚を使い果たすようなタイプの馬では無いし、ちょっと心配だ。次走以降は
狙いを下げた方が良さそう。
14着リーチザクラウンは五分スタート。多少押すとすっと反応してエーシンを追走できるポジションに。
3角~4角の途中です~っとポジションを下げてしまっていたので、気になってパトロールを見ると
どうも自身がフラフラした上、キャプテントゥーレに若干不利を受けてしまったよう。結果的に
スピードに乗せなきゃいけないここで減速してしまったのが一番の敗因でしょうね。
ただ、このレースで気付いたこともあって、この馬はスピードが足りないんじゃなくて
テンが遅い。スピードに乗りさえすればマイルでも通用するスピードは持ってると思う。
なので、今回は不利もあったけ最内枠が最大の敗因なんじゃないかなと思う。外からスムーズに
競馬できていればもう少し違ったかもしれない。いずれにせよ難儀な馬だなあ…。
競馬をやって何が悪い。
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