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12.2 - 10.6 - 11.3 - 12.6 - 12.4 - 12.4 - 11.6 - 11.0 - 11.7
騎手ってのは時々、意識が偏ってしまうケースがあるんだなと言う典型のレースになった気がしますね。よくあるのは、クィーンスプマンテのエリザベス女王杯のように後ろを意識しすぎて駄目になると言うケースだけど、今回は馬場を考えて前を意識する馬が多くて物凄く緩急の付いたレースになってしまった。馬場を考えると、時計が遅かったのは中盤で緩みすぎたからだろう。後藤が勝利ジョッキーインタビューで言っていた「前に行くつもりだったけど、みんな前に行こうとしたから控えた」と言うのが一番このレースを率直に物語っていると思う。レース全体としては、中団~後方から競馬をして、前半3Fハイペース、中盤3Fのスローペースをフラットに進めることが出来た馬が結果的に上位にきている。ラップ推移以上に、前には厳しい競馬になったと言える。
1着アニメイトバイオは五分のスタートから押されるも後方終始押し通しとなった。3角のラップが緩んだところで馬群に入り込んでしまい、かなり窮屈で騎手が少し立ち気味に抑えるシーンも。3~4角を中目でやり過ごして直線。直線入り口ではレディアルバローザの後ろにつけるもなかなか進路が開かず、狭いところを突くも、レディに寄られて不利を受けたり苦しい展開。しかし、残り200m、ラップが落ちたところでしぶとく伸びてくると、最後はワイルドラズベリーをアタマ差凌いでの勝利となった。こういう競馬で勝ったと言うのは評価できるし、ラストもばてずに差しこめたと言うのは評価出来る。大きな展開面では、前半追走に必死も、3~4角で楽にとりつけて直線で勝負圏内までに入れたと言うことで恵まれた。秋華賞ではこの辺が課題になってきて、緩まないペースになった時に位置取りが悪くなって前に届かないと言う競馬にならないように注意しないといけない。
2着ワイルドラズベリーはまずまずのスタートも、抑えて後方からの競馬。ゆったり後方で進めて、3角でラップが緩み、中間地点で掛り気味に上がって行きそうになる。それでも鞍上がなだめて、4角で最内から徐々に進路を外に取っていって直線へ。直線でうまく進路を外に取ると、外から鋭く伸びてくる。内から出し抜いたアニメイトバイオに急追するも届かずの2着だが強烈なインパクトを残した。好走要因は完全にこの展開を読み切った鞍上でしょう。前-中-後で大きくラップの緩急がついたレース、前中盤をフラットに運び、なおかつ3~4角で脚を使わないで最内を通ることでポジションを押し上げ、直線のヨーイドン勝負までに良い位置につける。これ以上ない最高の競馬だと思います。前中盤でロスのあった馬が伸びあぐねる中、最後までしっかりと伸びていたのはそういった要因も大きいでしょう。この競馬を見る限り、本番向きの馬とは言えませんが。やはりある程度追走できないと秋華賞のようなレースでは難しいでしょうね。
3着エーシンリターンズは好スタートからスーッと下げて後方で競馬。3角で緩んだところでもきっちり折り合って、4角外目からじんわり進出して直線。直線良い伸びを見せたが内外から来るアニメイト・ワイルドの2頭に切れ負けする。最後はアパパネを何とか捕えての3着が精一杯だった。3~4角外をまわしたけど、これだけラップが緩んだら、ロスはほとんど無かったとみます。直線も一瞬は伸びたんですが、上位2頭とは切れ負けした形ですね。本番でどうかですが、血統的にはキャロルハウスが少し強く出ている印象で、スピードが勝っていると思うので今回のように緩んでの決め手勝負よりは、平均的な競馬の方が合っているように思うので、注意したいところです。ここはある程度仕上げてきてはいたと思いますが、タイプ的には本番で面白いような気がしますが。
4着アパパネはやや出負けするもすぐにリカバーして先行争い。しかし、最初の2F目ぐらいで、蛯名が早いと見るや下げようとするが、やはり掛ってしまう。しかし3角の緩みで、もっと掛ると思いきや、意外なほどあっさり折り合う。好位の中目で3~4角を通過して直線。直線ではレディアルバローザに進路を塞がれるも、何とかこじ開けてくる。残り200mで一旦先頭に立つも、最後は外から怒涛のように差しこまれての4着に終わった。う~ん、何とも言い難いですね。とりあえず、負けたこと自体はそれほど気にしなくていいと思います。休み明け、ラップ面からも先行馬はかなり厳しい展開でしたし、実際自分でペースを作ったトゥニーポートとこの馬以外の先行馬は撃沈していますし。ただ、この馬は掛り癖がある割に最後までしっかりしている馬なんですが、普通なら緩んで掛ってしまうであろう3角で折り合えてしまっていることが、この馬にとって良いことなのか悪いことなのか…。負け方自体は展開を考えても、全然問題ない範囲なんですけどね。まあ折合がつくと言うのは一般的には良いことなんですが、少し気になります。本番もスピードタイプの馬では無いと思うので、早い時計勝負になって末脚どこまで伸ばせるかはまだ未知数。オークスも3F瞬発力勝負だったので、ミドルラップの中距離適性はまだ見せていないと言う点も、少し不安に映ります。オークスを勝ってますが、この馬はマイルぐらいが一番良いように感じます。
5着トゥニーポートはやや出負けして押して先行。なかなかハナに立ち切れず、3F34.1と、ハイペースを演出。流石に3角で緩めにかかるが、当然中団以降も追走して馬群が凝縮する。1000通過59秒台と平均ではスローに落として4角少しリードを作って1馬身リードで直線に向かう。前半は見せ場たっぷりに先頭をひた走り、先行馬を突き放しにかかる。残り200mで流石に脚が上がったか、後続の差し馬が鋭く伸びてきて、大きく突き放されての5着に終わった。自分でつけた本命だから言うわけではないけども、この展開を考えると、かなり善戦していると思う。前半やや出負けしたうえで、各馬前意識の中でハナを取るまでに時間が掛り、3F34.1はかなりハイペース。そこから中盤3Fで37.4と急激に緩めた。当然だけどこのラップを走るよりも、この6Fを平均的に追走出来た馬の方が有利。実際3角で緩めてからは馬群が凝縮してしまったし、直線入り口ではヨーイドンになっていた。34.1-37.4で走って4角でリードがなかった、差し馬は1200mを1:11.5でちんたら走って直線で射程圏内。この差は非常に大きい。アパパネはまだしも、オウケン・アグネスはどちらも見せ場すらない。そんな中、アパパネ以外の先行馬を抑えたと言うのは評価出来ると思う。1000万勝ちだしトライアルの結果からも本番出れる可能性は結構低いと思うけど、抽選で出れるようなら、穴馬候補として面白い一頭。弱い馬では無い。
7着アグネスワルツは出負けするも楽に前目に取りつけていく。最終的に外目の番手で競馬。3角で緩んだ時も、うまく折り合って追走。3~4角を内目で馬なり追走し、直線で追い出す。しかし、追われても伸びず、逆にトゥニーポートに突き放される。そのうえ、後続の切れにも明らかに見劣り最後まで見せ場なく7着に沈んだ。まあ、妥当な結果ですね。弱いとかじゃなく、この馬の今までのパフォーマンスからも、緩んだレースでの極端な切れ勝負には対応できていません。しかも今回は強烈な緩急があった上で、先行馬に不利なラップ構成。つまり、7着だけど、そんなに気にしなくていいと言うことです。敗因がはっきりしているので。秋華賞でも適度に縦長になれば、位置取りの差を活かせる舞台。過剰に人気を落とすようなら気をつけた方が良いでしょう。力負けではありません。
8着オウケンサクラは押して先行するが、トゥニーポートが行き切ると控えて内ポケットでの競馬。3角緩んだところでもきっちり折り合って進め、4角で少し仕掛けながら直線。直線では終始進路を確保し切れないものの、かと言って伸びそうと言う手ごたえもなく、終始トゥニーポートの後方を詰め切れずに8着で終わった。アグネスワルツと違ってスピードタイプの逃げ先行馬では無くある程度決め手で勝負する馬だけに、ここまでの敗戦は痛いですね。少なくともアグネスやトゥニーポートは交わしておきたかった。一応最後は切れ勝負になっているので。前半3Fの追走が影響したのか、休み明けでまだ完全では無いのか。それにしても、少し伸びを欠きましたね。スピードが要求される本番タイプでは無いと思うので、ここではせめて高いパフォーマンスを見せてほしかった。少し評価を下げた方が良さそうです。
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09/23 00:35 回顧アクセス:2429 |