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【最終予想】
難解な一戦。
◎ゲシュタルトはスッと決まった。この馬の評価は中日新聞杯。多少波はあったが11.7 - 12.0 - 12.4 - 11.8 - 11.6 - 12.6と平均的でトップスピードがあまり問われずにL1落ち込むタフな競馬で外から捲ってコスモファントムにジリジリ迫る形。3着ダノンバラードにも接戦だが先着しているし、ここに出てくるエクスペディションは完封している。そこからのハンデ差や実力を考えても、エクスペディションやダイワファルコン級なら今の福島、トップスピードが問われない持続戦ならかなり優位に進められそうで。休み明けと前走の謎の大惨敗だけが不安材料だが、追い切りはしっかり動いているし、条件を考えればここは負けられない一戦。
〇ミキノバンジョーは恐らく盲点。前走は楽に逃げさせてもらって楽に逃げ切ったようにも見えたが11.6-11.8-11.7-12.2と4F最速ですっと動いて押し切る強い競馬でもあって、相手関係を考えても結構バカにできない競馬をしている。個人的には高速馬場向きだと思っていたんだけど、前走で逃げて全く関係ないことを示せたし、4F戦で結果を出せたのは大きい。2000m自体は歓迎で、あとはこの逃げ馬殺しの馬場がどうかだけど、今回はハンデ戦で55kg。それに逃げ馬殺しの馬場は逆に言えば楽に逃げることはできるわけで、今回も前走のような競馬ができれば再現まであっていい。
▲シンゲンは個人的に適性面でベストとは言えないと思う。ホワイトマズルの仔で道悪は問題ないとは思うけど、高いパフォーマンスは東京に偏っていて、軽い馬場でトップスピードを活かす競馬が合っているはず。小回り中京時代の中日新聞杯で崩れているし、福島に不安はある。ただ、地力という点では最上位だし、今週の追い切りに復調の気配を感じられたので、このメンツなら穴で狙っても良いかなと。
タッチミーノットは追い切りがやや微妙に映ったのと、昨年の七夕賞は完全な追い込み有利の展開でもあったので、ここは相手も骨っぽいし評価を控えたい。トーセンラーはトップスピード型だったのが、そのトップスピードすら最近は陰りが見えてきている。まして平均的な競馬で結果が出ていない現状では狙いを下げるのが妥当だろう。
【展望】
1日ずれた七夕賞と、今年は惜しい日程ではあるが、サマー2000シリーズの第1戦ということで、今年の夏の趨勢を決める上では欠かせないレース。例年高速馬場がちの福島だが、今年はかなり時計が掛かっている印象で、最終週に相応しい外差し馬場となっている様子。ハンデ戦だが、これからの中距離路線を担ってきそうな馬たちが登録。好調ディープインパクト産駒の4歳馬を中心に、重賞善戦組からOP特別の勝ち馬、過去の重賞勝ち馬までそれなりにメンツは揃った。ハンデ戦で有力馬オフシーズンのここに出てくる各馬だけに、順風満帆な馬は少ないが、それだけに難解で馬券としては面白いかもしれない。
中心は一応昨年2着で重賞でも安定してパフォーマンスを発揮しているタッチミーノット。昨年はコースが違ったとはいえ、中山2000mならそう大きな差はない。実際スローから13.2 - 12.0 - 11.7 - 11.5 - 11.7 - 12.2のロンスパ戦、強敵イタリアンレッドにクビ差を考えれば十分にここでも主力を張れる一頭であることは確かだろう。目黒記念ではコースの割に12.6 - 11.8 - 11.1 - 11.6 - 12.1と4F勝負。それでもL3最速で脚を出し切れる展開だったのに、終い伸びきれなかった。基本的には序盤ゆったり運んで、後半に長く脚を使いたいタイプであることは間違いないので、前走のように序盤からある程度ペースが上がって、脚を使ってしまうと良くなかったかもしれない。今回は福島2000mで馬場を考えるとペースは大きく上がることはないと考える。緩めのペースから徐々に加速していく流れになって来れば、昨年のパフォーマンスは強烈なので。ハンデ56kgも悪くない。叩き3走目でしっかりと脚を出し切れる展開になれば。
相手筆頭には鳴尾記念で内からジリジリ伸びて復調の気配を見せたトーセンラー。前走鳴尾記念では超スローですっと動く脚を求められたが、どちらかというと通ったコースでカバーしていた感じで、トップスピードの速さではやはり一線級のトゥザグローリーには全く及ばなかったという印象。4歳勢ではトップスピードの速さで戦ってこれたタイプだが、動き出しが良いタイプというわけではなく、やはり下り坂がある京都の高速馬場でこそパフォーマンスを発揮するタイプのように感じるので、こういった平均的な競馬になりがちな福島2000mとなると良さは出てこないかもしれない。ただし、平均ペースだったセントライト記念でも一定以上の競馬はできているので、ここでも安定した競馬を見せてくれるとは思う。ハンデは57kgとやや見込まれた印象。今年に入ってからは良いところを見せていないので、そろそろしっかりと昨年クラシック候補の1頭だったことを思い出させてほしい。
3番手にはローカル2000で時計が掛かれば出番のゲシュタルト。高速馬場だとギアチェンジに時間が掛かって勝負どころで手応え見劣る馬なのだが、3走前のように少し渋って平均的な競馬になってくると外から捲って長くいい脚を使って急追してくるしぶとさが売り。この時はここに出てくるダノンバラードやエクスペディションと言った強敵をより重いハンデで退けているし、この馬としては今のトップスピードを問われない福島の馬場は歓迎と言えそうだ。京都記念で大きく負けているので気がかりではあるのだが、それを除けばパフォーマンスを考えてもここで上位に来るべき馬で。ハンデ57kgは相対的に見ればマシになっている。
穴どころからは福島愛を貫くキングヘイロー産駒セタガヤフラッグ。母父ナリタブライアンとの組み合わせで、旧時代のタフな持続力を前面に持ち出したステイヤー。脚は遅いのだが、時計がかかればとにかくばてない。また、適度な先行力を持っている馬で、前走でも2000mでスピード負けしなかったというのは大きい。今回は格上挑戦となるわけだが、ハンデ戦で50kgならこのタフなスタミナを全発揮できそう。道悪も苦にしないし、コースロスなく立ち回れれば怖い。今のところ除外対象ではあるが、出てくれば一発あってもおかしくない。
ダノンバラードも出てくれば。超善戦マンで、11戦して掲示板外は共同通信杯のみ。皐月賞以降は常に圏内には入り込んでくるが、何故かあと一歩が遠い1頭。前走は目黒記念で12.6 - 11.8 - 11.1 - 11.6 - 12.1と少し瞬発力は問われたにせよ、L1を落とす競馬なので脚は出し切れたはずなのだが一緒になって脚色を衰えさせてしまい、最後は3着も手中から零れ落ちてしまった。基本的にはトップスピード、動きだしは微妙な馬で持続力はあり、安定はするがそれゆえ勝ち切れないという印象。57kg自体は気にならないし、この馬の場合は何かの後押しが欲しい印象はあるので、平均ペースになりそうな福島2000で外差し馬場ならそろそろ2歳以来の勝利があっても。
ハナ、番手からのロングスパート馬エーシンジーラインも登録。昨年の中山金杯ではスローからの超ロンスパ戦を自ら作り出してつぶれてしまったが、この馬の持ち味はそれ。逃げ馬だが中盤のスピードで突き放してリードを守りきるという戦法がマッチしたのが小倉大賞典。前後半が遅いラップを刻むのがこの馬の特徴だ。それだけに今の外差し馬場はこの馬としては歓迎できない材料と言えそうで。能力は高いが、今回はマークされる立場。ハンデも57kgと見込まれた中で、どこまでこの馬の競馬を貫けるかだろう。
逃げ切りで福島TVオープンを制し、新たな一面を見出したミキノバンジョーも圏内。12.5 - 11.6 - 11.8 - 11.7 - 12.2と中盤少し緩めてからの4Fロンスパ戦。開幕週の恩恵もあっただろうが、骨っぽいところ相手にしっかりと完勝できたのは評価できる。今回は同型のエーシンジーラインとの兼ね合いがあるが、基本的にこの馬は逃げ馬ではないので、今回はどういう戦法を取ってくるかというところ。毎年夏の時期に好走を続けてきている馬だが、どちらかというと高速馬場向きの印象もあり、今の馬場でどこまでやれるか。ハンデ55kgはオープン勝ちを考えるとやや軽い印象。
重賞ではやや頭打ちの印象のダイワファルコン。中山金杯ではフェデラリストと僅差の内容、ロンスパ戦で外から押し上げてしっかりと伸びきった競馬は評価できるのだが、ここ数走が冴えない。とはいえ、中山金杯は道悪で外目をまわし苦しい競馬、ダービー卿はL1最速戦で上手く運べず。前走は大外を回して結果的に苦しい競馬になったが、自身の脚は使えている。トップスピードでは意外とそう見劣らない馬なので、あとはスムーズに加速できるような展開になればというところ。
最後にエクスペディション。昨年の夏の小倉の注目株だったのだが、休み明け以降はやや不甲斐ない内容が続いている印象。それでもタフな競馬となった中日新聞杯では4着で人気を裏切ったとはいえ、相手関係を考えれば悪くない。12.4 - 11.8 - 11.6 - 12.6と最速地点のコーナーで馬群の中、やや窮屈ではあったがここで置かれて終い、L1のばてでしぶとくジリジリとという感じだった。夏の小倉では上がりこそ早いが、押し上げてトップスピードではなく持続力で勝負して結果を出していた印象。高速馬場向きの感はあれど、そろそろ逆襲があっても驚けない。前走の小倉大賞典はCコースで内有利に変わっていたことを考えれば、今の福島なら怖いといえそう。ハンデ55kgも良いところ。
http://blog.livedoor.jp/catassan/ 07/08 11:46
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