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今週のメインレースは、2012年の総決算グランプリ・第57回有馬記念である。
第57回有馬記念は、ジャパンカップ1着のジェンティルドンナ及び2着のオルフェーヴルの回避により少し寂しいメンバー構成となってしまったが、混戦模様となり馬券的には面白いレースになりそうである。
そこで、競馬理論は、第57回有馬記念に出走する有力各馬の能力をステップレースごとに分析する。
ジャパンカップ組からは、3着のルーラーシップ(ウィリアムズ)、4着のダークシャドウ(ムーア)、7着のビートブラック(石橋脩)、9着のエイシンフラッシュ(デムーロ)、14着のオウケンブルースリ、15着のメイショウカンパク(蛯名正義)及び16着のローズキングダム(岩田康誠)が第57回有馬記念に出走する。
ルーラーシップのジャパンカップ3着という結果は、インが有利な馬場において道中ラチ沿いで脚を溜めさせたウィリアムズ騎手の好騎乗によるものではあるが、上がり32秒7の脚を発揮してのものであり、ルーラーシップは、どんな展開でも確実に追い込むことを示した。
またルーラーシップは、去年の有馬記念では脚を余して4着に敗れはしたものの、超スローペースを出遅れてオルフェーヴル以上の脚で追い込んでおり、中山2500mの適性も高い。
よってジェンティルドンナ及びオルフェーヴルが不在の第57回有馬記念の競馬予想においては、ルーラーシップに本命級の高い評価を与えるべきである。
ただしルーラーシップは、いつもスタートで出遅れてしまうので、前残りの展開になりそうな場合や極端にインが有利な馬場の場合には、脚を余す可能性が高まる。よって第57回有馬記念の競馬予想においても、ルーラーシップを絶対視することは禁物と判断している。
一方、ダークシャドウのジャパンカップの4着という結果は、ルーラーシップと同様に前残りの競馬で脚を余したものだが、コース取りの差を考えると、レース内容としてはルーラーシップと互角である。
またダークシャドウは、ジャパンカップの走りを見る限り、第57回有馬記念が行われる2500mの距離も問題なさそうである。
よって第57回有馬記念の競馬予想においては、ダークシャドウが内枠を引いて中団のインで脚を溜められるようであれば、ルーラーシップを逆転可能と判断すべきである。
ビートブラック、エイシンフラッシュ、オウケンブルースリ、メイショウカンパク及びローズキングダムは、ジャパンカップの見所のないレース内容を見る限り、第57回有馬記念の競馬予想において、ルーラーシップ及びダークシャドウ以上の評価は不要である。
ただしビートブラックは、第57回有馬記念においても単騎逃げ濃厚なので、極端にイン有利な馬場となって天皇賞・春のような大逃げを打てるようであれば、第57回有馬記念の競馬予想においては注意が必要となる。
またエイシンフラッシュは、去年の有馬記念でもオルフェーヴルに対しても2着と好走しているように、第57回有馬記念の競馬予想においても、去年と同様のスローの瞬発力勝負になると想定される場合には、切れ味勝負が得意なエイシンフラッシュにもそれなりの高い評価が必要である。
一方、クラシックの最終関門の菊花賞組からは、1着のゴールドシップ(内田博幸)及び2着のスカイディグニティ(スミヨン)が第57回有馬記念に出走する。
ゴールドシップの菊花賞の勝利という結果は、2週目の向こう正面から大外をまくって4コーナーで先頭に立つ横綱競馬によるものであり、直線で外から迫ってきたスカイディグニティを突き放したことをも考慮すると、着差以上に余裕のある内容であった。
またゴールドシップは、日本ダービーにおいて今年唯一の敗戦を喫してしまったが、コース取りの差の分だけ届かなかったことによるものであり、ゴールドシップが3歳世代トップレベルの能力を秘めることは間違いない。
また、同じ3歳世代のフェノーメノが古馬の一線級相手に互角の競馬をしていることからしても、今年の3歳世代のレベルの高さを考慮して、第57回有馬記念の競馬予想においては、ゴールドシップにも本命級の高い評価を与えるべきである。
ただし、唯一不安要素をあげるとすれば、ゴールドシップは、菊花賞においてスタート後に行き脚がつかなかったことである。
よって、第57回有馬記念がイン有利の馬場で前残りの展開になった場合には、ゴールドシップの追い込みが不発に終わる可能性もあり得る。
スカイディグニティの菊花賞の2着という結果は、ゴールドシップにこそ力負けであったが、夏場の成長と長距離適性を示すレース内容であった。
よって第57回有馬記念の競馬予想においては、スカイディグニティがゴールドシップを逆転するためには、相当の展開の助けが必要と判断すべきである。
アルゼンチン共和国杯組からは、1着のルルーシュ(横山典弘)が第57回有馬記念に出走する。
ルルーシュのアルゼンチン共和国杯の勝利という結果は、早め先頭で押し切る強い内容ではあったが、56キロという他馬と比べると有利なハンデ及びG
1級不在の弱いメンバー構成に恵まれてのものでもあった。
よって第57回有馬記念の競馬予想においては、急激にメンバーが強化される点を考慮すると、ルルーシュには押さえ程度の評価が妥当である。
ただし、ルルーシュは器用な先行力があるので、第57回有馬記念がイン有利の馬場で行われ、かつ内枠を引くようであれば、ルルーシュの評価をあげるべきとも、競馬理論では判断している。
金鯱賞組からは、1着のオーシャンブルー(ルメール)及び10着のアーネストリー(福永祐一)が第57回有馬記念に出走する。
オーシャンブルーの金鯱賞の1着という結果は、OP
入り直後のダイワマッジョーレが2着というG2
にしてはかなり低調なメンバー構成に恵まれたものである。
よって、第57回有馬記念の競馬予想においては、金鯱賞組のオーシャンブルー及びアーネストリーに高い評価は不要である。
一方、天皇賞・秋からの直行組では、9着のナカヤマナイト(柴田善臣)が第57回有馬記念に出走する。
ナカヤマナイトの天皇賞・秋の9着という結果は、速いペースについていけず全く見所のない内容であった。
しかしナカヤマナイトは、オールカマーでルルーシュに快勝しており、中山コースは得意な舞台である。
よって第57回有馬記念の競馬予想においては、得意の中山コースで馬場や展開に恵まれるようであれば、ナカヤマナイトにも押さえ程度の評価は必要である。
ジャパンカップダート組からは、12着のトゥザグローリー(三浦皇成)が出走する。
トゥザグローリーのジャパンカップダートの12着という結果は、ダート適性がなかっただけであり度外視可能である。
なおトゥザグローリーは、2年連続で有馬記念3着と好走しており、中山2500mは最も得意な条件である。
よって第57回有馬記念においては、一昨年の有馬記念のように好位のインを追走する展開になれば、トゥザグローリーが3年連続で好走可能と判断している。
一方、ブリーダーズカップターフ組からは4着のトレイルブレイザー(武豊)が第57回有馬記念に出走する。
トレイルブレイザーは、
京都記念において、後続の仕掛け遅れに恵まれたとはいえども、ダークシャドウに2馬身も先着して勝利を収めており、G1級相手であっても、展開でカバーできる程度の能力差しかないと言える。
よって、第57回有馬記念の競馬予想においては、スローペースを早めにスパートして後続を突き放す展開になれば、トレイルブレイザーが好走してもおかしくないと判断すべきである。
以上のように競馬理論は、第57回有馬記念に出走する有力各馬の能力を分析した。
この分析結果に、枠順、展開、調教及び馬場状態などの様々な要素を加味して、第57回有馬記念の最終的な予想を決断する。
競馬理論のファンの方は、第57回有馬記念の最終的な予想をお楽しみに。
以下のURLから2012年以前の有馬記念の関連記事がご覧いただけます。
http://www.keibariron.com/database/arimakinen
有馬記念のコースやレースの特性が知りたい方には大変好評をもらっています。
予想屋マスターhttp://www.keibariron.com/ 12/18 15:26
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