この日は後半の特別３レースで人気上位を全て飛ばした武豊ですけど、スランプというわけではないと思います。
１０Ｒは展開の読みからあのポジションできっちり詰めてきているし、天皇賞も流れが想定からかなりずれてしまった分の負けで馬の力はきっちり出していました。

で、このレースでは大惨敗でしたけど、このレースは今後に効いてきそうな内容を見せました。
ソラニーは典型的な逃げ馬でハナを切るしかない馬ですが、今回は大外枠のタガノミューチャンが引く事を考えない吉田豊だったのでまず競り合って、潰れるだろうなあという読みで、案の定前半からお互い競り合って逃げる形で直線共倒れになりました。
ですが、武豊の逃げがダメかというわけではなく、前日のサウンドガガは先行争い必至の中、スタートはそこそこでもスッとハナをアピールしてまんまと流れを落としてあわや勝利のところまで持ってきました。
このレースと天王山Ｓで見えたのは、「武豊は引かない」というアピール。競り合おうとするとハイペースで自爆を演出し、他がそのイメージを強くしたところでまんまと楽な逃げを打って勝つ。ソラニーに関しても、引くことは出来たけどそれだと今後他のレースでも同じ目に遭うことも考えての敢えて自爆した感じです。
これは「競ろうとするな」という一種の恐喝・・・このスタイルは全盛期の藤田伸二そのままかなあと思いました。このスタイルは勝ち数を増やすという意味では効率的で、負ける時にも後々効いてくる負け方を演じて勝ちを計算できるレースの確率を上げる。という見方ができます。京都開催の好調で年間１００勝ラインを少しずつ見据えてきた武豊。３桁勝つことは数字的にも復活を印象付けるに十分で、いよいよ勝ち数の為の戦略を練ってきた感じです。
この「クラッシャー姿勢」と「武豊の逃げは上手い」というイメージをうまく分別しないと信頼しすぎて大損してしまう事が考えられます。予想する側としてはこの点を正確に判断して今後活かしたいですね。

05/08 10:20　回顧アクセス：704