サクラメガワンダーの強さばかりが際立った結果になったが、そこは阪神外回りなのに前半３Ｆ34.2、後半３Ｆ36.0の乱ペースに加え、直線で上手く外に進路を取ったサクラメガワンダー自身の好判断も大きかったように思う。勝ち馬のパフォーマンスの分だけ重賞としての体面は保たれたが、このメンバー構成はＧⅢでも決して上等とは言えないと思う。いや、相手関係の勢いとかも含めると重賞としては最低ランクと言っても過言ではない。

　サクラメガワンダーの次走はまだ分からないが、今回の優勝を含めて過去に１着した時の相手関係が、本質的に総じて弱過ぎるキライがある。能力云々以前に自分より間違いなく弱いと目される相手にはこれでもかというほど完勝するが、少しでも骨のあるメンバーに当たると良くて２着、食い下がれない時は３着～５着をウロウロ。前から多少気になってはいたが、サクラメガワンダーという馬はどうも「弱い者いじめ」キャラを内蔵しているような気がする。低レベルのオープンみたいだった今回はともかく、次走は一般的にもっと対戦相手が強化される可能性が高い。３馬身差の快勝は決して鵜呑みにしてはいけない。

　このレースの２着以降では、次走のレース条件や相手関係にもよるが、各馬の能力差そのものはあまり感じなかった。そういう意味では悪い着順の馬でも十分変り身が期待できるはず。面白いのはホッコーパドゥシャ。偶然かもしれないが、例年寒い時期に好走例が多く、時計のかかる芝では安定味が増してくるタイプ。冬季の芝レースは得てして時計のかかる状況が多くなるもの。使われてもバテないところもあり、次走芝でオープンまたは手薄な重賞に出てくれば、少なくとも人気以上の仕事はキッチリと果たしてくれるはず。

12/11 01:40　回顧アクセス：1556