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【LV4=平均下レベル】
・イスラボニータの離脱はあったものの、超豪華メンバーとなった今年の大阪杯。注目はキズナ。実力は別のところに置いておくとして、現役であるかぎりは耳目を集めるのはこの馬。復帰初戦となった前走は3着、負けたのは長期休養明けだから、展開が向かなかったと色んな声が聞かれた。この中間はそこまでやるか、と思うくらいに鍛えあげてここに望んだ。単勝は1.4倍。メンバーは豪華だが、キズナの2着探し。そんなことを言いたげなオッズであった。
・注目はキズナの復帰2走目の走りっぷり、東京以外で走るのかスピルバーグ。復活の兆候が見られたロゴタイプが展開利で押しきれるか、復活なったカレンブラックヒルが2000mは持つのか、そんなところが焦点。昨年の牝馬G1馬の2頭はやや軽く見られていたが、ラキシスは有馬の激走が本物だったか、ショウンナンパンドラは秋華賞勝ちはフロックだったかというところも見ものではあった。
・勝ったのはラキシス。キズナが鮮やかな復活勝利!と思わせそうな坂の途中で内から強烈に伸びたのはこの馬。一度飲まれた訳ではなかった。完勝と言える内容と着差。2着はキズナ。まとめて面倒を見たように思えたが。出し抜け、というにはあまりにも完敗。3着は無様な競馬ながらも馬場を味方につけたエアソミュール。
◆1着はラキシス。
スタートやや悪く。出たなりで控えて中団から。道中の走りは可もなく不可もなし。あまり良くも見えない。キズナの前で競馬。4C途中では手が動いており、見た目の手応えは良くはない。4C途中までもそれほど手応えは良く見えなかったのだが、キングズオブザサンの内に入れた時にスイッチが入ったのか雰囲気が変わった。比較的ロスなく直線に入ると追われてグイグイ伸びる。外からキズナが合わせてきたのだが、これを問題ともせず、赤子の手を撚るかの如く置き去りに。坂上からは悠々と押し切った。凄みすら感じさせる勝ちっぷり。
途中までの運びを見てもそれほどこの馬場が合っているようにも見えなかった。馬場に関するアドバンテージはなかったようにも思える。それでいてこの勝ちっぷり。3着も離れており、キズナが弱い訳でなくラキシスが異常に強くなっているのかも。今思えば、C.デムーロの有馬後のコメント「坂を上がってから強い馬に交わされてしまいました。でも、来年はもっと成長すると思います」は伊達では無かった。ジェンティルドンナがいなくなった後も、ラキシス、ヌーヴォレコルト、デニムアンドルビーと牝馬が古馬中長距離を背負っていくのかも。
◆2着はキズナ。
スタートは普通かやや悪く。道中は後方3番手を追走。行きっぷりは普通。終始後方を追走していたが、4Cで加速を開始。外を一気に回って上がってくる。この時の脚は、流石はキズナ!と思わすのには十分のマクり脚。直線も大外に出す。直線半ばでは、2頭分を内を回ってきたラキシスとの併せ馬の形に。これを坂の途中で交わしさるのかと思いきや、相手がもう一伸び。坂上で更にもう一伸びされてこれを追っていく力は残されてはいなかった。完敗の形の2着。4Cで垂れたキングズオブザサンの内外を回るという差はあったものの、逆の立場でも負けていたように思う。
調教過程も完璧で、舞台設定もお誂え向き。これで勝てないとなると成長がなかったのか、相手が強かったのか。少なくとも前回と比べたら言い訳の出来ない条件だっただけに、絶対王者ではないということが露呈した。
◆3着はエアソミュール。
スタートは五分。出たなりの競馬で中団。ただ1Cの辺りから行きたがる感じが終始あり、結局4,5番手まで押し上げる。道中は行きたがっていたが、何とか馬の後ろに置いて折り合おうとする。ただ3-4C中間でもまだ行きたがっていた。4Cでも手応え十分も、前が壁。直線に入ってからも前をカレン、横にロゴに囲まれて出すところがない。坂下で抜け出し掛かったロゴの後ろに出したのだが、今度は更にその横をラキシスに蓋をされる。最後はラキシスが完全に抜けた後に進路が確保でき、そこから伸びてきたものの3着。正直、テンダメ・中ダメ・終いダメの散々な騎乗ぶり。ただ100%の騎乗をしても上位2頭との差を逆転出来るとは思わない。にわかに永遠のG2大将の匂いが漂い始めた。
◆スピルバーグ
スタート一息。最初から下げて最後方へ。道中の行きっぷりは一息。3Cで気合を付けていくがあまり反応は良くは見えない。ペースの上がる3-4C中間での反応は見た目にも悪く、後方2番手でムチが入る。4Cでのキズナとの脚の違いは無情さを感じるほど。直線入口では後方2番手。直線もヨレヨレしながら、他馬に迷惑をかけながら伸びてきた。あの運びで4着に来るのだから、伊達にG1馬ではないということか。実力の一端は示したが、天皇賞馬の威光を感じさせない走りぶり。今後も条件が合わなきゃこんなもんだよな、的な扱いがされそうで。弱くもないが、強くもないというのが妥当な表現かと。
◆ロゴタイプ
スタートは五分。軽く気合をつけて前へ。無理に行く感じもなくカレンを見ての位置取り。3,4番手を追走。4Cでは比較的楽な手応えで直線入口では3番手。カレンブラックヒルには楽に並びかけたものの、なかなかこれを突き放すことが出来ない。モタモタしている内に、後ろから来たラキシスとキズナにはあっさり交わされてしまう。最後はいっぱいいっぱいで5着に入線。馬場も向かないのだろうが、程度の差こそあれ、それは他の馬も同条件。自分の競馬をしてのこの着差。完全に力負け。中山金杯・中山記念の走りが額面通りの力なのだろう。完全に底が見えた。今までどおりの走りの感じで成長も感じられず。G1で主役を張れることは今後共なさそう。
◆カレンブラックヒル
好発。ある程度促していく。内から行くゼロスを見て控えて番手から。道中の追走ぶりは悪くなく4Cでは楽な感じで前のゼロスを交わしていく。直線入口で先頭に立つがそこからの伸びがない。外からロゴタイプが来た時には楽に並びかけられる。ただ相手も思ったほど伸びなかったが。それなりに粘っていたものの、坂上で完全に失速。中団で入線。
04/10 02:21 回顧アクセス:1255 |